引っ越し日記。それにつきます。

過去の日記へ

8/20・ホームシアター
 月曜だが私にとってはお盆休み最終日。雨が降る前にと、朝からマンションの反対側にあるゴミ捨て場に台車で雑誌を捨てに行く。このマンションはゴミ捨て場が満杯になってから業者を呼ぶシステムになっているらしく、雑誌置き場には先週捨てたコロコロがまだ詰まれていた。そこへさらに数十冊のコロコロを詰め込む。2往復して数十冊の雑誌と本を捨てる。
 最後にいくつかのダンボールをつぶし、片付け切れない荷物を積み上げ、掃除機をかけたりして今週の作業はおしまい。一旦ケリをつけたつもりでも、視線が本棚にいくと「こっちの本をあっちに移動させて」などといろいろ分類したくなりいつまでも作業が終わらない。
 夕方前に実家を後にする。
 一日雨が降るはずの天気がまだなんとか持ちこたえそうなので、蒲田で途中下車。商店街を抜けて文房具(映画チラシを入れるホルダー)を購入。その後徒歩で帰宅。
 8spotsは相変わらずM先生LOVE状態であった(笑)。
 疲れを癒すために、寝ながらビデオを観ることにする。観たのはティム・バートンの『スリーピーホロウ』。ジョニデ、クリスチーナ・リッチって、『ラスベガスをやっつけろ』にも出ていたけれど2人とも別人のように清潔な顔立ち(笑)。俳優って凄いと思う。脇役もウォーケン、リーのダブルクリストファーが出ているのがいい感じ。
 マニアック?なところだと『アマデウス』でアカデミー助演男優賞を受賞したジェフリー・ジョーンズも出ている。私は『フェリスはある朝突然に』以来ファンになった役者なのでクレジットに名前を見つけて早速興奮。彼の校長先生はモンティパイソンのメンバー、ジョン・クリーズ主演の名作『時計仕掛けの校長先生』と並び立つ2大校長先生だ(笑)。
 ジェフリーは今回もどんな悪事を行っているのか楽しみにしていたのだが、『シルバラード』のジョン・クリーズ並の脇役でたいへん残念。
 映画の内容自体は当初思い描いていた内容と違っていたが、なかなか面白かった。
 部屋の電気消した状態にして、隣の部屋にうるさくないようヘッドホンで観ていたら、そのうち日が暮れて結果的に真っ暗な部屋での視聴になった。映画の見方としてはかなり原点の視聴方法だが、なかなかいい感じなことを再発見。たとえ29インチのVHSでも十分映画の迫力は感じられることを思い出す。
 気をよくして先週買ったDVD『ザ・ディレクターズ ジョン・カーペンター』を観る。私の特に好きな監督なのだが、監督した各映画のコメントがあるのがいちいち嬉しい。
 自分のわずかな友人たちとだけカルト的な人気を持っているものの、興行的には失敗作と思われる『ゴーストハンターズ』が、アメリカでは熱狂的なカルト人気を呼んでいると知り、あの映画好きなのは制作者と私たちだけじゃなかったのかと感動。同じくサム・ニールは監督曰く「ジェフ・ブリッジス、カート・ラッセルと共に大事な俳優」とのコメントに大喜び。
 監督本人が気に入ってないことがありありとわかる『透明人間』や『光る眼』のコメントも楽しめるが、唯一なぜか私の大好きな(こればっかり)『ゼイリブ』の紹介がない。フィルム借りられなかったとかなんだろうけど、かなり残念だ。あとカーペンターといえば音楽なのに、作曲活動については全く触れられなかった。「ザ・ディレクターズ」だからと言われればそれまでだけど残念。
 1時間興奮のビデオであったが、パッケージ裏の監督の言葉、それ『光る眼』に対する皮肉のコメントなのに、そんなの拾ってどうするよ>製作元の東北新社
 
 こうして私のお盆休みは終わりました。

8/19・小さな刺客
 一日外に出なかった。マンション住まいは出不精になるというのがわかる気がする。やはり玄関の外がまだ屋内というのは一戸建てに住んでいた者には妙な感覚だ。

