突如解説付きで10日間やってみた2003年5月中旬の日記。

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5/11・雨ニモ地震ニモマケズ
 季節の変わり目だから、風邪引いてるから、毎日遊び呆けているから
 ……理由はともかくとにかく事実だけを言えば、体がだるくて何もやる気がしないということだ。
 私に呼応してかKENやヒロターズも2人して「息をするのもめんどくせえ」(※注1)とか言ってくる。でもまあこれはいつものことかもしれない。
 目覚まし代わりに朝風呂に入った後、こまんだーさんと暫くチャットして、バウルー食べて、HP更新して、実家から持ってきた「モジャ公」(※注2)読んで、ヒロターズから借りた東海林さだおを読んでたりしていたら陽が暮れてきた。
 陽が落ちてから言うのも何だがひきこもっているのもどうかと思われ、『マイガーデン』(※注3)数周目突入中のヒロターズに声をかけてお茶に誘う。ドトールで彼女が昨日観てきたという假屋崎省吾展の話を聞かせてもらった。
 生け花には興味無かった私だが、彼女が買ってきた写真集や絵ハガキを見せてもらうとこれがなかなか面白い。歳をとると何にでも興味が持てるようになってくるからか。ハガキを1枚分けてもらったので部屋に飾っておく。
 夕飯は東海林さだおを呼んだ影響でカレーライス。それを食べながら日曜洋画劇場の『X-MEN』観る。今回何が嬉しいってパトリック・スチュワートの声を麦人がやっていることだ(※注4)
 夜はKEN、KEY、ぶちょーらと『マズルフラッシュ』。プレイしていていつもと違うSEがするので何かと思ったら、外で雨が降っている音だと気付いた。それも激しく強く。急いで外へ飛び出して自転車にカバーをかけたいところだが、ネットゲームなのでここで持ち場を離れたらまずいのだ。はやる気持ちを抑え、とりあえず「雨だ雨だ」と騒いでいたが、他の人にとっては常に雪の降ってるマップで雨もくそもあるもんか。白けた声で「へえ」とか言われる。
 しかも、さらにプレイしていたら座っていた椅子がグラグラと揺れ出した。体感ゲームにした覚えはない。今度は地震らしいと玄関に組み上げた食玩が落ちる音でわかった。「うわー地震だー」と、ぼのぼののようなすっとんきょうな声で叫ぶが、「そうですか、こっちは大阪なんで揺れてませんね」と仲間はいつも冷静だ。「すっすみません! 現実世界の話題持ち込んで」と平身低頭であった。
 ゲーム終了後、確認するとさきほどの地震の震度は3〜4だったそうだ。今回はこのくらいで済んだから良かったが、もしもっと大きな地震が起きたとしても、ブレーカーが落ちたりしない限り、きっと私はXBOXの側から離れないに違いない。
 キグチコヘイ ハ シンデモ テ カラ パツド ヲ ハナシマセンデシタ。


※注1「息をするのもめんどくせえ」:この台詞の元となっているのは『北斗の拳』天帝編序盤に登場した郡都のボスの一人・ゲイラの台詞。正確に記すなら「はああ〜息をするのも面倒でいやだ」「いやだいやだぁ」「あ・あ・あ・面倒くせえ〜」。よりマニアを自称したい場合はこちらをフルで覚えよう。なお、さらに補足するとゲイラは『スター・ウォーズ』のジャバ・ザ・ハットがモチーフになったキャラクター。

※注2『モジャ公』:藤子・F・不二雄のSFギャグ漫画シリーズ。『21エモン』がもっとシュール(ブラック)になった感じ。描かれたのは1970年前後で最も油の乗っていた時期でかなりの傑作。私は小学生の時にサンコミックス版で読んだ(全2巻)のだが、今回持ってきたのは、90年頃のアニメ化(原作からかなりかけ離れていた残念な作品)に伴って発売した中央公論の愛蔵版。当時仕事の関係で偶然譲り受けた本で、私はすでに単行本を持っていたためそのときはもらったものの一度も読まず本棚の肥やしになっていた。今回改めてチェックしてみたらサンコミックス版には入っていない話が1話(「不死身のダンボコ)収録されており大いに驚いた。私にとっては実に最初に20年以上ぶりの"新作"だったわけだ(詳しくはこちら)。なおこの本では最終話のオチが前向きな内容のものに書き足されているが私は昔の方が好き。前書きを読むと作者がこの作品にかなり愛情を持っていた様子がわかる。

