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水曜は「麻婆豆腐の日」である。 どこの本にも載ってないが、少なくともぼくとヒロターズはあるときこれを指定し、月に何度かこの約束を守っている。 もちろん月曜日に一人で食べることもあるし金曜にだって食べるが、でもぼくらにとっては麻婆豆腐の日は水曜日なのだ。 今日も2人で駅前の中華料理屋にやってきた。 ここでいきなり「麻婆豆腐2つ!」とは頼んだりしない。 まずは彼女の携帯電話の出番を待つ。 携帯電話のモニターに映る「ぐるなびクーポン」という文字を店員が見たその瞬間、ぼくらが頼む生ビール2つは無料になってしまうのだ。 黄門様の印籠だってこうはいかない。 店員さんは画面を確認し、「はい、わかりました」と笑顔で受け答える。 (わはは。どうだ、まいったか) などとは思ったことは一度もない。 きっと黄門様だってそんなことは思わないだろう。 かわりにぼくはこの瞬間、 (ありがとうございます) と、心の中で思わず唱えてしまう。タダでビールをご馳走してくれるのだ。このくらい祈ってもいいではないか。 ヒロターズはもうメニューへ向かっている。注文はいつも彼女まかせだ。 普段なら麻婆豆腐を一皿とごはんを二杯頼むのだが、今日は趣向をかえ、麻婆豆腐丼一つにすることになった。このほうが少し安い。 「一杯のかけそば」ならぬ「一杯の麻婆豆腐丼」である。 ヒロターズは「財布にもう1500円しか入ってません」と言っている。大変な時代なのだ。 そして他に五目あん焼きそばと四川風辛酸スープを注文した。 ヒロターズは 「酸辣湯(サンラータン)って言いたかったんですけど、発音がおかしいと困ると思うので四川風辛酸スープって言いました」とぼくに言った。 ここのお店は本場の方々が多い。ヒロターズがもし「酸辣湯」と言っていたら、交換留学生の「サンラーたん」がやってくるかもしれない。 そんなときはせめて日本人として、ぼくら独自の言語文化を彼女たちに教えて上げなくてはならない。 後ろのサラリーマンが早速実践していた。 「おあいそおねがい!」 チャイナ服の女性店員さんは少し戸惑っているようだったが、すぐに「わかりました」と満面の笑みを彼に返していた。 ただの駅前の中華料理屋とはいえ、二ヶ国の専門用語が飛び交う国際交流の場でもあるのだ。 ややあって、ぼくらの目の前に3つのお皿がやってきた。どれも美味そうだ。 中でも期待の麻婆豆腐丼は、とても一人前の量ではない。2人前としてもたっぷりと、ふんだんに盛られていた。 もちろん量だけじゃなく麻婆豆腐だってぬかりはない。 月曜にテレビで見たホイさん(ちがうって)がつくっていた麻婆豆腐そのままの鮮やかな彩り、多彩な具、そして絶妙な辛味と甘味のハーモニー。 ヒロターズが許してくれたら、ぼくはこれを「麻婆豆腐・首領」と言い換えたいくらいである。 もちろん五目あん焼きそばも四川風辛酸スープ(酸辣湯)も最高だった。さっきまでブッシュ大統領の性格のわかりやすさについて語っていたぼくらは、いきなり無言で食事に集中した。 これがぼくらの麻婆豆腐の日だ。幸せなひととき。 ところで、このお店でぼくが唯一気にしていることがある。こんなに美味しいのにいつも最後には料理が少しずつ残ってしまうのだ。 どれもぼくらには量が多いのだ。 かといって三品くらいは頼まないとせっかく中華料理屋に来たのにつまらないし申し訳ないではないか。 たとえそれが愛しの「麻婆豆腐・首領」であっても、それ一杯だけではぼくの幸せも「麻婆豆腐どん」くらいに落ち着いてしまうことだろう。 だからここで料理が残るのは誰の責任でもない。 もちろん残した分だって全額払います。幾らですか? 「合計2446円です」 そう、ここは料理が安いのだ。しかもビールはタダ。 (ありがとうございます) また心の中で祈ってしまった。 そしてぼくらは低姿勢のまま、店を後にする。 |
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東海林さだおって知ってます? 「ああ、毎日新聞でアサッテ君を連載している漫画家だ」 と答えてくれる人はぼくと同じ程度の知識を持っている。 「赤城の子守唄」 と間違える人はこのサイトに来ている中にはいないと思うが、 「ああ、スターウォーズをシンセサイザーでアレンジしてた人ね」 と思ったらそれは別人である。私も東海林修のデジタルトリップLPは何枚か持ってる。 「知りません」 と言われることもあるだろう。名前は知ってるけど何してる人だっけ、という人もいるはずだ。 知り合いでもないのにそう答えられるとなんだかとっても悲しいのだが、ここではよく知らないことを前提で説明する。