 本に埋もれた居間の床で起床。ここが我が自宅であれば昼までは寝ていたいところだが、実家とはいえ居間なのでそうもいかない。
 今日はとにかく積みあがったダンボールを減らしていくことに重点をおく。ダンボールを開梱し、中身(そのほとんどは本だ)を積み上げ、そして本棚(もしくは然るべきところ)に納めていく。
 もくもくと個人作業に打ち込むだけの日のつもりだったが途中で刺客が入った。
 以前住んでいた家の隣の娘さんが子供2人を連れて遊びに来たのだ。今は青森に住むという娘さんの子供は、どちらも幼稚園児くらいの年齢。私の客ではないのであまり気にしていなかったのだが、考えが甘かった。入ってくるなり、玄関からドア越しに見えた、二見書房のウルトラマン文庫(小学生の時に揃えたもの)に目をつけて、「あー、ウルトラマンだぁ! ウルトラマンだぁ!」と間接的に見せてくれとせがんできた。
 ウルトラマンというキャラクターの世代を超えた認知度・人気の普遍性に感心しつつ、件の本は私の持ち物にしては比較的美品なので、頼むから大事に扱ってくれよ、と心の中で叫びながら兄の方に貸す。彼は私の気持ちが伝わったのか、本人なりに丁寧に読み始めたので少しほっとする。ところがさらに歳が下となる弟はそうはいかない。本を箱から取り出しているところを横で見ているだけでどきどきものなので、もう見ないことにする。
 しばらくすると本に飽きた兄が、文庫と一緒の箱に入れてあった仮面ライダーのトランプ(70年代のテレビマガジンの付録)を見て「これで遊びたい!」とせがみだした。仮面ライダーの普遍的な人気についてはもやは感心する気もなく、貸すのは構わないがお前これ幾らするかわかるか私は掃除で手が離せないと伝え、放っておく。彼は次に、うちの母と居間で談笑する自分の母親のところへ行き「トランプで遊びたいなー」を連発。だが母親が取り合わないので、不満そうだ。人生、自分の希望は回りくどくなく「母さん、トランプで遊んでくれ」とはっきりというべきだ。若人よ、この経験をばねに学んでおくのだ。
 それから先も基本的に私は親しくもない子供と遊ぶために帰って来たのでは無いので無視を決め込んで作業を続けるが、途中で子供がどたどたと廊下を走るは、騒ぐわ、を続けるので、たまらず母親に止めるようにお願いする。
 私も直接子供が叱れる大人になれるように成長しないといけない。学んでおこう。
 1時間ほどで彼らは帰ったが、近所迷惑にならないかという気疲れで家族3人とも余計な気力を使ってしまった(夜、子供と酔っ払いのお客は避けようと家族会議でまとまる)。
 父の押入れの片づけをしていたら、引越屋の不手際が発覚し1枚の額縁が割れていた。そのガラスの破片で指を切るドジをやったりしたものの、結局今日だけで30個ほどのダンボールを処理。これで1週間以上、この家の人間を苦しめた家の中のダンボールはほぼ壊滅状態になった。
 今回の働きに、父はただとにかく私を褒め称え感謝し、母は私の整理整頓能力の高さを、かつての父と同じだと賞賛した。やはり親孝行はたまにするに限る。
 昨日まで行方のわからなかったビデオデッキの取説は、今日の作業の中で無事に見つかったので、やっとチャンネルを設定することができた。するとなぜか衛星放送が映るようになっていた。以前の家にはアンテナが無いため、衛星放送は初。喜んだのもつかの間、きっと視聴料はマンションの管理費に含まれているのに違いない。うちの家族は、両親が結婚してから数十年、一度もNHK視聴料を払ったことはなかったが、これでついに払うことになったのかと思うとなんだかしっくり来ない。
 そういえば水道料金も(少なくともこのマンションは)共同になるそうだ。水不足のこのご時世に言う話ではないが、水は使ったもんがちなのか? 