※注3『マイガーデン』:『サンダーフォース』で一世を風靡したテクノソフト最後のタイトル(詳しくはこちら)。内容は昔を知る人には驚きだが、ガーデニングのシミュレーションゲームだ。プレイスタイルはビクターの『牧場物語』に近いものの、主人公の少女とともに暮らすのがおばあちゃんであり、おばあちゃんとのコミュニケーションがゲームプレイの基本である点で、全国のおばあちゃんマニア必見の作品。なおその他のおばあちゃんLOVEゲームは『プリンセスクラウン』(システム画面)、『ゼルダの伝説・風のタクト』、『じゃりン子チエ』(コナミ)、『豪血寺一族』など、かな?

※注4「麦人がやっている」:なぜ嬉しいかというとパトリック・スチュワートといえば「新スタートレック」のピカード艦長役で、その声をあてているのが麦人氏だからである。ちなみにピカード艦長の声は最初からではなく、最初の2シーズンは吉永慶だった。彼が家の事情で声優を引退、麦人にバトンタッチしたといういきさつがある。最初から観ていた当時の私にとっての最初の印象は決して良いものではなく「声が優しいおじいちゃんすぎてピカード艦長の威厳がない」とか思ったもんだが現金なものだ。なおスチュワート氏の元の声は吉永慶のほうが似てると思う。

5/12・あの山をいつか越えて
 8spotsが愛猫の看病のために実家に帰るという。遠いので大変だが他ならぬ猫のためだ。頑張って欲しい。
 彼女の実家は山口県(※注1)だ。彼女の住む町はエヴァの庵野監督の住んでいた町に近いところにあることもあって、彼の作品中に彼女の地元がよく登場する。先日も今度DVDで発売する『式日』は、山口ロケの実写映画なので「風景を見るだけで欲しい」と言っていた。
 そういえばヒロターズも同様の理由でライフカードの広末CM(※注2)に関心を寄せていた。
 私は実家まで電車で1時間強で帰れてしまうので郷愁を味わうことはあまりない。そのかわり、大学時代に私が映画を撮ったのはほとんど実家から歩いて10分以内のところばかりだった。
 親しい人からは手抜き呼ばわりされていたが、自分でそういう郷愁を味わいたかったのかもしれないと10年経った今は思う。
 幸い私が撮影した地元の風景はまだ今でもほとんど同じ姿をしているが、それ以外の場所では宅地造成とマンションの林立によりどんどんと姿を変えている。同潤会アパートのようになるのは時間の問題だろう。で、そのときこそ自分で撮った映画で郷愁を味わうことができるのだ。自慰的だけど。

 夜はNHKの『麻婆豆腐の女房』を見る。四川料理を日本に初めて持ち込んだ陳建民と妻の物語を元にしたフィクションドラマで、このところ麻婆豆腐を毎週食べている身としては必見のドラマである。
 ところがいざ始まって注目したのは別の箇所だった。陳建民にあたる役を演じる武田鉄也のうさんくさい中国訛り日本語が『HR』で生瀬勝久(※注3)が演じていた「ホイさん」そっくりなのだ。
 思い込みが激しく、下手に出ているようで高圧的にも見え、根は優しいが怒りっぽい。自信に溢れているがプライドを傷つけられるとしょげるというこのキャラクターも喋り方もホイさんにしか見えない。
 もうそんなしょうもない理由だけでKENと大いに楽しむ。ホイさんファンは是非来週チェックしてみてください。


※注1「山口県」:『新世紀エヴァンゲリオン』では宇部市が水没していた。エヴァでは他にも山口県民には有名らしいシモラク牛乳が登場したりして8spotsがいちいち反応していた。なお『トップをねらえ!』でぶらさがっていたクレクレタコラ 「宇部興産」の手ぬぐいはうちにたくさんあるよ。

