|
|
かつて私が「えび天」に出たとき、銀監督受賞に浮かれる私に、唯一辛い得点を付けていた大林宣彦監督が言った。「監督はカメラを通して女優に恋をするんです。決して女優さんに触れてはいけません。カメラを通してだけにすべての情熱と愛情を注ぐのです。」と。 そのとき既にその掟を破ってしまっていた私には、即座に謝るしかない内容の教訓だったが、この言葉は人生の中でたまに思い出すことのある言葉になった(まぁ、よく聞く話だけど)。 で『スターウォーズEP2』の話である。ルーカス、幾つになったか知らないけど、これはもうまさに「恋におちたジョージ・ルーカス」。といってもインディーズ映画じゃなくて、正直なところ、彼はナタリー・ポートマン(パドメ役)に惚れた! 間違いない。 しかも監督特権を生かした物理攻撃とくるとはさすがだ。彼女の衣裳デザインは、すべて監督の意向で決められた、と私は信じて疑わない。今回はもう彼女の映画と思って間違いない。 まず多くの観客をひきつけるのは湖水地方のシーンだ。テラスにアニーと現れたときのあのドレス! 背中ばっくり! というか、後ろを隠す布切れが何にもない! 男性の目は釘付け。 金太郎がスカート履いてるようなデザインじゃないの? とにかく、し、正面、正面を写せー! って心の叫びを飛ばすものの、テラスが邪魔してばっちり写すカットがない。ヘタレがーっ! ってここで観客の気持ちはもうナタリーの露出度のほうに注がれるという仕組み。 しかも監督の意志を反映した演出=アニー(アナキン・スカイウォーカー)がここでやってくれる。セクハラオヤジのように、いきなりその露骨に露出した腕を、指でつつつーって触る。どうみてもセクハラ。オビ=ワンは思春期の青年に何を教えていたのでしょうか。ジェダイの親愛表現なのでしょうか。設定上はともかく、まさにあれはルーカスの"心の指"なのだろう。 誰もが「このマセガキを誰か止めろ」と思ったであろうこの演出に驚く間もなく、そのままピクニックシーンへ。 突然パロディ映画かと思うような、観ている者置いてきぼりの青春まっ盛りシーンが展開するのは観た人ならご存知の通りですが、普通なら冗長としか見えないシーンも、ナタリーのドレスが次々と変化するので強引に観客を満足させる監督の手腕に感動。っていうかこのシーン、ルーカスがナタリーにいろいろ服を着せたかったからとしか思えない。 露出度が先ほどのシーンから下がっているのは残念だが、流石にあのドレスでアニーとごろごろやったらきっと中身が飛び出るか。いや、ルーカスなら「最初にカメラテストをしよう」とか言ってためしにやらせていたかも。是非DVDの特典映像に入れてください。 ともかくこの一連の湖水地方のシーンはフレメンさんのおっしゃるとおりで、「パドメ、何着勝負服持ってきてるんだ!」と誰もが呆れるファッションショーぶり。 で続く灼熱のタトゥーインでは流石に日焼けしちゃまずいから露出度は諦めるしかないかと思ったら、船に戻るなり船内でいきなりあの白のボディスーツ! 写真で見てもピンとこなかったあの服も、動いてみて納得。体のラインがばっちり出ています。しかも透きとおるような白。「pure white」とかルーカスは言ったんだろうか。ああ、DLP(デジタル上映)を観に来てホントによかったと思える瞬間。 しかしながら字幕の文字が彼女のスーツ観賞の邪魔をする! こうなると吹き替え版のDLP公開に期待したいところ。 しかもルーカス、これだけじゃ満足できないと思ったのか、そのスーツがなぜか怪物の手によりセパレートに早変わり。今回の映画にはあちこち日本のマンガの影響が観られますが(ヨーダの『ドラゴンボール』とか)、これは『ウイングマン』とかの影響なんでしょうか。とにかく21世紀の『バーバレラ』誕生。趣味丸出し。 さて総括。