 寝る前に執筆作業中の8spotsと電話。例の意気投合した漫画家さん〜この表現面倒なので以後「先生」とします〜からも「原稿頑張ってね」「ちゃんと栄養のある御飯食べろよ」「(締め切りに間に合わなかった原稿を持っていった件に触れ)エロ漫画家みたいなことしてんじゃねえよ!」などと応援のメールや電話を戴いているそうな。意気投合は本物らしい。ファンレター書いた相手といきなり親密になる8spotsって、人生を有効に生きているなぁと感心。

8/18・再び戦場へ
 ついにローソンでゲームキューブを予約。もちろんソフトは予約していない。だってそんなものならヨドバシとかでも買えるもの(爆)。目当ては『スマブラDX』だしね。
 8spotsの同人誌に載せるための原稿が締め切りぎりぎりになってしまい、板橋にある印刷会社まで2人で持っていく。案の定印刷会社はお休みで開いていなかった。近所の住人が不信がる中、ポストに手紙を入れて投函する。
 その後、8spotsが以前使っていた「安心だフォン」を、病気がちの私の母に持たせようと、最寄の携帯ショップに持っていく。ところが持込み電話機の受付は専門店でないとできないのだという。そんなにめんどくさいの? でカタログを見てみると、なんと全国でもたったの5件(うち東京に4件)しかないではないか。一番最寄りの新宿住友ビル(先月私が人間ドックで通ったところだ)まで行く。
 小雨交じりの中新宿副都心へ。「カーマは気まぐれ」や「パープルレイン」などなど80年代の思い出の音楽が店のBGMとしてfeel H”で奏でられる住友ビル地下1階のDDIのショップに到着。無事、PHSを新規登録する。
 8spotsは徹夜で漫画家さんと熱く語ってからというものろくに寝ていないので、そろそろめろめろになっていたが、住友ビルを出たときに、正面口前の広場が8年程前撮影できたことがあるのを思い出し、突然大喜び。徹夜明けのハイテンションが持続しているようだ。
 8spotsは、住友ビルでのお約束である、ビルの中央から頭上の吹き抜けを見上げるやつを行きと帰りに体験していた(笑)のだが、おかげで外でひらめいたらしい。ビルの壁に張り付いて、そのまま頭上を見上げてみると、まるで平らな地面に張り付いているように見える! と子供のように盛り上がる。
 さらにそれでは飽き足らず、同じように今度はビルの角に張り付いて頭上を見ると、まるで一本道を渡っているみたいだ! とさらに盛り上がる。興奮が冷めるまでそばにいてやることにする。
 ヨドバシのDVD売り場で『モンティパイソン・ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』と『ザ・ディレクターズ ジョン・カーペンター』を購入して新宿を後に。
 品川の駅の本屋で『吼えろペン』2巻を買い、私は単身実家へと向かう。8spotsは自宅で再び仕事用原稿作成に移る。しばしの別れ。
 実家までの道中で『吼えろペン』2巻を、興奮しつつ2回連続で読破。
 一週間ぶりの実家(新)についたときは夕方を回っていた。部屋のダンボールの山は先週よりは若干(といっても30個ほどか)減っていたものの、まだまだ膨大な量だ。道中の疲れを癒したいところだが、作業を始める。
 実家のテレビとステレオシステムは、私が組んだためにかなりマニアックになっているのだが、そのために機械に詳しくない両親にとっていくつか問題点があった。まず一番問題なのは、「テレビ」でなく、「モニター」であることだ。つまりうちの「テレビ」にはスピーカーどころかチューナーもない。おかげでうちの両親はちょっとニュースを見ようとするために、プリメインアンプとビデオデッキの2つの電源を入れなければならない上に、どんな番組もサラウンドになってしまっていた。これが結構鬱陶しいものだ。
 今回の引っ越しにあたり、おかげでアンテナと電源の確保をすればすぐにテレビ番組が見られるということではないので、うちの両親は先週私が仮に組んでおいた剥き出しのアンプを部屋の床に出しっぱなしの環境でテレビを見なくてはならなかった。今日の最初の仕事はこのステレオシステムを組み終えることにある。
 おまけに実は引越屋がステレオ台の移動用のタイヤを折ってしまったので、配線を付けていくのにも一苦労だ。
 ともかく無事に配線を完了し、ビデオを使ってテレビを見ようとするのだが、肝心な問題が確定されていなかった。チューナーとして使う予定のビデオデッキのチャンネルの設定の仕方がわからないのだ。取説はどこかと聞くと、まだ見つかっていないとのこと。
 結局、暫定的に先週同様セカンドマシンのビデオデッキを直配線してしのぎ、ステレオを組み終えるのは後日になった。
 その後も資料室の整理をしていたら夜中。今日のところはひとまず寝る。

