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「弾丸が底をついているんだよ」 地球の裏側が無法地帯になっている時、そんなぶっそうな言葉を聞いたのはまだ昼休み前の就業時間だった。「むげんでも売り切れなんだ」と続き、そういえばルリヲ君が今週末はサバゲーをやるんだと言ってたことを思い出した。私の席の近くで集まっていた3人もその参加者らしい。 彼らに近所の店の心当たりを教えてあげたついでに「今日は一体何人くらい集まるの?」と聞いてみたところ、「うーん、30人くらいかなあ」という返事が返ってきた。もはや分隊どころか小隊レベルの人数じゃないか(実際は半分に分かれて戦うんだろうけど)。聞けば女性参加者もいるという。では「そのうち自分の銃を持っているのは何人いるの?」と聞くと「5人くらいかな。持ってないのは。」「ってことは25人は自分の銃を持っていると?」「そうだよ?」……いつの間にそんなに社内にファンが成長していたのだろう。 日が暮れてから社内を歩くと、一体どこから出てきたのやら(多分机の下)、組み立て中のライフルがあちこちの机に無造作に置かれていた。これだけの装備があればいつ親会社が倒産してこのビルが無法地帯になっても、略奪者から自衛できるに違いない。 見回りの最後にルリヲ君のところへ顔を出すと、彼の座席の横には昨日までは無かった専用のラックにアサルトライフル5丁が、全く隠す様子も無く立て掛けられていた。 「このラックはルリりんの?」と思わずわかりきったことを尋ねてしまったが「そうなんだけど見込みが甘かったよ。もっとでかい奴を買えばよかった。銃が置ききれない」と質問以上の回答が返ってきた。どうやら目の前の5丁以上の銃がまだここには隠されているらしい。彼がいればいつトレマーズが襲ってきても大丈夫のような気がする。 「でも今晩は雨らしいよね」「そうなんだ。最大の敵は天候だよ」 毎晩雪山で戦っている自分としてもその言葉はよくわかる。 で私はせっかく誘われたもののサバゲーには行かず、かといって『マズル』もやらず、もこなさんと飯食べてましたとさ。 |
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「早速ですがうにとイクラで腹裂けそうです。」 外では雨が降りしきる中、こんなメールが送られてくるのであった。送り主のヒロターズは朝から函館に出かけ、お天気スタンドで雨雲を蹴散らして観光驀進中。んでKENはなんか仕事とか言ってたし、8spotsは原稿の締め切り地獄まっさいチュウだし、今日は誰も遊んでくれないのでDVD観て過ごすことに。 1本目は是枝監督の『ワンダフルライフ』。 これを初めて映画館で観てから4年。その間さらにいろいろな人生経験を経てしまった私は、さらに心に刺さる映画になっていた。これはきっとじいさんになってから観るとこれがまたさらに刺さるだろう。数年に一度観直しておきたい名画だと思った。 なお、未公開シーンを再編集して1本にまとめてしまったという恐るべき特典映像の短編「おもいでのたからもの」(主演:由利徹)も好編。LD持ってるから悩んでたけど『幻の光』のDVDも買おうかなあ。 この感動の余韻を味わいながら続いてなぜか「決して一人では見ないで下さい」なダリオ・アルジェントの『サスペリア』を一人で(当たり前か)鑑賞。 中学生の時にサントラLPを死ぬほど聴いたこととか、『TRICK』のテーマってちょっと似てるよなとか思い出しながら、実はちゃんと本編観るのは初めてらしく全然内容を覚えてなくて新鮮。 ちょっとウィノナ・ライダーにも似てるジェシカ・ハーパーがかわいい。水着シーンえっちい。後で最近は何に出てるのか調べてみたら『マイノリティリポート』の溺死被害者役だった。 そして陽も暮れ、狩リノ時間ダ。『マズルフラッシュ』はぶちょー、おげしょが参加し、ついに高校同窓メンバーによるチームがついに結成! 弱いけど。 |