週刊朝日とかで食べ物の話を延々と書き続けている人だ。 代表作は「〜の丸かじり」シリーズ。文庫本がたくさん出ている。 「トンカツの丸かじり」「キャベツの丸かじり」「タクワンの丸かじり」、もうタイトルからして美味そうではないか。 もちろん著書はもっといろいろある。 「マツタケの丸かじり」「伊勢エビの丸かじり」となると、ぼくら庶民としては (そんな、モッタイナイ) と思ってしまうが、それがこのタイトルを付けるときの腕の見せどころなのだろう。 それも「タヌキの丸かじり」「ワニの丸かじり」となると、イメージがかわってくる。 タヌキの尻尾、あるいはワニの大きな口に逆に噛み付き返しているアサッテ君の顔が浮かんでしまう。 アサッテ君の顔が浮かぶのは私が勝手に著者の分身にしているだけで、著者がアサッテ君に似ているかどうかはわからない。 「ダンゴの丸かじり」、これはわかるが「ケーキの丸かじり」はどうだろう。果たしてケーキを丸かじりして美味いのか。あれはフォークで少しずつ刻んでいくものではないのか。 なんと氷川きよしはショートケーキの生クリームがダメなのだそうだ。彼が「ケーキの丸かじり」をしたらいったいどんな声を出すだろうか。 その答えは文庫を読んでみればわかるかもしれない(嘘です)。 「駅弁の丸かじり」「親子丼の丸かじり」。もう「これは入れ物、ここから中身」などとこだわってはいない。さすがは食通作家である。ワニにかじりつく男である。ここまできたらどこまでも食べ続けていくしかない。 あの有名なパックマンだって、最初はイチゴやらメロンやらを食べていたが、しまいにはベルやら鍵まで飲み干していた。 話がそれるが、ぼくらの間ではあのベルは、皿に山盛り一杯のカキ氷にレモンシロップをふんだんにかけたものだと信じていた。でも決してぼくは欠食児童じゃありませんからね。 前置きが長くなりました。 東海林さだおの本を読んだのである。「ワニの丸かじり」。アサッテ君はワニに噛み付いてはいなかった。 「やだよさんの文章って東海林さだおに似ている気がします」 ある日、ヒロターズがそんなことを言ったのがこれを読んだ理由だ。 ぼくはこれまで氏の文章はちゃんと読んだことは無かったのだ。 (ほう、そんな有名人にぼくの文章に似ているのなら、光栄だなあ) とまでは思わないまでも 「やだよさんはNOVAうさぎに似ている気がします」 と言われるよりは第一印象がずっといい。 サッカーでぎっくり腰になっているよりはケーキを丸かじりしているほうが幸せではないか。 とにかく楽しく本を読んだわけなのだが、それでも自分の文章のくせは自分ではわからない。自分の書いたものを客観的に読むのはなかなか難しいのだ。 そこでぼくは (東海林さだおのパスティーシュをしてみよう) と思ったのだった。 それを読んでいる人の違和感が無ければ、私の文章は東海林さだおに似ているのである。 というわけで書いたのが昨日の日記。いかがだっただろうか。 最後に告白すると、実はまだぼくは「ワニの丸かじり」を読み終えてない。 |
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カニを食べてしまった。 「そんなことを自慢したいのか」 と言われそうだが、私はカニがキライなのだ。 カニとは子供のころから飼育するものであって、ボールは友達、カニも友達なのだ。 私はカニがスキなのだ。 スキなのかキライなのかどっちなんだと問われれば、スキだからキライなのだと答える。 ともかくそのカニを食べてしまったのである。 あろうことか、刺し身にして、お醤油をつけて食べてしまったのである。 しかも刺し身ばかりではない。 フライにして食べてしまったのである。 どうしてそんなことになってしまったのか。 川崎のかに道楽で、そんなことになってしまったのだ。 毎年恒例、グループ会社合同の新人歓迎会に 「ええ、もちろん参加します」 と言ったら会場がかに道楽だったのである。 お醤油にひたした刺し身のカニは甘エビの大きいやつ、という味であった。 これだったら、なにもカニ御大にお出ましを願わなくても、配下のエビで十分料理が務まるようだ。 カニを無事に食べることはできたものの、こんな会話主体の飲み会でこんな料理食べなくてもいいのに、とは思う。 さて、実はこの1次会、衝撃的なイベントがあった。 ただ内容の危険度があまりに高いので、あえてカニのことだけを書かせていただいた。 パスティーシュではなく無断引用も見受けられるが、猪木のモノマネをしたぼくの部署の新人に免じてご容赦いただきたい。 2次会会場には獄・楽さんがいた。 日本語を正しく使うなら、正確には 「連れてきた」という。 次の会場へと向かう酔っ払いの集団の前を偶然通りかかった獄・楽さんが悪いのだ。 