※注2「広末CM」:広末涼子が高知空港で地元の友達に迎えられ、彼女たちと公園や海岸で戯れる様子を連続で描く。珍しく広末のいい顔が見られて結構私も好きなCMです。監督は『JAM FILMS』でも広末主演で1本撮っていた岩井俊二。見たことない人はこちら

※注3「生瀬勝久」:『TRICK』の矢部刑事役でKENが愛することになった俳優。元々舞台の座長だが、最近テレビドラマに出まくっている。少し前の西村雅彦のポジションに近い。関係ないが奥さんがめっちゃ美人。私は『TRICK』の直前にやっていたダメなドラマ『QUIZ』の(シリアスドラマなのに矢部そっくりの)刑事役で注目したのが最初かも。で本題だが、意外と知られていないが『餓狼伝説2』(&餓狼SP&KOF94)のジョー東の声は生瀬勝久が演じていた。「タイヤキーっ!」「うっしゃーっ!」は矢部がやってたのだ。これはつまり、恐るべきことに、『餓狼伝説SPECIAL』のギース様も矢部ってことだ。「レイズィングスツォームっっっ!」と叫ぶ矢部。ちなみにビリーとローレンス・ブラッドも矢部。これ書いていてうちに声優ナレーション付きのサイトロンの攻略ビデオがあるのを思い出したので今度見直してみよう。

5/13
 MSNメッセンジャーに登録している知り合い (※注1)の仲間たちが今日に限って皆いろいろなところへ旅立つ話をしている。
 まず8spotsが帰省し、そしてLAへと旅立った人が2人もいる。『リベリオン』のDVDを買って『マトリックス:リローデッド』をチャイニーズシアターで見るんだと言っていたゆっきさんは仕事で行くとはいえちょっとうらやましい。
 そういえば、海外を夢見て数年前に取得した私のパスポートは、未だ判が押されることが無い。これまでで使用したのは銀行での身分証明としてだけだ(私は自動車免許を持ってない)。ペーパードライバーじゃなくてペーパートラベラーというべきか。
 福井に出張するという友人もいる。彼を待っているのは「30人の集落にマスコミが100人、ヘリが3機」。『マズルフラッシュ』 (※注2)を平日夜にプレイしている人数より多そうだ。でもこっちはちっともうらやましくない。
 今日も一日都内で働いてから、ヒロターズに誘われてロイホで夕食。入口にいたのはおなじみ岸田今日子似の店員さん。「お席は禁煙席と喫煙席が……あ、禁煙席でしたね」と自問自答していた。前回来たのは1ヶ月近く前だが、どうやら顔を覚えられたらしい。
1)夜なので客の絶対数が少ないので覚えやすかった。
2)コーヒーのおかわりの頻度が高かった。もしくは頼んでいる料理の量に目を見張るものがあったので覚えた。
3)たまたま聞いてしまったいかがわしい会話が忘れられなかった。
 理由はどうあれ、覚えられてるほうが便利だからいいよねえ。


※注1「MSNメッセンジャーに登録している知り合い」:ちなみに現在の登録者は現在28人。多いのか少ないのかはわからないが、昔はやっきになって増やした覚えがある。その影響かこの中には半年に1度くらいしか繋がないヤツが3人ほどいる。ひとりはゆうちゃん、お前のことだ。

※注2「マズルフラッシュ」:おなじみのゲーム。本作に限らずXBOXLIVE対応のゲームはこれまで遊んでいたネットゲームである『PSO』や『ぐるぐる温泉2』と違い、のべ何人のプレイヤーが参加しているかわからない。確認できるのは「フレンド登録」した個人的な仲間の状況と、現在欠員が出て参加者募集中の部屋のみだ。「現在参加できるセッションはありません」というメッセージが出ると、このゲームを今やっているのは世界中で自分だけじゃないかと思って途方に暮れることは少なくない。