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「パトラッシュ、ぼくもう疲れたんだ……」 「みかん晴れ」の最後の1つ、パトラッシュだけが一向に出ません。どんどんダブってサッポロビールの思う壺。そして冷蔵庫はオレンジ色。 投票帰りに地元商店街にて大量のオレンジドリンクと、(昨日から海鮮関係の美味しい食べ物情報が流れ込んでくる影響で)ねぎとろと、書き下ろし8ページのために「『ぼのぼの』シマリス編」買ってから、家に篭って今日もDVD鑑賞に費やす。 まず最初に観たのはルイ・マルの『ダメージ』。ジェレミー・アイアンズが本当に良い。男も惚れるダメっぷり全開。ストーリーは大した内容は無いのに、見ていて飽きずに本当にダメージ受けるほど妙な感情移入があるところがまたよい。 映像的な美しさもこの映画のポイントのひとつだが、撮影のピーター・ビジウって一連のアラン・パーカー作品や、『バンデットQ』に『ナインハーフ』までやってる人だったとは。そりゃ上手くて当然。なんてことがメニュー見るだけでわかるDVDは本当に素敵。 また、DVDの映像特典に入っていたルイ・マル監督のインタビューで、監督が主演のジェレミー・アイアンズを指して言った一節が最高。「今回の役はまさに彼そのものなんだ」だって。普通の映画ならともかくこの映画でこの言葉。そこまで言われるジェレミー・アイアンズって一体。 でも確かにこの後『魅せられて』とか『ロリータ』とか、親子ほど歳の離れた娘に翻弄されるダメ男役が次々と舞い込んでいて、それがまた最高なので、今思えばルイ・マルが「生のジェレミー」を開眼させたというべきか。 とにかくやはり『ダメージ』は名作であるのでした。 やっぱり鮮魚料理は加工品買ってきても味がイマイチなんだよな、とか思いながらねぎとろ丼を食べ終えてから、続けて名作SFアクション映画『ブルーサンダー』を鑑賞。 私が最初に観たのは三軒茶屋の名画座だった。『未知との遭遇・特別編』と同時上映だったはず。その後何年かしてレンタルビデオ屋で借りたテープは、まだドルビー対応する前の発売だったためモノラル再生しかできない苦い思い出が。だからDVDの音がくぐもっていたりしても、サラウンドになっているだけで感慨深い思い出の映画なのだ。 忘れっぽい私にしては珍しくストーリーを細部まで覚えていたが、見直してみてわかったのは本当に最低限のストーリーだけで、すこぶるテンポ良くまとまっていたということ。無駄なシーン無し。最低限の伏線で効果的な展開。まさに全盛期のジョン・バダム&ダン・オバノン。出演もロイ・シャイダーはかっこいいし、マルコム・マクダウェルは徹頭徹尾の悪人だし、20年後の今見ても楽しめる娯楽作品。 あ、ただ、ひとつこの映画見直して思い出したことが。以下ネタバレですが古い映画なのでこのまま書きます。ブルーサンダー撃墜のために発進したF-16の熱反応ミサイルを、ビルのガラスに反射した太陽光に逸らせてかわすという、実にはた迷惑なシーン。ビルに爆発するミサイルと、それを見て悲鳴をあげる通行人たち、そして瓦礫。これがかなりツインタワー思い出すんですわ。逆に言うとあの事故観た時に「映画みたい」ってデジャブ感じたのはこの映画だったのかも。 アメリカで発禁映画になってなきゃいいけど。 |
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「敵を発見! こっちに近付いてくる! うわあああっ!」 ……そして沈黙。 ロイホでヒロターズから函館のみやげ話をたっぷりと聞き、本屋で『阿佐ヶ谷腐れ酢学園』(SABE)を買って帰宅してから、今日もKENと一緒に『マズルフラッシュ』をはじめた。 いつものように見知った人・知らない人取り混ぜた4対4のチーム戦闘を重ねていたのだが、中でも明らかに他の人よりも腕の立つ人がいた。NさんとBさんである。 Nさんはこれまでも何度かお手合わせしたことがあったが、ここ最近の鬼神のような戦闘は圧倒的と言っていい。