パンフには「パドメのコスチュームは前作より女らしさを増し、肌の露出も多くなって物語の展開にふさわしいものになっている。」と書かれている。書いているほうもわかっているのか疑問に思う、まったく意味のわからない説明だが、つまりはこうだ。 まずナタリーに惚れたルーカスは、まずEP1に出演させ既成事実を作る。彼女がこの映画を降りにくくする。そして満を持してEP2。ルーカスの野望はついに始まった。露出度の高い服をガンガン用意する。 きっとナタリーから「この服にはどういう必然があるんですか?」と突っ込まれたに違いない。しかしそこはこれまで何年も敏腕プロデューサーたちを垂らし込んできた巧みな話術でカバー。きっとそのときの言葉こそ「物語の展開にふさわしい」だったんだろう。意味わかんないけど、きっとなんか納得させたんだろう。 おかげさまで、ともかくどこをとっても眼福の映画。2度3度と観に行く人の気持ちがよくわかった! ルーカスはインタビューで何度も言っていた「今度のSWはこれまでにないほどの『愛の物語』なんです」と。ええ。監督の愛は観客にも伝わりましたとも。 EP3ではこの暴走がさらに拍車がかかり、いよいよ年齢制限版が別で作られるとか、ついにキレたナタリーが降りることになるか、それはわかりませんが、私は今までないほどSWの次回作に期待しています。 というわけで今日は日比谷スカラ座のDLP上映の『EP2』を観に行ってきた。物凄い混雑を予想していたのだが、そんなこともなく(近所の日劇でもやってるからなのか)最終回(19:00)は席も7割の入り。ホントにいいの? ってくらい快適に観させてもらいました。この映画館、座り心地も良いのでお勧めです。 なお、私の手には1年前にこの映画館でDLP初体験をした『千と千尋の神隠し』のDVDが。 家に帰って早速去年のDLPの感動を再び! と思ったものの映像が真っ赤だからなのか、DVDの限界だからなのか、どう調整してもフィルム上映レベル。DLPのピュアな色使いはどうやっても再現できませんでした。もしかすると、これって液晶プロジェクターの限界なのかな? むう。 |
|
|
PCって、こんなに便利なものであるにも関わらず、そもそも通常は1人で扱うものなので、操作って結構我流で覚えていることが多い。 例えば私はワープロをいじるようになってからかれこれ15年以上になるのだが、未だにタッチタイプができない。実は2本指でタイプしている。 それでもそこそこ早く打ててしまうので以前『タイピング・オブ・ザ・デッド』をみんなで遊ぶ時に、私のその奇妙なタイピングにみんなが驚いていた。もちろん疲れやすいしミスタイプも多いのだけど。 ワードとかエクセルとかも我流なので、たまに人から便利なショートカットを教えてもらうと簡単に目から鱗が落ちたりする。 先日会社でシミズから「フォトショップで丸を書くにはどうしたらいいんでしょう?」と聞かれて、周りのみんなと「そんなの簡単だよ。……あれ? これはワードのやり方か?」とか暫く悩んだこともあった。 父猫さんのBBSでは拗音のFEPで盛り上がっていたが、これも意外と人に教わらないと不便な入力方法のまま使い続けることもありそうだ。 で、私は今日偶然http://www.archive.org/にたどり着いた。昔のキャッシュを残してあるサイトだそうなのだが私は初めて知りました。人にきいたりネットで調べてみると結構有名なんですね。 私はすっかり楽しくなって、自分のサイトの1年以上前のTOPを見てみたり、閉鎖して随分経つ知り合いのサイトを見たり、倒産した会社の在りし日のHPとか見て夜まで楽しんだ。まるで古新聞を読むような感じだ。 以前からGoogleのキャッシュで近いことをして楽しんでいたので、こんなサイト知らなかったとは不覚であった……。 そういえばGoogleも私は「ぐーぐる」と読みますが「ごーぐる」って読んでいたときもありますし、今でもそう読む人はいますね。あんなにしょっちゅうロゴ変えるんなら、たまにはルビ入りのロゴも出してくれればいいのに。 夜は『千と千尋の神隠し』DVDの色温度問題を調べつつ、12時からドリカラ無料デーに突入。普段歌わない一般曲の勉強をするのでした。 |