5/14
 来客対応→長い会議→重い会議で一日。
 たまにこういう忙しい日があると働いている気分になれる。実は寝坊して朝食抜きで出社したのだが、途中昼御飯を食べられたのは幸いだった。
 なお最後にやった会議は、親会社のスタッフにやる気を出してもらおうと思って私が召集した会議だったのだが、蓋を開けてみると向こうのほうが前向きだった。むしろこっちが説得されるような空気になってあっけにとられたが結果オーライ。
 帰宅して『もじぴったん』 (※注1)の歌「ふたりのもじぴったん」をループして聴きながら夕食づくり。
 夜はKEYに誘われて、KEN抜きでやった『マズルフラッシュ』で久しぶりにホストをやる。ラグが少ないからか射撃がいつもよりも正確になっている気がして結構活躍。それでも上手い人は上手いので死ぬときはあっさり死ぬ。試合終了後、KEYの「弾当たんないよ! ○さんと×さんはガン=カタ (※注2)使いだ!」というコメントに笑ったり納得したり。


※注1「もじぴったん」:おなじみナムコのパズルゲーム。私のGBAキラータイトルである。ゲーム中に流れる歌がネットでDL可能であることを今日初めて知った。ボーカル曲はなんとGBAでも再現されており、リアルタイムで『サイコソルジャー』を知る私のような世代は掌から奏でられる歌声に時代の進化を感じたものだ。でもナムコは既にSFC版『テイルズ・オブ・ファンタジア』でカートリッジのボーカルは経験済みなんだよね。なお新幹線で帰郷した8spotsはこの夜「帰るまでが退屈すぎて『もじぴったん』借りておけばよかった」とこぼしていた。

※注2「ガン=カタ」:『リベリオン』に登場する架空の武術。この日記でも度々この話題になる。敵の攻撃を予期し本能的に安全地帯へと回避する技術であるガン=カタの理論は、そのまま対戦ゲームでの上級者に当てはまる。逆に考えれば自分が避けているつもりなのに敵弾に当たるのは、敵がこちらの行動を予測し先読みされているから。ガン=カタを身につければ攻守共に強くなれることだろう。

5/15・EQUILIBRIUM
 『EQUILIBRIUM』到着!
 先週アメリカのアマゾンで注文した『リベリオン』のDVDを受け取る。頼んだのはりえ姐さんで私は便乗しただけなんだけど。日本円にして2800円程度。安い安い。
 ただしリージョン1 (※注1)なので会社の設備では見られない。とりあえずジャケットを会社のデスクに飾って一日ニヤついて過ごす。
 家に帰ってKENにDVDを自慢してから今夜もヒロターズに誘われ夕飯を共にする。同僚たちに「顔色凄いよ」と言われていた(「形相」じゃないんだから)というヒロターズだが、歓迎で中華を食べると少し元気を取り戻した様子。それは楽しそうに盧武鉉大統領の米国訪問について語ってくれた。スーパーで週末のバウルーに挟む食材をそれぞれ買って帰宅。
 通勤も徒歩だったので今日は都合2時間ほど歩いてさすがに疲れたが、その間のBGMはずっとNOVAうさぎREMIXを聴いていたので辛くは無い。MD1枚に40曲くらいの「イッパイキケテ〜」が入ってる洗脳音楽。
 「今日はマズるから今日は23時半までに帰ってくるように!」とKENが言うから急いで帰ってきたのに、家に着くと当人は寝落ちしてるし。ダメだこりゃ、ってことで安心して『リベリオン』のDVD観ることにした。
 冒頭に『KILL BILL』 (※注2)予告がなぜか入っているが、観てない予告だったので映画館気分満点。今日は特典映像のほか「ガン=カタ」中心に観る。
 ラストバトルは都合3回以上観たが、1/4スローで見ると拳法家の達人の戦いというよりは子供の喧嘩で全然美しくない。でも格好いい、クリスチャン・ベール。