今日もアサルトライフル2人、スナイパーライフル1人(ちなみに私)の集団の中に突如現れた敵軍のNさんは、ロングレンジ専用であるスナイパーライフルでの不利な接近戦、しかも3人を相手にしているにもかかわらず全滅させられてしまった。『HALO』ならまだしもこのゲームでそんな芸当をすることが如何に大変かはプレイした者ならわかる、まさに神業である。 一方のBさんは今日が初めてのお手合わせであったがNさんとは以前からの戦友らしい。後で仲間として戦って驚いたのは、2人は決して言葉数は多くないのにその連携には決して無駄が無いことだ。1人が敵を追い込んで、もう1人が敵の前から蜂の巣にするという、KENと私がやりたくてもできない、実に確実な戦術を易々とこなす。 敵としても味方としても、この2人のあまりの強さを見せ付けられた私は、ロビーでとある提案をしてみた。 「お2人と残り全員で戦うというのはどうでしょう?」 一瞬ざわついたが、NさんとBさんが笑いながらも「いいですよ」と承諾すると、皆そのまま従った。そして、ついに6対2という『マズル』始まって以来の変則マッチが始まったのだった。 ゲーム開始と同時に雪山を駆け下りていくたくさんの仲間の姿が見える。『HALO』も含めて6人チームなんて初めてのことだ。目の前の仲間を見て血が踊る。 「これで負けたら大恥ですよ」 誰かが声をかけた。笑い声が聞こえる。そんな和気あいあいとしたムードはすぐに消えた。突出しすぎた仲間2人が早速、冒頭の悲鳴をあげて敵の手にかかったのだ。 「彼らが上手いのはわかっているのにそんなに前に出るから! うかつだ」 声には出せない言葉が浮かび、舌打ちする。仲間がやられたと思われる目の前の森を、崖の上から残り4人で眺める。吹雪が吹いているものの、森はしんと静まり返っていた。 さっきまでの高潮した気分は一瞬にして冷め、戦慄が走る。狩りを楽しむはずのハンターたちは、プレデターに追われるカール・ウェザース、エイリアンを恐れるノストロモ・クルー、ジェイソンにおびえる若者たちへと変化していた。我々は狩られる側なのか? 「これでさらに突っ込んでいったら相手の思う壺だ。仲間2人が復活するのを待って6人で攻めよう」 直前に参加したばかりでNさんやBさんの腕を知らないTさんですら今の状況をはっきりと理解していた。 「基地の周りの木々に設置爆弾が仕掛けられている可能性がある。気をつけろ」 敵が篭城していると思われる敵基地へと慎重に6人で足を進める。 「門の前に敵を発見! 2人ともそこにいる!」 一番前にいた仲間が叫んだと同時に、真っ赤な服を着たBさんがアサルトを撃ちながら飛び出してきた。最後尾でライフルを構えていた私が狙いをつける間もなく、手前の丘の向こうに消えていく。陰になってここからじゃ撃てない! そしてたくさんの銃声。そして……敵チームの得点がまた増えた。 「敵の基地に突入しろっ! 一度倒して、復活したところを連続して蜂の巣にするんだ!」 しかし敵の動きはすこぶる速く、1度でも倒すのが難しい。しかも敵基地が主戦場なので、相手はすぐに復活してくるのに対し、こちらの仲間が復活後に到達するのに1分半かかる。 「バカな!」 恐れていたことは現実となり、気が付くと大差をつけられ我々は敗れたのであった。悪夢は現実となった。 自分の腕のふがいなさを思いながらも、とはいえ新しい対戦形式に心躍る試合であった。こんな酔狂な試合に参加してくれたメンバー、特にNさんとBさんには何度もお礼を言って今日の戦闘を終了した。 寝る前に8spotsと会話。あれから1年、お互いをねぎらう。 |
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本当はクローネンバーグの『スパイダー』観に行くつもりだったのだが今週からレイトショー上映が終わってて見損なってしまった。おかげで日記に書くネタが特になし。 |