部屋の一番奥へ連れてこられた獄・楽さんは 「なんでせしぼんをクビにしないの!?」 と必死の抵抗を試みていたが、酔っ払いであるところの皆は全く関せずであった。 (我々は酔っ払い。抵抗は無駄だ) なのだ。 拉致被害者をいじわるな執行役員から守るため、ぼくは身を呈して隠すことになった。 獄・楽さんとぼくは「テリー・ギリアムのことを想う会」を結成することにした。 ぼくの一番好きな映画は『バンデットQ』だが、獄・楽さんは『バロン』だ。観る度に涙を流す映画があるって素晴らしい。 今日は『火山高』のDVDを買ってきたんだ 城武蔵さんにも『VERSUS』の面白さをわかってほしい 獄・楽さんともあろう人が『リベリオン』を観損なうとは何たること 『メイキング・オブ・12モンキーズ』と山下洋輔のPIT INN演奏ビデオを交換しましょう もはや新人のことは思考の隅どころか、どこかへ置いてきてしまった。(すまん) 3次会会場に残ったのはぼくを含めてもう7人だけであった。 うちの社長、となりの会社の社長、おーはらさん、ダイビングM(仮)さん、S水、新人の武蔵くん、とぼく。 例えるなら、武蔵くんが勝四郎(若い)、ダイMさんが久蔵(物語の鍵を握る)、おーはらさんが勘兵衛(取りまとめ役)、S水が七郎次(実はツワモノ)、社長が菊千代(ノーコメント)である。 ぼくの役どころは、陰の薄い五郎兵衛か。 そして、意外なことに隣りの社長が平八だった。真っ先に倒れた。 「sleepy_kitty.mpg」という愛らしい動画をご覧になったことはあるだろうか。(Googleればすぐに見つかると思う) 私の目の前にいた隣りの社長がまさにあんな感じだった。 しかし、こんなに無防備そうな方に 「あなたの望む女なんかどこにもいない」 などと捨て台詞を吐くなんて、世の中の人たちは酷いではないか。 いや、酷いのは本人なのか。 |
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ニセモノときいてどのようなイメージが浮かぶだろうか。 ぼくは今日、ニセモノの料理を食べてきたのです。 ニセモノというと 「ザラブせいじんが地きゅうしんりゃくのためにへんそうしたすがた。目がとがっている」 「黄門様一行の前に現われたのは、悪事を働く老人と2人の男。助さん角さんもこれにはびっくり」 などという幼いころからの情報から、なにか危険なもの、いけないものというイメージを持つが、ぼくが今日行った店は 「ニセモノの中華料理屋」 だった。 ニセモノの料理といっても別にろう細工だったり精進料理だったりするわけではない。 かつてその店は隣町で有名な美味しい中華料理屋の支店としてできたお店だった。 この中華料理屋は、独特のコクと口からじゅわーっとしたたり落ちるほどのジューシーな餃子で、見た目のシンプルな大衆食堂っぽさとは裏腹に大変人気を博している名店である。 そんなお店の数少ない支店のひとつであったその店は、トラブルがあってある日姉妹店ではなくなったのだのだという。 本店にあった名刺に書かれた地図には、その元支店のところだけボールペンで二重線がひいてあり、 「お前なんかもう仲間じゃない!」 という確執の強さを物語っている。 ところが、勘当されたその店は今でもチェーン店の顔をして営業しているのだそうだ。 「迷惑しているんですよ」 と本店の店員さんは言っていた。 ホンモノが迷惑するのはニセモノの必要最低条件に入れておくべきだろう。 とにかくぼくは俄然興味が沸いた。この2軒の店を離したのは一体どんな理由があってのことだったのだろうか。 そのためには味を確かめてみることが必要だ。 そこで、どんなに失敗しても笑ってすませられる友人であるKENとこまんだーさんを連れ、その店へと出向いたのだ。 彼らはもともとうちで『リベリオン』を観るために来たお客さんであった。 さらにいうと映画を観る前には、その中にヒロターズもいた。 事情により起動しなくなってしまった彼女のノートパソコンの修復を私の家で行ったのだった。 無事にPCは復活し、修復に協力したお礼にヒロターズは、ティラミスを買ってきてくれた。 KENとこまんだーさんとヒロターズ。 私の友人であるという以外、何一つ共通項のない仲間が私の目の前でティラミスを 「これはうまいね! 最高だ!」 と唸るように食べている。興味深い。 もしこの笑顔に騙されて美味しいティラミスの後にここへ中華を食べにきてしまっていたら大変なことになっていたはずだ。 せっかくの楽しいティラミスの思い出をニセモノで上書きしてしまうのだ。どんなに悲惨な結末が待っていただろう。 例えば、もしこの店がギョーザにカニクリームを入れる店だったとしたら、私はヒロターズに一生苦情を言われ続けたことだろう。 