※注1「リージョン1」:DVDの北米エリア専用コードのこと。日本はリージョン2だから普通のプレイヤーでは観られない。私の家はマランツ製なのでリージョンALLなため観ることができる。リージョンALLに変更する方法はあちこちのサイトで紹介されているが隠しコマンドを入力するだけの無改造ですむところがマランツのメリット。なんでそんなに簡単に切り替えられるかというと、大手でない中堅メーカーの場合はいちいちリージョン別にハードを作り分ける余裕がないかららしい。先日りえ姐さんの買い物に付き合ってヨドバシカメラで「マランツのプレイヤーを買おうと思っている」と店員に言ったところ「ああ、リージョンフリーですね」と隠し立てせずに答えてくれてとてもやりやすかった。ただプレイヤーを買って1年以上経ったがリージョン違いのソフトをかけたのは今回が初めて。

※注2『KILL BILL』:タランティーノ久々の新作は麗しのユマ・サーマンがブルース・リー風の黄色いカンフースーツを身にまとい、日本刀を振り回す任侠アクション映画。ユマ・サーマンの剣術は西洋人特有の腰の引けた姿勢であまりかっこ良くないため、日本人には笑える映画になると思う。『マトリックス』の「何ヶ月も訓練を積んだ」キアヌの拳法ですらアレだし。なお『リベリオン』にも主人公が相棒と棒術の練習をするシーンがあったが、こちらも剣道着着てるのに刀の持ち方はトンファーだったり、相棒はバットスイングだったりとめちゃくちゃ。それでもクリスチャン・ベールがやるとかっこ良く見えるのはポージングのの美しさだけでなく、美形だからだろう。なおその他アメリカ日本刀映画期待の新作はトム・クルーズの『武士道』。きっと関係ないと思うが『ラストサムライ』というタイトルはSFCの『ファーストサムライ』って幻のゲームを思い出すし、『武士道』といえばMDの『エターナルチャンピオンズ』だろう。

5/16・さよなら あんり
 夜、8spotsからメールがあり、彼女が実家で看病していた愛猫が亡くなったとの連絡を受けた。
 彼女が携帯で書き記したそのメールを読んでいたら、自分がかつて実家で飼っていた愛猫の最期を看取ったときのことを思い出し、一層心に来るものがあった。私信ではあるが転載させてもらう。 (Aには彼女の本名が入りますがそこは隠しました)

「夕方6時ごろ、あんり永眠しました。
昨日病院に行った際、容体が急変し、帰る時には、前足が硬直して体温も下がり、虫の息だったのですが、Aがずっと添寝して、今日になって体温も戻り、心拍も上がり、呼吸も正常になって、眠るようになったので、安心し、Aがちょっと、すぐそばのローソンまで行って、帰ってきて、さあ、あんりに寝返り打たせる前に、顔拭こうかな、と、ふとんめくったら、息絶えてました。体はあたたかく、やわらかく、とてもきれいな顔で、少しも苦しんだ様子がなく、まさに、眠るように死んだとしか思えない状態でした。
Aは一昨日から、ずーっと添寝してたのですが、この猫に出会えて、ほんとによかったと思いました。Aの好みを、完全に満たす猫でした。高慢なほどに気高く、うつくしく、老貴婦人のごとき立派な最期でした。」

5/17
 目が覚めたら1時過ぎてるし。昨晩は『マズル』しすぎた。
 先週に引き続き週末恒例の昼食となるバウルーでのホットサンドは最高に美味い。今日はジャムとマーガリンを塗ったパンにクリームチーズ(Kiri)を挟んで溶かす。普段食べているパンを焼いただけなのにこれがまた最高に美味い。ただし、あまり食べ続けると危険なカロリーなので週に1度にしておこう。
 昼間っからこまんだーさんやKENをつかまえてチャットとかしてたら、突然宅配便が届く。パイオニアLDCの「2枚買って1枚もらおうキャンペーン」で注文した『エンゼルハート』のDVD……のはずが入っていたのはなぜかジャッキー・チェンの『ナイスガイ』(※注1)だった。アラン・パーカーとサモ・ハン・キンポー違いすぎ! 土曜は苦情の電話かかんないし。でも手元にあるとつい開封して観てみたくなるという罠。いやいや。
 ぼーっとしてたらまた何もせず、誰にも会わずに一日が終わりそうだったので、ヒロターズをそそのかして蒲田で2人でラーメンを食べる。「休みを一日家で過ごして誰にも会わないで終わるのって、なんかさみしくなることがある」と話したらヒロターズにひどく笑われた。
 家に帰ると21時になっていたのでDVDでイーストウッドの名作『ガントレット』を観ることに。昔から好きな映画なのだが、どうやら最後に観たのは随分前らしく、ラストの"ガントレット"なシーン以外のすべてを忘れていてえらく新鮮。名作を2度も楽しめるなんて私の記憶力の悪さも役に立つものだ(※注2)
 そしてまた夜は『マズル』で夜はどこまでも深けていく……