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「狙撃手は一発必中なんだ。必ず一発で仕留めろ!」 というトムの言葉に「いや、RG-02では4発当てないと死なないんですよ」と心の中で呟く私。 昨日の反省を生かし、今日はルリヲ君から借りた『山猫は眠らない』(1992)を観る。日本版のタイトルが渋すぎてどんな映画か判りづらいが原題は単純明快『SNIPER』。トム・ベレンジャー扮する米軍の名スナイパーがパナマのジャングルを舞台に麻薬組織をスナイプするという映画。昔から観たかったんだが劇場公開もあっという間に終わっちゃったんだっけ。 『タイタニック』のダメ御曹司やってたビリー・ゼインが相棒でとても心配だったが、案の定自慢しいだわ、途中でキレちゃうわで大変。こんな奴連れてくるなよ(こっちの映画のほうが古いから逆なのか)。 とことん地味な映画であるものの、スナイパー見習の私としてはいろんなところ……たとえば敵の進む方向を先回りしろとか、ポイントでいつまでも待ち続けろとか、共感できたり勉強になったり、まさに「今見るべき」映画だった。 案の定映画は精神鍛錬にもなったらしく、直後の本番=『マズル』では高得点をあげることができてご満悦。 |
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「あんな金持ちに貴方を幸せになんかできない!」 スクウェアとエニックスが合併しても、アトラスがタカラに買われてもピンとこない私だったが、今回のナムコとセガの場合は話がとても興味深い。既に婚約者がいる相手に求婚するナムコ熱いじゃん! 「君の家ははっきりいって借金まみれだ。私のところへ来なさい。悪いようにはしない。」 サミーの役どころは実業家というところだろうか。 あらすじ 〜 彼女の人生は波乱に富んでいた。かつて将来を期待された父は飛ぶ鳥を落とす勢いで彼女も幸せな生活を送っていた。しかし、資産家の祖父が見つけてきた相手との彼女の結婚が、式の直前に家族の反対を理由に破談になってから父の事業はおかしくなった。 結局父が調子を取り戻すことは無く、彼女は祖父に頼って生きていくはめになった。しかしその祖父も2年前に他界。残された遺産でなんとか生き延びてきたものの、家財道具も売り払い、がらんどうになった部屋で彼女は暮らしていた。そんな折、あの祖父の親しい友人であるという青年実業家から出た結婚の申し出は、彼女が生きていく上で願っても無いものだった。 実業家の名は昔から聞いたことがあり、父との付き合いもあったが、彼は今では世界中で顔の利くところまで成長し、巨大な資産家にまでなっていた。今彼と結ばれれば家を残すことができる。祖父とのことを考えると信用もおけるだろう。まったく不安が無いと言ったら嘘になるが、そんなものはどんなときでもあることではないか。 周りに言われるまま婚約を決め、いよいよ結婚式を半年後に控えたある日、事件は起きた。以前から親しかった友人の”彼”が告白したのだ。「あの人ではなく、僕と結婚して欲しい」と。 彼とは昔からよきライバルであり仲間だった。最近も池袋やお台場で一緒に楽しんだり、彼の家でゲームを楽しんだりしたこともあるが、結婚まで考えたことは彼女には無かった。確かに婚約者とは違い、彼とは同郷だし趣味も合う。でもこれは結婚なのである。彼は婿入りしていいとも言ってくれたが、彼の家は決して裕福とはいえなかった。自立できない2人で暮らすことは共依存になりかねず不健全に見える。でも「ふたりで力を合わせればまた楽しい世界が開けるんだよ」という彼の言葉は信じたいとも思った。 果たして彼女の揺れ動く乙女心を最後に掴むのは、婚約者なのか、それとも親しかった友なのか。式までの時間は決して長くない……。 はあはあ……妄想終わり。 今日はのなーんさんの復帰歓迎会。飲み放題だったので随分飲んで、気がつくと家のベッドで寝ていた。 |