|
|
会社帰りにマルエツの上の本屋で、Aちゃんのために愛蔵版『トイレット博士』を買ってくる。 なぜか新品半額で売っていたことを話したら是非買ってきて欲しいと頼まれたからなのだが、確かに半額なら買いたくなる本ってある。 私も先日愛蔵版『ゲームセンターあらし』2〜4巻を買ったばかりだ(1巻は売り切れ)。きっと『ロボッ太くん』なら懐かしさで私が買ってたかもしれない。 昔は新品の書籍が値引きされるなど考えられないことだったが、世の中も変わったものだ。原稿料が何十年も上がらないわけだよ。 昔読んだ藤子・F・不二雄のSF短編で、非日常を語る中のエピソードに駅で切符の値段を値切るというシーンがあった(「どことなくなんとなく」だったかな?)が、そんなこともいつ現実に起こるかわからない。 本屋では他に『吼えろペン』5巻と『ユーゲー』2号を購入。 なお、『吼えろペン』を読むたびに、登場人物の1人・大哲が、専門学校の先輩であるよしいさんとダブって仕方ないのだが、いつかご本人にどう思っているか聞いてみたい(へぶんさんはどう思います?)。 夕食後、昨日大いに楽しんだ『D&D』のDVD特典映像の続きを観る(やたら多いのだ)。 監督がインタビュー中でさかんに語っていた「映画学校なんかに行かずに現場でアルバイトして技術を学んだ」「映画を撮るために自分で会社を興した」という一見サクセスな逸話が、実際にできてしまった映画を観た後だと「そういう順路を辿るとこういう映画になるのか」というイタさ抜群のコメントになってしまっているところに趣がある。 その一方で、ドラゴンのデザインを担当したデザイナーがコメントの中で「ブロントサウルス」という例えを使っていた。 今はもう歴史から消え去った幻の恐竜となってしまったその名前を口に出しただけで、このアメリカ人に妙に親近感を覚えるのは、やはり世代のせいなんだろう。 プロジェクターを起動したついでにそのまま『ラットレース』の特典映像だけを引き続き鑑賞。メイキングやNGシーンなどで、特に好きな「バービー博物館」や「ルーシーショー」の逸話をたっぷり聞けて満足。 ところで昨日なんとなく日記で使った鈴木土下座衛門の名前だが(ちなみにバスタードね)、8spotsとの会話の中で試しに検索してみたところ、他にもこの映画を語るのに使っている人がいた。やはり印象の強い事件だったのだと思う。ちなみに『FF1』の「イビルアイ」のほうはマイナーだけど、今度のPS1版でメジャーになれるかな? |
|
|
はやめにカード切っておでかけ。やれカオスだ、混沌だ、という地球の誕生みたいな言葉が飛びかう中、用件は思ったよりも早く終了。寄り道しようとしたら雨が降ってきたのでまっすぐ帰宅して、会社の知り合いに借りたDVD『ダンジョン&ドラゴン』を鑑賞。 世界初のTRPGを原作にした映画化で、私もゲームは中学生のときに遊んだものだ。高校のときはKENが小遣いをはたいて一揃い買ったのに、誰も遊んでくれなくて宝の持ち腐れだったのを横目に、たけぴぃやおげしょやしょっちゃんと「トラベラー」に興じていたっけなぁ。 で映画のほうだけど、これが「ジェレミー・アイアンズ、もう少し仕事選べよー」とツッコミを入れたくなる物凄いB級映画。 今回のジェレミーの役どころは、ソーラ・バーチ扮する若い女王様をいじめる悪い宰相の役。せっかくのジェレミー×ティーン少女なのに、今回は濃厚な関係はなし。 