※注1『ナイスガイ』:すみません、最初の更新のときに『ベストガイ』って書き間違えました。空自の"トップガン"映画なんかとごっちゃにして成龍ファンの皆さんごめんなさい!

※注2「記憶力の悪さも役に立つ」:昔、「鶴瓶上岡パペポTV」で、上岡竜太郎が「『ゼルダの伝説』(初代)が大好きで、もう何度もクリアしている。やる度に謎を忘れるのでいつはじめても新鮮」と言っていたことを思い出してのコメント。RPGやアドベンチャーの謎解きを友人から質問されたときは、大概「ああ! そこね! うん私も詰まった! こんなこととかこんなこと試しても駄目なんだよね! ……で、結局どうやって先に進んだんだっけ?」と、肝心の解法は覚えていないことが多い。失敗は何度も試すものの、解法は1度しかプレイしないんだもの。仕方ない。

5/18・ロスト イン ラマンチャ
 獄・楽さんに導かれてか、思い立ったが吉日と『ロスト・イン・ラマンチャ』 (※注1)を観に行く。こまんだーさんまで誘い出して。
 場内はきっとほぼ全員ギリアムファン。だから「『バロン』のことを言ったら殺す」の台詞で笑う観客。これまでのどんな映画よりも生々しい映画制作の舞台裏を映し出す内容とギリアム特有のシニカルなトークによって、ドキュメンタリーであるにも関わらず場内全体が何度も笑いに包まれたが、映画が終幕になるにつれ映画の出演者も観客も現実に直面、場内は重い空気に包まれた。こんな映画はじめて。
 メイキングムービーとたかをくくっていたらこれが他の映画に決して劣らない物語を持っていて、その嘘みたいな現実がむしろ笑えたり感動できたりする。そういう意味で映画として必要充分な面白さを持っている。ただしこの映画では『プロジェクトX』を観終わった時のようなカタルシスは味わえないのはご存知の通り。
 ここで描かれた混沌と破滅は、学生映画でしか映画制作経験のない私ですら身につまされるのだから、より近い仕事をしている人にはもっと衝撃なんだろう。

 さて、そんな精神的ダメージを受けたのは、実は本編だけじゃなかった。上映前の予告にあった1本『カクト』で、既に私はゾーッとしたのだ。
 この映画で初監督している主演の伊勢谷友介は、『ワンダフルライフ』での、多分演技じゃなさそうな斜に構えた態度などが大学のクラスメイトに似てるなあ、とは前から思っていて気にはなっていたのだ。そしたら今回作った映画まで彼のテンションに似ていたので笑ってしまった。
 予告を観る限りこの映画は、映画学校の学生が好みそうな、作り手の高いテンション(本人にとっては独創性)が作品から漂う、青臭さ満点の映画のようだった。でも青臭ければ青臭いほど、私がかつてそんな映画制作に携わった時の楽しくも苦々しい日々を取り戻させてくれるのだ。この予告だけで。「うわー、やっちゃってる」ってしたり顔で薄笑いを浮かべながら、でも突き放せない空気。
 本編前に昔の映画撮ってた頃の自分を取り戻させるための儀式かと思った。