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(ヤマノアナタノソラトオク 「サイワイ」スムトヒトノイフ アア、ワレヒトトトメユキテ ナミダサシグミ、カエリキヌ) 短くも長く感じるロード時間が終わったことに気がつくと、体の奥が、鈍く揺らいだ。おれは、何を云っていただろう? そこへ突然、頭上に パリィン。 と、ガラスの割れる音が響き、パン、パンと激しい射撃音がし、おれは大いに慌てた。ここは『マズルフラッシュ』の雪山発電所。通称、赤基地。 振り向けばチームの1人が仲間の弾薬補給を待つ間に暇つぶしに自陣のガラス窓を割って楽しんでいたのだ。 「コウナイボウリョク」 おれは、そう呼んでいた。 仲間に説明した。弾薬補給の後は基地の門を右に出て、北上してまっすぐ青基地を攻めること。中間地点の崖の前で戦争は始まるだろうこと。敵の数が少ないなら強行突破して立ち止まらないこと。 おれはRG-02を持つスナイパーだ。装弾数10発。内4発を撃ち込めば敵を仕留められる。 しかしだからといってそのおれを、AG(アサルトライフル)4人で撃つやつがあるか。それでも必死に逃げ回りながら15秒くらいは生き延びたから、おれもまずまずの強運だ。 「どうする? 作戦ルート替えてヘリ確保する?」 と、私に話し掛けるKENはすでに死んでスタート地点で復活していた。 まずKENは移動中に木にひっかかり無駄なダメージを受けたらしく、敵と交戦したときにすでに体力が減っていたらしい。仲間のひとりは突出したところを敵の手榴弾に、もうひとりは山の坂を登りきったところで白兵戦やって死亡。 赤軍は山を登り、青軍は山を下る。頭上を押さえられる赤のほうが不利なのである。でもだからこそ赤で攻める。それが私とKENのやり方なのだ。 「ああ! もちろんだ! そうだとも! 制限時間が残っているあいだは、回線が繋がっている限りは、意志の強い人間が絶望に負けてしまうことはゆるされんのだ」 おれは、何か早くも敗北のようなものが心に囁いて、思わずうめいた。 「ジュール・ヴェルヌの、地底旅行だよ。…知ってる人は、いないんだろうね」 おれはまた黙って、さっきの侵攻ルートとは反対の、墜落したヘリのある前線のポイントから青基地へと展開する仲間の後ろについた。 林の中にある1本の木の幹から顔を覗かせ、敵のいないことを確認してから射撃を確実にするため、ほふく状態になる。おれが地に張り付いている間、射撃のぶれは少なくなる。しかし痛烈な射撃音が鳴りおれは絶叫した。 「ぅ、わ…。うわぁぁぁぁぁぁ」 体力が減っていた。 「どうした」 少し離れたところで展開しているKENの不安をかき立てたようだ。 「いる」 「どこに」 「ぅわああああああ」 わからない。しかし、敵が目の前にいる。 「どうした、落ち着け、やだよ、何時の方角だ」 おれは、そのときには体力を完全に失っていた。 (続きません。元ネタのわからない多数の方々、訳わかんなくてごめんなさい) |
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「ヨーソロー ヨーソロー ヨーソローヨーソロー……」 昨日は3時までマズってからシャワー浴びたので寝たのは4時だったのだが、なぜか9時に目が覚めた。洗濯を2ターンほど回しながら日記を書く。元ネタは8spotsが父の同人誌に掲載した小説で、それのパスティーシュ……というよりただのパロディを、現在最終回執筆地獄になっている彼女へのエールのつもりで書いてみた。 以前父猫さんの日記をパスティーシュして以来、ヒロターズのSSとか青木雨彦とかたまにこういうパスティーシュやパロディを書いてみたくなる。 こういうの書くのは久しぶりだったので気分が乗っていたのがわかる。そこでその勢いのまま、以前ヒロターズが「私の心を代弁している」といっていた長渕剛の「Captain of the Ship」をネタに、より彼女に見立てた替え歌を作ることにした。 昼過ぎに書き始めた替え歌はすぐに完成した。