さて、じゃあ本当にダメ映画なのかと言うと、その通りなんだけど、そう思ってみれば、これはこれで面白い。『スターウォーズ』の後に『スターファイター』や『宇宙の7人』を楽しめる人なら、是非『ロードオブリング』の後にいかがでしょう。世界観パクリなのはゲームからだし。 D&Dなので、魔法とかダンジョンとか出てくるし。あの有名な鈴木土下座衛門……もといビホルダーも登場する。予算の関係で戦闘しないけど……。あと個人的にはヒロインも割と好み。特に冒頭のメガネの図書館司書風の姿。 なおDVDには映像特典がかなりいっぱい入っており、中でも未公開シーンの紹介がオススメである。 例によって監督のコメンタリーつきで、なぜボツになったのかが説明されるのだが、「後で編集するときに欲しくなるかもしれないと思って念のため撮ったけど、やっぱり冗長なのでカットした」「予想はしていたんだけど撮ってみたら説明的すぎてカットした」という、あんたそれでもプロかい!というシーンがある一方で「予算が足りなくなってCG合成できなかったのでやむなくカット」「少ない予算でとりあえず撮ってみたけどイメージと違うのでカット」とか言ってストーリー上重要なシーンをもあっさりカットしている豪快な手腕に感動。 おかげで本編を見ていると「あれ?ここのシーンないのか?」とか「いつの間にかこの人仲間になってる」とか「いつの間に主人公とヒロインが恋仲に?」とか、まるで昔の昼の12チャンネルの映画を見ているみたいに思うのだけど、この特典はそれのフォローになっているわけだから大事な要素なわけだ。 二言目には「このシーンはディレクターズカットがあれば入れたい」を連発していて「お前、ちゃんと作ったのか?」と観た全員が突っ込みたくなるところもポイント。もうこんな人間味ある監督のコメントが聞けるだけでもかなりの名盤。 しかも! 解説によるとこの映画も壮大な3部作構想の第1作目なのだということ。ホントに2作目以降も作られたら嬉しいなぁ。 |
|
|
今朝も寝る間点けていたエアコンのためか、目覚ましよりも早くに目が覚める。眠いのになんで? 8spotsの話によると「睡眠時間が短くても寝やすい分熟睡しているので体は楽なのではないか」とのことだが、確かに起きたときに頭はすっきりしてる。 だんだん強くなる雨の中小走りに出社。そんなに濡れたつもりはないのだが、会社につくと膝から下がすっかり濡れていた。こういうときは中途半端な家の距離が仇になる。 今朝読んだヒロターズの、いつになく難産だったSS新作がなかなか面白かったので、昼休みに日記を書く上で"参考に"させてもらう。 以前、父猫さんの日記のパスティーシュをやったことが一度あるが、今回はうちの客で原作を読んでいる人が皆無と思われるので、ネタをわかってくれる人がいないことだろう(笑)。 でもまぁ日記なんてコンテンツとは言い難いHPのおまけなんだから私が書いて面白ければいいやということにする。 ちなみに原作者の了解はとらずに勝手にやったので、あとで鬼神のように怒られたらどうしようと思っていたが、思いのほか喜んでくれたようでよかったよかった。 早めに家に帰り、思い切って日曜の撮りかけのフィルムを現像に出す。上がってきた写真の枚数は日曜に現像したものより少し多いが、感想は前と同じ。気に入った表情と気に入った構図が一致しないので写真としてはまだまだ未熟だと実感。 でも写真は撮り続けていく気持ちはまだ残っているので、今後履歴書には「趣味:写真撮影」を加えよう。 |
|
|