8/17・ハートに火をつけて
 お盆休み2回目の出社。こうちょくちょく仕事があっては長期休みとはいい難いものだ。
 今日もいつもの金曜と同じく、取引先のFAXを待って残業だろう、と思うと憂鬱だ。そんなことを考えながら3日ぶりの自分の机を見ると、今日一日分のFAXがすべて届いているではないか! 感動だ。これで早く帰れる。おかげで16時に帰ることができた。
 帰宅途中、駅ビルのツタヤへ。1年前にこの店が開店した時に作ったまま、ほとんど使っていない会員証なのだが、延長するとなぜかビデオが1本無料で借りられるということなので久しぶりに来てみたのだ。
 劇場公開時に観られなかった『インビジブル』と、190円コーナーにあった『スリーピーホロウ』も借りることにする。前者は実質継続料の200円で、後者は入会時にもらった100円引きチケットが使えるというので、結局90円で借りたことになる。これでよく商売になるなぁ。
 帰宅すると8spotsが帰ってきていた。件の漫画家さんとは完全に意気投合したらしい。昨日の一夜はこれまでにないほど、最高に楽しかったらしいのだが、徹夜だったこともあって、めちゃくちゃハイテンション・大興奮状態。いろいろ昨日の楽しい模様を教えてくれた。持っていった彼の著作6冊すべてにイラスト付きでサインしてもらい、その上色紙に8spotsの似顔絵(!)まで書いてもらってきていた。この漫画家さんにこんなにサインしてもらったのは8spotsが初めてなのではないか?(笑) とにかく凄すぎ。とにかく今回の件は彼女の創作意欲に火を点けてくれたようだ。ありがとうございます。先生。
 8spotsはひとしきり話をすると興奮したまま寝てしまったので、私は借りてきた『インビジブル』を観る。エリザベス“ベビーシッティング・ブルース”シューのファンの私としては、見えそで見えないところがそそります。とはいえ、グログロエロエロドロドロのバーホーベンにしてはおとなしい映画でした。普通。
 その後、テレビでやっていた富山敬の『ジュラシック・パーク』をちょっと観る。今時地上波では珍しい、最後のスタッフロールまでノーカットだったので、起きてきた8spotsに、先日YOUNG KING OURSに載っていた歌詞(笑)「いこー いこー ジュラシーック・パークゥー♪」を聴かせてあげたら好評。もうJ・ウィリアムズの曲聴くとこの歌詞が反射的に思い出されるようになってしまったに違いない。
 夜はいろいろすることがあった気がするのだが、おげしょ&KENと3人でMSNチャットしていたらもう4時。