「Captain of the dish」と名付けた。 ぐつぐつと白く煮立った豪勢な鍋を俺は睨んでばかりいた 肩を叩かれても突っ伏したまんまただ頬を緩ませて生きてきた えげつない上蓋をひっつかまえ横なぐりの湯気が頬を突き刺したとき 涎たらしたたったひとつの俺の食欲が激烈な情熱に変わる こんなの。本人に見せたらとても怒るような気がしてきた。 続けて書いて満足してその後暫く今週録画していたテレビ、『IWGP』やら『スピンシティ』やら『趣味悠々・海中散歩を楽しむ』やら『最終兵器彼女』やらを観倒すことにした。 すると途中でまたピンときたのだ。さっき書いた替え歌よりもより面白いネタを思いついてしまった。そこで再び書いてみることにした。 2作目を書き始めると丁度ヒロターズがサインインしてきたので、まるで応援されてる気分になり「書き終わったら見せます」と伝えると、元々頼んでもいない本人は「は、はい」と気のない返事をした。で、暫くしてできたのは じめじめと暗く腐った憂鬱な人生をわしは進んでばねにした 抱きつかれても突っ伏したまんまただ頭をひしゃげて生きてきた えげつない商法と陰口叩かれたあのゲームが心を突き刺したとき 我慢ならないたったひとつのわしの純情が激烈な情熱に変わる さっきより失礼な内容になった気もするが書けてしまったものは仕方ない。そのまま本人に送る事にした。 |
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「まるでレンブラントの絵のようだ」……レンブラントってどんな絵描いてたかすぐに思い出せますか? 夕方に買った通算何本目だかの「みかん晴れ」でついにパトラッシュが出た。彼(彼女?)の見つめている一枚の絵が興味をひく。 キャンバスに描かれたこの絵はなんだろう。ルーベンスには見えないけど。と思ってたらたまたま夜のテレビで『フランダースの犬』の最終回をやっていて、おかげで何の絵かわかった。ネロが描いた「ルーベンスの後継」と言われる絵。なるほどねー。ともかくこうして無事に「みかん晴れ」地獄は終わりを告げ、今日から「黒潮コメッコ」責めが始まるのであった……。 さて、そんな買い物に出かけた以外は今日も雨につきDVD消化に費やす。まずは先日ヨドバシのワゴンにて2000円で買った『ゴスフォードパーク』を観た。 ロバート・アルトマン監督の「アガサ・クリスティ風殺人事件もの」とうたっているらしい映画なのだが、正直なところ犯人探しはそんなに重要ではない。普通に観ていればバレバレの伏線はすぐに犯人へ結びつく。それでもこの映画が面白いのは殺人事件が映画の中心ではないところだ。貴族が多数登場するところはアガサっぽいかもしれないが、舞台の主役はむしろ彼らに仕える執事や給仕など召使いだ。これがまず面白い。 そして群像劇の面白さ。前述のレンブラントの絵だと言うのは特典映像でのロバート・アルトマンの映画を評する言葉で、主役ひとりにスポットを当てるのではなく画面内すべての役者、物語内すべての登場人物に脚光を当てているこの映画の素晴らしさを例えているのだ。 しかしこの例えはなかなか面白いね。別の機会でも使えそうだから覚えておこう。 夕食を挟んで続いて観たのは『デリカテッセン』。 『アメリ』のジュネと『ヴィドック』のキャロの共同監督であり多分デビュー作である本作は、実は公開当時に一度観ている。ただ当時は『未来世紀ブラジル』との比較が宣伝も含めて強く、私自身も「アレに比べるとこじんまりしてるな」とか思っていたのだが、今回観直して考えを改めた。『アメリ』後だと、この映画の良さを素直に楽しめるのだ。使い古された言い方をすれば「大人のメルヘン」とも言うべき、シニカルで残酷な部分をも持つ「かわいらしい」演出てんこ盛りで、まさに『アメリ』の原石。キャロらしさの強い『ロスト・チルドレン』よりもかなり楽しい。ああ、また『アメリ』が観たくなったー!! でも『アメリ』は観ずに『マズルフラッシュ』。 |