諸君 私はバカ映画が好きだ 諸君 私はバカ映画が好きだ 諸君 私はバカ映画が大好きだ というわけでまだ自分でも観てない『食神』をさっそく会社の友人に貸し出した。まさに布教目的のDVDである。 夕刻、ジョナサンで会いたいと言い出したのは私だった。 このところ毎日のような気もするジョナサンにてドリンクバーのカフェオレを入れる。ゲロゲロゲロゲロロとカップへ吐き出されるこのコーヒーメーカーの音はいつ聞いても苦笑ものだが、最近はすっかり慣れてしまった。 「知ってました? ここのカフェオレ美味しいんですよ、見た目は悪いけど」 と話した今日のジョナサンの相手は、保険のおばさんである。 本当は彼女が私に対して幻滅してくれるような結論に持ち込められれば、と考えていたのだが、そうはならなかった。 一昨年に初めての入院も経験したし、昨年は同い年の友人の病死、初めての人間ドックでは再検査も体験した。今回保険の見直しの話を提案されたときに、それもありかもと思ったのも歳のせいかもしれない。 「天気荒れてますね」 「台風きてるんですよね。今日は早くに帰ろう」 知人とはいえ保険のおばさんとの会話は核心を突いてくることがないのでたちが悪い。でも結局3杯目のカフェオレを飲む頃に、私は自分でも驚くほどあっさりと契約書にサインしていた。 のんびりコーヒーを飲んで席に戻ると仕事が貯まっていた。結局自分の首をしめた結果になる。そんなどさくさに更新した(するなって)日記を、家に帰ってから寝る前に読み直したら、書いたときの想像以上のリリカルハートアタックぶりに悶絶。 同時期にMSNMで話してた人との会話すべてが滑る。つくづく私は不器用な人間だと思う。 結局発作的に書き直してしまったのだが、エアコンを点けて頭を冷やしてから落ち着いてみたら、リリカル前面だった時のほうが面白かったと少し後悔(でも前の消しちゃった)。いっそ直すならフォークソング風にすればよかったのか。 「暮れてゆく夕日にむけて・あなたに紙ヒコーキをとばします」 「さびしくありませんか あなたは」 「もうわたしは黙って歩いているほうがいいのです」 馬鹿馬鹿しいがフォークソングは思い込みの激しい人間を語る上では欠かせない。 父はなぜ、あの歌をしつこく歌ったのだろう。愚かな子供の将来でも垣間見えたのか。 ……いや、ただの友達とのお遊びのひとつだったんだっけか(笑)。 台風が近づいて雨が降ってきた。やっと冷えてきた部屋で、私は掛け布団を抱いて寝た。 |
|
|
今年初めてエアコンを付けたまま寝たので寝心地は悪くなかったのだが、なぜか平日より早い時間に目が覚めた。 そして起きて最初に思ったのは、写真が撮りたい! という気持ちだった。 昨日学生時代の映画を観たことが、ここ数年すっかり息を潜めていた創作意欲に少し火をつけたらしい。寝ている間に10年ほど心が若返ったみたいだ。 今撮りたいのは風景ではなく人物。それも気心のしれた相手ではない人の写真が撮りたい。そういう衝動をそのまま行動に移し、目覚めると私はもこなさんに電話したのであった。 朝からアレな電話をしてしまい、さすがの先方も躊躇していたものの、半ば強引に約束をとりつけることに成功。こうなると私のほうはデートを取り付けた男の気分そのものである。与えられたのは本日夕方の1時間であった。 朝起きてまだ2時間も経っていないのにすっかりカメラ小僧になった私は、さっそく川崎ヨドバシへ向かい、28〜200mmの望遠レンズを購入していた。EOSにレンズを装備するとカメラがなんだか生き生きしてくる気がする。というより浮かれてるのは自分なのだが。 大学時代以降に撮った自分の写真を観直しながら撮影のカンを取り戻そうとする。気がつくとあっという間に夕刻になった。 先方の元々の予定が押したせいもあり、撮影をはじめたときは時刻は予定よりかなり遅く、夜の6時を過ぎていた。 計画が少しでも狂うと私はよく判断を誤る。 なぜあえて気心の通じていない人の写真を撮りたいかというと、お決まりのスナップ写真ではなく、とにかく人の感情が写っている写真をとりたかったからである。 