8/16・主夫の平凡な一日
 昼過ぎに起床。8spotsは本日、漫画家さんとデート(あの後ちゃっかり取り付けていたのだ・笑)なので、私は留守番だ。
 8spotsを送り出してから、まず、ここ最近超過重量の荷物を載せすぎた(水12Lをハンドルにぶらさげたりとか)ためか、珍しく自転車の前輪がパンクしたのでそれの修繕。日差しが暑い。いつもの通りチューブを抜き取り水に入れるが、なぜか泡が出てこない。虫ゴムが古いせいで空気が抜けたのだろうか? よくわからないが空気を入れて、虫ゴムだけ交換し、元に戻す。短い時間に数箇所蚊に手足を刺された。
 その後日記を書いたり久しぶりに部屋掃除をしたり干していた洗濯物を畳んだり貯まった新聞を読み続けたりしていると夜。
 遠くのマルエツまで買い物に行こうとすると、またしても自転車の前輪の空気が抜けている。とりあえずセール時間に間に合わせたかったので、空気を入れ直して走ってみるが、案の定マルエツに着くころには空気が抜けてしまう。やはりパンクしている。
 自転車を手で押して戻る。明日は会社だし、朝から早起きして修繕できるとは思えなかったので、夜中だが早速修繕にとりかかる。外は真っ暗。近くの電柱の明かりの恩恵にあずかれるところまで移動し、暗い中で道路に道具を広げて修繕をする。今回桶に水をたくさん浸してパンクを確認すると、確かに穴があった。ゴムのりをつけて、シールを貼って、はい完成! 再び水に浸すと……、シール貼るところを間違ってました(涙)。暗くて穴がわからなかったらしい……。
 暗闇での作業に思ったより悪戦苦闘していたら、通りがかりのご近所の若夫婦が、「これ、使いなよ」と懐中電灯を持ってきてくれた。下町のやさしい心を感じてじーんとするが、すみません、もうあとタイヤに詰めるだけなんです、と断る。ちょっと手遅れ(笑)。
 部屋に戻り、タイヤくさい手をよく洗って、夕食を作る。自転車の修理で疲れてしまったのでインスタントな「ゴハンがススム君」に走る。磯部勉のメル・ギブソン声が新鮮な『リーサルウェポン』を観ながら飯。
 食後、忘れないうちに『カルドセカンド』のファミ通カップ・ダウンロード。ルール、マップ、AIキャラすべてを別々にロードする必要があるのだが、どこでロードするのかわかりづらく手間取る。でもセプターズライセンス払わなくても参加・応募できるのはちょっと嬉しい。
 まだストーリーモードも終わっていないブックだからか、あらじ谷塚AIキャラはかなり強敵だった。何度かのチャレンジの末、とりあえず1勝して苦労の末ドラゴヘルムをゲット(負けても貰えるみたいだけど)。
 8spotsから朝帰りになる旨の連絡を受けた。結構盛り上がっているみたいだ。一人だしさっさと寝るつもりだったが、ぐずぐず起きてしまう。

8/15・川崎と脚の風俗
 昼過ぎの電話で起こされる。相手は何と8spots。私が寝ている間に出かけていたらしい。川崎にいるというので、それなら私も用事があるので、そっちに向かうと伝える。急いで仕度。合流する前に川崎ヨドバシで換気扇のフィルターを購入。後はDVDの『モンティパイソン アンド・ナウ』(劇場版第1作)。切れてしまったPSOのライセンス用に購入予定だったwebマネーは残念ながら売り切れ。ヨドバシは金券であるwebマネーにまで10%のポイントを付けてくれる良心的なお店であるので(気付いていないという説もある)人気が高いのだろう。
 買い物を済ませてから8spotsに電話をするが、今いる店の場所を伝えた後連絡が取れなくなる。言われた店に行ってみると、そこは英国式の脚マッサージの店であった。ガラス張りになった店の中を除いて見ると、店のおねーさんにつま先をマッサージされて、至福の笑みを浮かべたまま赤ん坊のように無防備な眠りに着いている8spotsの顔が見えた。前々から一度行ってみたいと常々語っていたが、ついに実行に移したか。
 彼女が何分間のコースを選んだのかわからないので、とりあえず他の場所をしばらく散策する。川崎にでかけるのはいつも夕方以降ということが多いので、川崎でゆっくりするのは久しぶりかも。蛇足だが、マッサージ店と同じ川崎BEの中にあるおもちゃ屋で、キッズギア本体とソフト多数のセットで2万円というワゴンセール商品を発見したが、欲しがる人はいるのだろうか。
 結局8spotsは最長の90分コースを選択していた。天使のように体が軽いと嬉々としている8spotsと、おなじみのパステルで今日はじめての飯。8spotsには先日ヒロターズが頼んでいた夏スパゲッティを勧める。途中数度の仕事の電話。
 今日の川崎の街には浴衣姿の女性が妙に多い。浴衣も普段着としてすっかり定着したのかと思っていたら、8spotsが今日はきっと何かイベントがあるんだという。そういうものなのか。
 そのイベントの正体は帰りの電車の中で明らかになった。六郷土手の河川敷は多くの人出で賑わっていた。今日は花火大会があるようだ。昼から歩きっぱなしの我々は荷物も多いことだし、そのまま帰宅する。家に戻って暫くすると、花火の「どーん」という音が遠くから聞こえてくるが、住宅地の真ん中に立っている私の家からは花火が見えるわけでもない。
 貯まっている日記を書き上げる。その後、久しぶりに避難民さんと電話。お盆に遊びに行くつもりだったが、多忙すぎていけない旨を伝える。行けなかったかわりに、もうすぐ1歳になる宇宙君の声を聞こうとするが、残念ながらゲップしか聞けなかった(笑)。
 夜になってMSNを起動すると、花火から戻ってきたヒロターズが興奮気味。花火にすっかり魅せられてしまっている(笑)。花火の持つ魅力について2人で語り合う。来年は一緒に行きましょう、という言葉に同意しつつ、来年もこの街に住んでいるといいね、と自分の先行きに漠然とした不安を感じる今日この頃である。