「そんな、まさか」と言うかもしれないが、ニセモノというのはそういう危険な香りを漂わせるものだ。 幸い、ティラミスの後は映画を観ることになり、かつヒロターズは帰ってしまったので、惨事は未然に防ぐことができたのだった。 3人で店の前へと到着した。店名も看板も確かに本店と同じものだった。 (ホンモノになりすましているなんて実にニセモノらしい) ぼくは必要以上にわくわくしてしまった。 おそるおそる店内へ入ってみると、店員さんは本店同様中国人の女性だった。これも本店と同じだ。 店員さんはマフラーが黄色かったりもせず、特におかしなところは無さそうだ。 これがもし中国人ではなくアメリカ人だったりすると、 「ギョーザ・ワン・プリーズ!」 とか言われて即刻ニセモノだとばれてしまう。なかなか周到な判断だろう。 というかぼくはなぜ中華料理屋ひとつでこんなにびくびくしているのか。 テーブルに着くと、ぼくはいつも本店で食べている料理である焼き餃子と麻婆豆腐、そしてライスを注文した。 程なくして餃子が届く。パリパリの部分の大きさは確かにホンモノによく似ていた。そして思い切ってかじってみた。 ふんだんな肉汁が中から流れ出た。ところが不思議と普段のようなジューシーによる喜びは感じない。 (汁がこぼれてしまった。皿から垂らして飲み干そう) といういつも感じるあの執着もこの餃子にはない。 とはいっても不味いわけでもなく、普通の餃子だった。 続いて麻婆豆腐がやってきた。 これはもはや見た目すら違っており、はじめからニセモノの正体を現していた。 (ニセモノめ! かかれ!) とばかりに食べてみると、味は豆板醤が利いていてかなり辛めだ。これは完全に本店と違う。 とりあえずその他頼んだ数品の料理と共に3人ですべてを食べ終えた。 ぼくは帰りの道を歩きながら思った。 (普通の中華屋だった。ごく普通の) 普通だから、これはやっぱりニセモノなのだ。 |
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評判悪いんで文体を元に戻します。 昨日ヒロターズが買ってきてくれたティラミスを売っている店でランチもやっていると聞き、本日は彼女を誘って食べに行くことにした。 料理もまぁまぁだったがデザートに食べたゴージャスなチーズケーキがティラミスに負けず劣らず美味。 なおヒロターズは私が昨日見せた動画の破壊力にまだ酔っていて上の空気味。面白いからよし。 食後に2人で本屋を回る。『るくるく』と『新・野球狂の詩』を探している間に、ヒロターズの父親が載っているという医療雑誌を発見。記事にはいかにも善良そうな理事長の写真と、私財を抵当に入れてまでして建てた病院が大いに成功するまでの話が載っていた。娘は「相変わらず偉そうにふんぞりかえってる」とツッコミを入れていた。 本屋を出てヒロターズと別れてから、先週こまんだーさんを連れまわした末に買ったデジカメを持って実家へ帰る。 母の仕事用に購入したデジカメは性能的には申し分のないものだったが、ビデオデッキも満足に使えない母にはボタンだらけのデジカメはかなり難易度の高い代物であった。 ゲームをやらない人に十字キーの概念を理解させるのがこんなに大変だと思わなかった。 夕食をいただいてからいつものようにHP更新用に多数の資料を実家から回収して帰宅。『リーサルウエポン』『砂の惑星』などの映画パンフ、『餓狼伝説スペシャル』の攻略ビデオ、ゲームギアのチラシの山、『エスパー魔美』全巻など。東京の家にガラクタが増えていく。 文章特典:今週の「やむ落」 昨日までの文体統一のため、やむなく落とした近況をここで一挙復活。 5/22その1:『エンゼルハート』を入手するため、『ナイスガイ』を送り返したときの「配達完了ハガキ」が届く。しかし『エンゼルハート』は5/26現在未だ届かず。パイオニア頼むよ。 5/22その2:度重なる延期の後にやっと明日発売予定だった『東京ムービーアニメ主題歌大全集DVD−BOX』(4枚組・530分・20,000円)が発売中止になったことをヨドバシからの留守電で知った。 5/23その1:今年の年俸が出た。上司に「特に何もしていなかったし、会社の役に立ってなかった。貴方を必要とはしていなかった」と言われた気分になった。 5/23その2:久しぶりに話した後輩・モリくんの話で、サミットラブ氏の正体が判明。 5/23その3:「ギリアムのことを想う会」で獄・楽さんと『ロスト・イン・ラマンチャ』のパンフの袋とじページの中身が最悪だったことで盛り上がる。ギリアムを冒涜し、映画そのものを根本から否定するこんなページを、袋とじとはいえ載せたことは許し難い。私は幸い開く前に中身を確認したので「永久封印決定」で済んだが、獄・楽さんは怒りの抗議の電話をかけたとのこと。 