その点、そもそも写真を撮られるのが苦手というもこなさんにあえて挑戦することは私にとってよい目標になったはずなのだが、撮影に慣れないモデルに対し思うように誘導することができない(元々これは不得意だった)まま、30分くらいで陽が暮れる。 心を開かせるばかりか逃げ帰るように去っていく彼女を見て、事を焦った自分の愚かさに気付いたときは時既に遅し。 それからしばらく家で、今日の自分の行動に対し自責の念にかられた。 このまま暫く落ち込んでいたほうが世間のためだったのかもしれないが、現像して上がってきた写真を見て少し立ち直ることができた。というのは写真の中に今朝撮りたいと思っていたものが僅かだが写っていたからなのだ。それは人の表情。そして表情のある写真である。具体的に言うとそれは「不安な顔」と「不安な風景」。 今後も含め、巻き込まれる人たちにはどこまでも迷惑な話だが、もし巻き込まれたときもご容赦願いたい。確かに今日のラブレターを走り渡すようなやり方は色んな意味でまずかったが(ええ、反省しているんです)、こと写真に関してはしばらく頑張って撮り続けようと思うのだ。 それから、書き直す前の日記を読んだ皆様、私の青さに寛容な心を(笑)。 |
|
|
朝、雨音で目を覚ましたが、二度目に起きた時は快晴だった。 「洗濯物が・あっという間に・乾くわ♪(チュッチュピカピカ)」と「なつやすみファンクラブ」2番のフレーズをハミングしながら、たまった洗濯物をベランダに干してから、隣町まで自転車を飛ばした。 今日はのんちさんとお昼御飯を一緒にする約束をしているのだ。 彼女と会うのは実に1年ぶり。駅前で待ち合わせ、少し離れたレストランまで歩くだけで夏の青空を避けて日陰を探す。 彼女と2人で食事をすることなど初めてなのだが、向こうにとっては私はweb日記でよく知ってるらしい。なんだか自分が「サトラレ」になった気がする。 デザートをつつく頃になり、窓際のお客が外の異常に気付いた。「雨が降ってきた!」……えええっ!? 空はいつの間にかどんよりと曇っている。干してきた洗濯物のことが気がかりだがどうしようもなかった。 店を出たときも雨はまだ少し降っていたが、彼女を家に誘ってみた。小雨の降り続く中、我が家まで15分ほど散歩。途中、雨はかなり本格的に降ってきた。 重い気持ちで家へ戻りベランダを見上げると、なぜか洗濯物はすべて消えていた。なんと階下に住む大家さんがうちの洗濯物を取り込んでくれたのだった。 大家がスペアキーで部屋に入るって完全に越権行為、っていうか家宅侵入罪じゃん……っていうのはこの際置いといて、ケンやチャコとともに絶滅したはずの昭和下町気質を今回は素直に感謝することにする。……部屋片付けてあって良かった……。 家では、飾ってあった写真がきっかけで、のんちさんに私が大学時代に撮った映画を見せることになった。 プロジェクターでの鑑賞を購入の理由にしながら、一度も実行に移していなかった私としても、久しぶりに自分の映画に面と向かって観る機会。 3分〜10分程度で終わるものばかりの私の映画・4本を連続して上映。悪くない感触にほっと胸を撫で下ろす。 中でも彼女は「えび天」で銀監督を受賞したときの作品をもっとも気に入ってくれたが、それを撮ったのは実に11年前という事実に少しぞっとする。 のんちさんが帰ってから、映画制作のパートナーでもあった8spotsと自分の映画のことについて久しぶりに話をした。 当時はベストを尽くした映画も、今ではつたない撮影技術や編集技術はさすがに苦笑いするところも多い。これは10年間に客観的な視点と批評眼が養われた結果でもあるが、それでも確かに当時、観客の感触はよかった。それは撮影技術や編集技術ではない部分で評価されていたからなのだろう。 今観るととことん青臭い、当時の感情をそのままフィルムに焼き付けてしまった自分の恐るべき潔さと純粋さは、自分の創作の原点として10年近く経った今でも振り返っておくべきだと思うのだった。 |