8/14・ワーカホリック
 お盆休みの出社日第1回。コアタイムにいなければ出社扱いとならない、と上司に脅されたため、いつも通り10時出社する。
 多くの人々は当然今日も休みなので会社にいる人々もまばらである。金曜日を休みにしていたので案の定大量に貯まっていたメールの処理で午前中を費やす。それからお盆休みの無い?ヒロターズと会話していたりしていると、昼に予定通りSAKUから電話。今日の仕事その1はSAKUとのお仕事のコラボレーション(というには大袈裟か)である。
 仕事をはじめる前に会社の前のジョナサンで昼飯を食べながら近況を語り合う。SAKUは9月に異動を控えており、このコラボレーションもぎりぎりのタイミングだった。
 お盆中のジョナサンは空いているかと思いきや、子供づれの家族ばかりでまるで保育園で飯を食べているかのような喧騒ぶりだった。しばらくご無沙汰だったジョナサンは、ガストのようなドリンクバーができていて、コーヒーやジュースが飲み放題になっていた。2人で野菜ジュースをお替り。
 SAKUとの仕事を無事に終えてから会議に入る。30分遅刻して入った会議はその後、4時間近くに及ぶ。
 昨日わずかに復活させた体力を使い果たす。

 家に戻って散らかった自分の部屋にいると、手元にディック・ブルーナの「くんくんとかじ」という絵本があった。引っ越しの際に捨てる予定だった、既に読んだ記憶もない本だったが「そんなもったいない」と東京まで持ってきたのであった。
 何となく扉をあけて仰天。表2見開きにあたる白紙のスペースに、子供のころの自分の手による文字がびっしりと敷き詰められていた。
 子供の私は、この絵本を喫茶店のメニューに見立ていたらしい。そこに書かれていたものはすべて飲食物の名前で、「ピザ エビ・チーズ 900円」「ケーキ 1000円」「トースト」などと書いてある。
 そこまではまだいい。どうしても気になるのは「コーヒー」と書かれたところにある「コーヒー アメリカ・ブラジル・スイス 10000円」だ。アメリカ、ブラジルはわかるが、スイス。スイスってコーヒーあったっけ? あと、10000円は幾らなんでも高すぎだ。
 それからもうひとつ。一番右下のあたりに大きく書かれていた「とくべつ・ゆたんぽ 100000円」。湯たんぽ!? なぜ喫茶店に湯たんぽが? しかも10万円の湯たんぽとは如何に? 子供の頃の私に一体何があったというのか? 今度親に問いただしてみよう。
 その後、気がつくとまたベッドの上でうたた寝していた。こういうだらしない生活していると、また8spotsに怒られるなぁ……。