 その後はこまんだーさんと映画とゲームの話を喫茶店で延々と語ったりしつつ街を徘徊。彼とは今日で会うのはまだ4回目だが、私の用事で渋谷中引き回してしまった。


※注1『ロスト・イン・ラマンチャ』:テリー・ギリアム監督の最新作のメイキング、のはずだったのだが本編の映画制作自体が撮影開始後間もなく中止になったため、「夢の映画制作」が空中分解していく様までをも克明に伝えることになったドキュメンタリー。公式サイト

5/19・俺たち一体どこへいくんだろうねえ
 なんかいろんな情報がいっぱい入ってきて、みんなでそれに驚いたり笑ったり裏取ったり泣いたり怯えたりした一日。
 気がつけば夜で、KEN&KEYと『マズルフラッシュ』。彼ら2人はなぜか昨日から回線の相性が悪くなってしまい、お互いが作った部屋に入れない。私の作った部屋には入れるがお互いが見えない。だから3人で会話もできない。これではチームを組めないよ。
 とりあえず今日は研究の日とし、マップ探索に時間を充てる。まずは昨晩の対戦相手から教わった、これまで絶対に登れないと言われていた場所への登頂方法だ。
 やってみるとかなりバグに近い裏技なのだが苦労の末、確かにできた。
 喜び勇んで丘の上を行ったり来たりしていると、丘の先に補給用の弾薬がセットされていて大いに驚く。これはつまりバグなどではなく、開発者はプレイヤーがここまで来ることを想定していたということだ。開発者の叫びが聞こえる。「これは仕様です」。ここもまたお釈迦様の掌の上 (※注1)。でも今回ばかりはお釈迦様に「よくここまで来ましたね」と言われているような気分になって、むしろちょっと嬉しかった。
 毎日同じゲームを延々と遊ぶということも『マズル』が久しぶりなのだが、まだ裏があったなんて。こんなに裏技が新鮮だったのは何とも久しぶり。


※注1「お釈迦様の掌の上」:貴方は西遊記で何を最初に思い浮かべますか? 堺正章、本木、やおい(最遊記)、パタリロ、志村けん(人形)、山根あおおに(コミカライズ)、悟空の大冒険(ドカーン)……他にも、ぼくの西遊記、ドラゴンボール(微妙)とかありますが、私はやっぱり成井紀郎の『ゴーゴー悟空』。この漫画に出てくるお釈迦様の掌ってキングダークの手だっけ? マジンガーZの手だっけ? なんか筆ですらすら書いてる姿は覚えてるんだけどなあ。……とここまで書いたら気になって仕方なくなりI坂さんに尋ねたら、当時の単行本貸してくれました。普通にお釈迦様の手だった!(鼻の穴で捕まるけど) お騒がせしました。

5/20
 昨日はホントだか嘘だかわからない、たくさんのリーク情報に埋もれて過ごした一日だった (※注1)
 ただその中で1つだけウラのとれなかったネタがあった (※注2)ので、今日はこの情報に詳しそうな知り合い何人かに聞いてみた。
 あちこちのつてを尋ねて回ったが、どうやら本当にガセネタらしい。私がそのことを口に出すと皆一様に「えええーっ!? うそーっ!」ってびっくりしつつ、鼻から信用していない顔をする。そして男の場合はまるで下ネタを語っているときのような薄笑いを浮かべ、女性は私が火のないところに煙を立てているかのような、訝しげな顔をした。
 とはいえどんな冗談みたいな話を聞いてもそれが現実になったりするということを、昨日に限らず皆もわかっているため、今度知り合いに聞いてみると言ってくれた。噂が本当なら話は返ってくるだろう。
 そんな顛末をヒロターズに話すと、もし噂が本当だとしたら、そのとき貴方は「ネ申」になれるだろうと言う。でも一方で、予想通り根拠のない噂であったら、私はそのガセネタを社内に広めた当人になってしまうわけだが。広められた方はえらい迷惑だろうなぁ。

 夕方に雨に濡れたせいからかどうも体調がすぐれないので、夜は『マズル』をお休みさせてもらう。さっさと早寝するつもりだったのだが、気が付けばフジの深夜番組『WWEスマックダウン』に大笑いしていた。


※注1「情報」:ほとんどすべては事実だった。

※注2「ネタ」:一番下世話なやつだった。
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