|
|
ヒロターズが「忠勇」に行きたい気分だというので付き合うことにする。 彼女が先月末に開設したGSサイトが僅か半月で3000ヒット達成。祝杯として生グレープフルーツサワー(450円)で乾杯する。 確かにこのサワーは美味いし、つまみ類もなかなかいける。ただ今日の私は酒の回りが早かった。私がペースを落とす一方で、隣りでヒロターズは元気そうにぐいぐい行っているのが漢らしくて頼もしい。 さて、閉店時刻になったがヒロターズは食事がしたいと言う。私もコーヒーを飲みたかったので、彼女の家の近くにあるジョナサンへ向かうことにした。 ジョナサンに無事到着して着席し、嬉しそうにメニューを眺めていたそのときであった。 ヒロターズが突然「あっ、目が回ってきました!」と言ってテーブルに突っ伏し、そのまま動かなくなった。 どうやら移動に使った電車の揺れが彼女の体内に残っていたアルコールをシェイクしたようだ。 「目が回って動けませんん」「すみま…せん…」 混乱しつつも必死に陳謝の言葉を呟くヒロターズはテーブルと親密な状態を続けた。 まるで授業中に居眠りをしているようなポーズは少し苦しそうにも見えるが、この体勢が一番落ち着くという。……そうか、これは「徹夜仕事で果てた」時の姿じゃないか。やはり彼女もうちの出身だと思う。 そして驚くべきことに、こんな事態になっても彼女の創作意欲の火は決して消えることはないのであった。たまに私が話し掛けていると「あ、その言葉、今書いているSSで○○に喋らせたい。メモは……」と言うヒロターズ。その様はまるで倒れながらもボールに飛びつこうとするオリバー・カーンのようだ。 結局私はドリンクバーの各種コーヒーをおかわりしながら彼女のつむじを1時間半ほど眺めることとなった。 なんとか閉店前に無事体調を取り戻した彼女は、足どりもしっかりしたものであった。 家の前で別れた私は、歩きながら、きっと彼女は二日酔いの頭で明日もまた新たなSS執筆に命をかけるのだろうと思った。 |
|
|
仕事を終えてからゆっきさんと飲む。これを第1回・沖縄会議(違)と名付ける。 私にとっては、実現すればこれまでにない大きなイベント。でもこの平凡な(?)毎日を送る中で、これまでにない大きな快楽を手に入れる良いチャンスではないか。しかも幹事は沖縄名人であるゆっきさんが買って出てくれた。となれば断る理由がどこにあろう? 免許を持っていない私は沖縄へ行っても覚えることがいっぱいみたいだが、こういうことができるのは今のうちだけだし、スクールに通って地道に勉強するよりずっと楽しめそうだ。行けばまぁ何とかなるでしょ。というわけで謹んでではありますが「犀は投げられた」。今後の展開が楽しみですねー。 (しかし、この日記、沖縄行かなかったら半年後に読んで悲しくなるかも・苦笑) ともかく先日のオフ会をきっかけで、こうして新たなイベントへと繋がっていくのはとても嬉しいことである(ヒロターズもデート頑張れ)。 ゆっきさんと駅で別れ、家に戻るともう0時近くであったが、そのまま今度は氷雨君に会った(あっ、書いちゃった! ごめん)。 私よりも9歳歳下の男の子の悩み事相談教室を深夜のジョナサンで開催。でも話を聞いて5分で解決。 「こんな下らないことで俺を呼び出したのかー」と叫んで、向かいに座る彼の慌てぶりを楽しむ。 ここ3週間ほど毎週会ってきた彼も、いよいよ北海道へ戻る準備に入るそうだ。そりゃ愛する人を泣かせちゃいけないよねー。 今度こっちに来るときは温泉か富士急ハイランド(ガンダムライド)に連れて行くよう言っておく。 さて、今日もあちこちに遊びの種を巻いておいたぞ。ちゃんと芽を出すといいなぁ。 |
|