5/23その4:3次会が早めに終了したのは眠り社長がひとつの理由であるが、一番の原因はうちの社長のところにかかってきた奥様の怒りの電話。 5/24その1:こまんだーさん、今月末のキャッシュバックセールに伴いXBOX本体購入決定。私が買わせたXBOXユーザーはこれでKEN、おげしょ、YOS、ぶちょー、KEYに続いて6人目。 5/24その2:そのこまんだーさん、既にPS2版『スプリンターセル』を持っているにも関わらず、XBOX購入に際し(国内本体でも動く)アジアXBOX版『スプリンターセル』を購入。だがまだ本体が無いので我が家のプロジェクターで初プレイ。 窓から差し込む木漏れ日などの画面の美しさや、ロードの速さに感動するこまんだーさんのプレイをKENと見学。「スプリングセール? バーゲンなの?」とナチュラルにぼけるKENは、ゲームを見てからはすっかり魅せられ翌日ネット通販で購入。本当に感化されやすい。 なお、こまんだーさんは余りある愛を注ぐためGBA版も所有。横スクロールになっていてアーケード版『忍』みたいな画面。 5/24その3:KENが私の本棚から取り出したPS版『北斗の拳』をきっかけにヒロターズを含めた北斗ファン4人で「世紀末シアター」鑑賞会が突如開催。ぶひひひひ。「昔、徹夜でつくったんですよ」というこまんだーさんは目の前であっという間に2本作成して皆を沸かせた。 勢いに乗って続いて4人で「北斗のメモリアル」など北斗MADビデオ鑑賞会に。一時期は何のために集まったのか方向性を見失う。楽しいからいいけど。 5/24その4:英語字幕でこまんだーさんと一緒に見た『リベリオン』は、KENと2人の弁士つきという万全の?態勢で臨んだが、さすがにイエーツの詩は翻訳不可能。 5/24その5:3人でニセ中華屋に入るとテレビで「なつかしのアニメ」紹介番組をやっていた。場面はおなじみミネルバXとデートするマジンガーZのシーン。私が「この手の番組多すぎるよな。この1年で例えば『怪物くん』の最終回を2度も見たよ」と言ったそばからテレビでその最終回が始まる。「最後の念力・声を消すからみんな泣けー」たまには普通のシーンが見たい。 |
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金曜の飲み会はとても楽しいものだったが、そこで酔っ払いながら撮影したデジカメのデータを素面で見直してみたところ、そのインパクトは想像以上に大きなものだった。私は自らの行為に恐怖した。 とりあえず会社のPCの中に保存したものの、これをみんなに配布するのもどうかと思われ、 かといって皆がいるところで「社長を追っていてとんでもないものを撮影してしまった。どうしよう。」とか言って公開するのも白々しく思えたので結局誰にも見せられなかった。 ヘタ打つと会社に三行半を叩きつける前に、先に首が飛びかねない。しばらくはEXILIMに入れたまま、親しい人だけにこっそり見せて楽しむだけにしておくことにする。 というわけで見たい人は来月たぶん開催するであろう「やだよ誕生月オフ」(やれるのかな)でリクエストしてくださいませ。 |
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ヒロターズが突然「寿司が食べたい」と言い出したのでついていく。寿司とは言っても回転寿司だ。 しかし思い起こすと私は回転寿司を食べたのは中学生のとき、小学校の先生にご馳走してもらったときの一度きりなのであった。 20年近くぶりの回転寿司は、すべてが新鮮だった。 カウンター越しに握ってほしいネタを言うと、すぐに握って皿ごと手渡ししてくれる。回転しているお皿もあるのだが、どの客も圧倒的にリクエストして直接受け取るほうが多い。回転部分はほとんど「飾り」なのであった。 まるで回転するところから皿をとると 「お客さんは素人だね」 と言われかねない空気がある。 この店のウリは「大トロ1皿99円」だ。その他のネタはイクラも含めてほとんどが130円である。入口には「TBS認定・日本一安い店」と書かれてあった。 横に小さく「トロ部門」と書いてあったけど。 回転寿司に来るお客さんはみんなそうなのかもしれないが、ついイカとかカッパとか普段食べなれているネタは頼まず、同じ値段のマグロとかイクラを頼んでしまう。 ただし、1皿99円の大トロはクセモノだ。頼みさえすればずっとこればかり食べることだってできる。しかしそれでは 「せっかく寿司を食べにきているのにケチくさい」 と店員どころか周りの客にまで後ろ指をさされてしまうかもしれない。 やはり99円を頼むにはバランスが肝心なのである(きっと)。他の皿を2枚くらい重ねてから、おもむろに 「うーん、ここでなんかトロが食べたくなったな。