8/13・休日のダメな過ごし方
 朝から何度も目が覚めたが、体が重くてベッドから体を起こすのがおっくうで、何度も寝る。最終的に目覚めたときには既に15時を回っていた。本来の予定では今日まで実家で引っ越しの手伝いを行うつもりであったが、昨日のうちに帰宅しておいて本当に良かった。体力を使い果たしてしまった。このままでは明日の仕事も朦朧としていて支障が出ていたことだろう。
 起きてから、とりあえず水曜日分から更新していないHPの日記の続きを書こうとPCの前に座る。ところが心身ともに疲れた体では全然筆が進まないし、書いてある内容もちっとも面白くない。それでも自分の記録だし、とか思いながら、木・金・土曜まで書いてキーボードを打つ腕が疲れてきて挫折する。
 何をするにもおっくうならと、『カルドセプトセカンド』を始めるものの、頭を使うゲームなだけに凡ミスを何度か繰り返し、ちっとも勝てない。やっと勝ったときには気がつくとかなりの時間を使っていた。
 起きた時には映画でも観るつもりだったのになぁ、とかゲームで無駄な時間を使ったときには必ずある後悔を今日も感じつつ、1時間で終わるという理由で『ザ・ディレクターズ スティーブン・スピルバーグ』というドキュメンタリー番組のDVDを見る。このシリーズを見るのはこれで3作目(ギリアムとクローネンバーグ)だが、今回はあまりに大監督過ぎて、ほとんどサクセスストーリーの大盤振る舞いのような話でいろんな意味で凄かった。
 スピルバーグという名前でときめかなくなって久しいが、登場する映画は好きなものばかりだった。『激突!』『続・激突! カージャック』『ジョーズ』『1941』などは、暫く観ていないし懐かしい。近年の『シンドラーのリスト』『プライベートライアン』も何だかんだで観てるし。すっかりじいさんになっていたロイ・シャイダーによる『ジョーズ』撮影時の思い出話などを聞いていたらDVDが欲しくなってしまった(先日テレビでやったばかりなのが惜しまれる)。
 10歳の時に映画館で『スタートレック2 カーンの逆襲』を観て映画ファンを初めて以来約20年、気がつけば30にもなったんだから、10代に観た映画はそろそろもう一度観直しておきたいものだよなぁ。とか思いながらだらだらとした一日が終わる。

8/12・さらばコロタンさらばコロドラゴン
 居間に敷いた布団で目覚める。目の前を愛猫が通り過ぎる。昨日・一昨日の引越しによる疲労のため、まだ全身がけだるく悲鳴を上げている。もうろうとした頭で、猫の頭をおもむろになでながら、「よぉカール。今日はご主人様は一緒じゃないのか」とかつぶやいていると、先に起きていた8spotsが「おたくくさー」と冷たい視線を投げかけてくれた。
 今日はもう引越屋は来ないが、だからといって引っ越しが終わったわけではない。3LDKの部屋の中には100個以上のダンボール箱が居住スペースに占拠しており、実際昨日も布団を敷けたことが奇蹟のような状態だ。だから今日もすることは、このダンボール箱の中身を取り出し、整理することだ。
 8spotsは朝食もそこそこに今日も精力的に働いている。まるで「やる気のない本屋のようだ」と比喩していた、ジャンルのバラバラになっていた本棚の本やレコードの中身をきれいに整頓していく。
 私はというと、まず引っ越す前に捨てるつもりだった「世界大百科事典」数十冊と、コロコロコミックなどの処分から始める。コロコロコミックは、隔月誌だった創刊当時から買い始め、それ以降数年間に渡って買い続けた。B5サイズの「別コロ」もある。(れいしゃさんが希望していた1985年以降のものを探すが、私は1984年に買うのを止めていたようだった。れいしゃさん、お力になれなくてすみません)
 思い出深い雑誌たちだが、こんなに置くところはもはやこの家にはない。目に止まった記事(藤子が書いていないがアニメ化された幻の漫画『ドラQパーマン』、『超人キンタマン』でお祈り戦士オガンダムがプラモ戦士バカラスに変身する回、ゼロヨンQ太・プラコン大作・釣りバカ大将?など4作の合作競演漫画、『マイコン電児ラン』がゲームセンターあらしと対決する第1回と敵のプログラムを書き換えるという技を使う回etc.)の号数冊を除いてすべて捨てることに。さようなら、僕の青春。
 開封したダンボールは50枚くらいになって廊下を埋めてしまったので、引越屋に電話して取りに来させた。元々引越屋の詰めた箱というのは、かなり空間に余裕を持たせているので、中身はそんなに多くない。どんどん部屋の荷物が減っていくのは嬉しい。
 コロコロ他の捨てる本は、紐でくくってマンションの外れにある共同ゴミ置き場に何往復かして捨てていたが、そのうち書籍捨て場の半分を占拠してしまったので、今回捨てるのは途中で中断を余儀なくされる。
 そんなこんなですぐに夜。まだ半分近くのダンボールが部屋を占拠している姿を見ているのは忍びないのだが、あまりに服が汗で臭うので、終電で東京へ帰宅する……。