……あっそうだ、ここはトロが安いんだっけね。じゃあここはせっかくだからお店の心意気を感じてそれを」 とあくまで今思いついた風に振舞わないといけない(多分)。 あるいは私のような生まれてから来るのが2回目などというおのぼりさんは回転寿司の初心者であることをもっとアピールするのも必要なのかもしれない。 「あっ、このお皿は美味しそうだね。よし、これもらっちゃおう」 とか吉野家のお父さんのようにつぶやいて、そして回転しているお皿にあえて手を伸ばすのだ。 これにより長時間の回転でネタが乾いてしまうことを危惧している店員さんの密かな不安を1枚でも取り除いてあげるというのがいいかもしれない。 とかなんとかいろいろ考えていたら、3人ほど向こう側の席に座ったばかりの若い夫婦が 「特上大トロひとつ」 と言った。店内の空気が一瞬で変わったのを私もヒロターズも見逃さなかった。 特上というのはこの店で唯一の500円のネタである。99円でトロが食べられる店でありながらあえてその5倍以上の値段をつけているのである。きっととてつもなく美味いのだろう。 店員は「サービスのではなく、特上のでよろしいんですね?」とわざわざ聞き直していた。そして「特上できる?」と仲間に材料の確認もしている。その会話ひとつとっても、それが滅多に頼まれないものなのだと想像がつく。 店内には以前として緊張した空気が流れていた。外を歩いていた時は通行人にヤンキー扱いされていたかもしれない若夫婦は、この店の中ではもう上得意、赤坂の料亭から出てきた政治家のような別世界の存在になっていた。 皆が固唾を飲んで見守る中、程なくして現われた特上大トロは、いつもと違う柄の皿に乗せられ、奥方とおぼしき女性へと手渡された。 もはや完全に回転しない寿司であった。 張り詰めた空気をほぐそうとしたのかヒロターズが「うわー美味しそう、思わず皆で見つめちゃいますね」と切り出した。私も「ははは、私はサービスの5皿のほうがお腹いっぱいになるからいいかな……」と答えたその瞬間であった。 「よし! すみません、私も特上ください!」 連鎖してる連鎖してる。 遠くから見れば、きっと私の隣りはさっきと同じようなまばゆい光が差していたに違いない。 そして特上よりもサービス5皿をとってしまった私の立場は。 実のところ外の世界で500円というのはどれほどの価値があるのか。居酒屋で500円出して出るつまみに豪華な印象は無い。しかしひとたびこの回転寿司に足を踏み入れたら500円は特別な輝きを持つ。なんて夢のワンダーランドなんだろう、回転寿司。 結局エビとイクラとトロばかりを交互に食べていた私はお腹も落ち着いてきてガリをかじっていた。すると「ネギトロほしい人いないですか? ネギトロ!」と客ではなくカウンターの向こう側からリクエストが出ていた。 店員からリクエストを促すとは、侮り難し、回転寿司。 乗せられやすい性格ではないが、つい「じゃあそれ下さい」とその売り言葉に乗ったところ「よし! じゃあサービスしちゃおう」と店員は喜んで答えた。しばらくするとなんか恐ろしいほどの大きさのネギトロ巻きが出てきた。 クリームたっぷりのショートケーキのようなネギトロ、といったら大袈裟だろうか。2巻足せば社員食堂で食べるネギトロ丼の具とほとんど変わらない量が乗っている。 たじろいでる私を見てかヒロターズは 「これを一口で食べたら男として認めてあげましょう」 と言う。じゃあ私は今までどんな生き物だと思われていたのかという心配もあったが、この寿司に関しては彼女に言われるまでもなかった。1口で食べないと、絶対ネギトロが上から決壊し、掴んだ手の中でネギトロ丼になってしまう。 一気に口に入れる。横でヒロターズが (うわ、本当に一口で食べちゃったよ、この"男"は) と、面白いものを見るような笑顔でこちらを見ている(ように見える)。でも私は満足だった。こんなに口の中いっぱいにネギトロを頬張ったのは初めてだ。なんか童心に帰ったような、そんな気分さえ味わった。 確かに頬を食べ物でいっぱいに膨らませた顔なんて子供じゃないとやらないが。 ビギナーの感想ではありますが、回転寿司は客もほどほど、ネタも余らせ気味の閉店間際に行くのがいいかと思います。 |