8/11・引っ越し2日目=開梱
 8時半に起床。すぐに引越屋はやってきた。今日は昨日の「モー娘。」たちに加え、男性陣なども加わり、大人数になっていた。彼らの作業の対処をしていて案の定朝飯を食い損なう。
 そのうち新居に待機しに出かけた父から人手が欲しいといわれ、隣りの家でママチャリを借り、空腹でも力を振り絞り、山を登る。
新居のマンションでは、父と荷物をどこに移動させるか指図。私は「資料室」と名づけた部屋の本棚を自分用に使っていい(新居には私の個人用の部屋は無い)と言われていたので、この部屋がダンボール箱で一杯になる前に、本をお好み通りに棚へ詰めてしまおうと画策。届いた私の荷物を次々と開梱し本棚に詰めていった。
 するとまたしても薮蚊が飛来。さすがに荷物に入っていたわけではあるまい。きっと、このマンションの裏が山なので、最上階にあるこの部屋は屋上から階段〜玄関を伝って侵入してくるのだろう。ともかくまたしても連合軍もとい蚊との戦いが続く。
 そんな折、夕刻に何と雨が降ってきた。まだこの家にはエアコンが書斎に1台しかなく、快晴だったら暑くてたいへんだったねー、とか悠長なことを言っていたのだが、雨が降っては荷物が運べない。夕立であって、雨がすぐに止んでしまうことを祈り、しばし作業を中断する。父は「サターンTHEイス」(捨てようか悩んでいるうちに、気がつくとこちらに運ばれていた)のペラペラのCD型クッションを取り出して、窓際で一服していた。「この座布団便利だよ」という言葉に、「一応役に立ったぞ、よかったな! サターンTHEイス!」と心の中で叫ぶ。
 幸い1時間もしないうちに雨は小降りになり、引き続き作業は続行される。
 日も暮れかけた頃、そのうち向こうの家で待機していた8spotsが、搬出が終わったらしく、いたたまれなくなってこっちにやってきた。3人で開梱も含めた作業を続ける。
 その頃こちらは、雨のために中断していた作業の遅れと、明らかに許容量以上と思われる荷物が開梱しきれない(本棚に本が入りきらない)などと理由をつけて引越屋がギブアップ。とにかく荷物を部屋に入れることだけを主眼とした作業がとり行われていた。こうなるともはやめちゃくちゃだ。本棚に入っている本は上下も逆さまだし背表紙が奥だったりするし、部屋に入らないからと荷物も適当に空いている部屋に放り込まれるし。
 資料室は、荷物によって本棚への経路を阻まれてしまい、整理できず。結局21時頃に荷物はすべて運び込んだものの、部屋は100個以上のダンボールで占拠されていた。どのへんが「おまかせパック」なのだ(苦笑)。
 少し片づけを続けた後、深夜8spotsとマンションの前の夢庵で夕食。私は脱水症状を起こしていたらしく、暑いお茶を出るまでに15杯くらい飲み干し、渡されたポットをおかわりしてしまった(笑)。
 飯を食べながら8spotsが嘆く。こちらに作業手伝いをしに行っている間、自分の携帯電話を私の母に貸しておいたのだが、その間に8spots宛の電話がかかっていたそうなのだ。その相手とは、先々週も電話がとれず留守電にメッセージが入っていた2年半前にファンレターを送った相手(某漫画家さん)だった。ついてないね。8spots(笑)。
日記のメニューへ | HPのTOPへ |