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時刻は21時になる前だった。冷ご飯を炒めて作ったチャーハンを頬張りながら、何となく手元のPCで自分のサイトのアクセス解析をチェックしていて手が止まった。あれ? なんか数字がヘンだよ。 普段うちの一日のお客さんの数は60〜90人くらいで推移しているのだが、今日はリンク先である「ゲーパク」の前書きページから来ている人がすでに数百人いる。 食事を中断し、慌ててその前書きページにもアクセス解析をおいてみたところ原因がわかった。 昨日BBSにて丁寧なリンク報告をしてくれたあすみ那由多さんのサイト「GECKA」のうちの紹介記事を、あの「カトゆー家断絶」が発見し転載、それを「かーずSP」が転載した模様。こりゃ大変と、驚いている目の前でそこに「Channel KOF」が加わった。あとはもうリンクがリンクを呼んで、バイバインをたらしたくりまんじゅうとなる。 結局その後3時間で2000人以上の方が訪れ、あわあわしている間に日付変更とともについに「俺ニュース」入り。その後暫くは30分で500ヒットペースとなる。 ……というわけで リンクされ記念・リンクしたサイト逆引き紹介 (webの理念に明るくないので、問題あれば言ってください) まず第一報はこちら。 ●カトゆー家断絶 (http://www6.ocn.ne.jp/~katoyuu/) 『かなり量があるのでじっくり読んでみます…』 これが発端。管理人さんがじっくり読んでくれている(?)のと同時に、その裏では瞬く間に広がるパノラマ。 ●Channel KOF (http://www.yaotome.jp/chkof/athenanew.html) 『(前略)伝聞系だったりとか、なんか「もうちょっとちゃんとチェックしようよ」ってツッコミ入れたくなるところが結構多いのよねえ。どっかのゲームにも「私このゲームやったことありません」とか書いてあったし。 (中略)折角データベースっぽい作りになってるんだからもうちょっと裏取って書けばもっと面白そうなのになあ。「それはいくら何でもこじつけでしょ」って言う記事も多いんで、見て笑うためのものなのかもしれないけど、ちょっと気になったんで(後略)』 今回もっとも多くの文字を割いて当サイトのことを書いてくれたページなのですが……さすがアテナさん、厳しいなあ! ネットに公開するというのは大変なんですね。 結構裏取ってるつもりではあるんですけど、3〜4年前に書いたっきりのやつとか人の投稿を無条件で載せてた頃のものとかはちょっとアレなのもわかるような気がします。でもそれも味だと思ってるので多分このままです。基本的に道楽なので希望には叶わないかなあ。 『(略)こんな風に「へー」って思えるネタばっか集めるのは大変だと思うけど、今後もサイト作者さんにはがんばって欲しいなあ』 ありがとうございます。がんばります。 ちなみに私が個人的にブックマークしていたサイトで今回リンクされていたのはここと俺ニュースだけでした。 ところでインターネットの面白い(もしくは恐ろしい)ところに「意見が伝播し易い」ことだと常々思っているんですが、今回もアテナファンの皆さんに少なからず影響をあたえたらしく ●とらんすぺあれんと (http://trape.hp.infoseek.co.jp/) 『おぉ…KOFとかをはじめ、私の知っているお題がたくさんだっ(・▽・) ただChannel KOFさんも仰っているように「〜だそうです」の伝聞系はちょっとなぁ』 思いっきり伝播してます。でもこちらはまだいいほうで ●万屋RIO’s (http://www.geocities.co.jp/Playtown/8291/nikki.html) 『信憑性が薄いけどメモメモ』 もうここまできちゃうと「うちって一体……」って思ったり。 ともかくこんな感じでどんどんくりまんじゅうが増えていくわけです。 もちろんその決め手はやはり ●俺ニュース (http://www13.xdsl.ne.jp/~techle/) 『★★映画を元ネタとするゲームとにかく集め』 残念ながらもうすぐ閉鎖される、私の数少ない巡回先にこうして掲載されるというのもなんだか感慨深いものがあります。 ちなみにここに載ってから来客数がさらに倍になりました。さすが。あと、この横の★の数に意味があったのを今回初めて知りました。 こうなるともう歯止めがききません。どんどんリンク先が増えていきます。 ●左側@DEATH (http://page.freett.com/komachi/nikki.htm) 『最近はそうでもないけど、80年代のゲーム界は無法地帯だったからなぁ』 ネタが古いのばかり、という指摘もアテナさんから受けましたが、最近のゲームには結構露骨なものが減ってるというのもあるんですよね。 著作権にうるさくなったというのもあるんでしょうが、アニメとかは平気でパクってるから開発者の好みがかわってるだけなんでしょうか。 ●新難解国語辞典 第三版 (http://area22-web.hp.infoseek.co.jp/) 『よくここまでまとめたなぁ。こういう知識があると何倍もゲームが楽しくなりそう』 へへへ、褒めてくれると無条件で嬉しいです。 ●なにげや劇場 (http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Lynx/2581/) 『結構ありますね』 ありますね。 ●SWEET PARFAIT (http://www.am.wakwak.com/~sweet-parfait/top.htm) 『スターウォーズは多いですよね』 そうですね。 ●パワーハート! (http://webclub.kcom.ne.jp/mc/blackrx/index.html) 『なんといいますか』 どきどき。 ●快速化学 (http://www.kaisoku.com/) 『すごくおもしろい』 わーい。 ●オレニッキ再び。 (http://dboard.uic.to/user/narimiya/) 『確かに、インディペンデンス・ディ見てる時に スターフォックス思い出したよ、俺も弟もw ていうか、サクラ大戦の説明がヒデェwこういうゲームなの!?』 あれ? どんな紹介したっけ? と思って自分のサイトを見直す。 「スチームパンク風味の架空の大正時代を舞台に、6人の暗い過去を背負った少女たちのトラウマを隊長が解脱していく中間管理職ゲーム。」(『エイリアン』の項より) あ、そうです。こんなゲームでした。私はSS版しかやってないですけど。 ●MINE Yuka's Webpage (http://d.hatena.ne.jp/laylain/) 『ゲーム会社の企画会議では「いかにパクるか」というお話を延々としておるのですよ(いやマジで)』 なんかわかる気がします。 ●魚井研究室 あの5人の院生 (http://numata.aquasky.jp/uilab/diary/latest.cgi) 『今日は休憩時間の間中、ずーっとこのサイトを見てた。 新旧、アーケードからPC、メジャーなやつからどマイナーなやつまで網羅してるのはすごい。たいしたデータベースだ。 「エイリアン」「13日の金曜日」「2001年宇宙の旅」とかの影響力はすげーなー。 あと、このHPのライターのゲーム紹介が好きだ。』 今回一番ヨイショしてくれた方。こちらとしても「うちを見てこう思ってくれたらありがたい」という反応をしてくれています。ありがとうございます。 ただ、せっかくリンクしてもらっても、とりあえず仲間に報告、ということも多いのか ●extra (http://members.tripod.co.jp/hikikomorianiota/) 『それくらいいいじゃんって僕とかは思うものが多いですね。パクリが悪いって僕はあんまり思えないってのがあるんですが』 前書き読んでくれてないし。 ざっとコメント付きリンクサイトを書き連ねてみましたが、これらはすべてコンテンツのTOPにリンクされていたサイトです。表のカウンタが割と常識的な数字なのはその影響。 なおHP自体のTOPにわざわざリンクしてくれたサイトは2件。 ●仮藻録 (http://youkan.s31.xrea.com/d/) 『広範な知識に効果的な画像引用とかなりの労作。タイトルは微妙ですが嫌味の無い文章も好感が持てました。アニメネタと言うことで、「銀河任侠伝」や「麻雀刺客」みたいなパロディゲームが強烈に印象的。』 ここと「かーずSP」がコンテンツTOPと両方、でした。でも「かーずSP」でサイトのTOPのほうをクリックした人は直リンクを選んだ方の100分の1以下なので、やっぱり紹介したいコンテンツにすぐ行くのが親切ってことなんでしょう。しょうがないな、そりゃ。 で紹介のほうですが、やっぱりこのタイトル評判よくないなぁ。いつも突っ込まれます。でも変えないと思うけど。あと、やはり若い方が多いのか、面白がるのはアニメ系のもの中心になるんでしょうね。 逆にうちはアニメは手に余るので、「ナウシカ」とか「アキラ」とかはもう分離して更新停止しようかと思っているくらいでして、その辺の更新を期待されている人はごめんなさい。 んで最後に ●せかいのまんなか (http://webmania.jp/~keitsuda/) 9件のリンク ゲームにパクられた映画のおはなし Linked from かーずSP アテナ18歳 俺ニュース 万屋RIO’s appendix 中途半端な暇人の家 KR4 Temporary zhuravlik.net 兄弟船 こんなこと調べている方もいらっしゃるんですね。おつかれさまです。 しかしこうしてみると、すっかりうちのサイト名が「ゲーパク」みたいに見えます。 中には「あっ北斗の拳もやってるのか!」とか「北斗パク」のほうを発見して得した気分になってるお客さんもいるのでしょうか。 それとも「おじさん古いよ。映画もゲームも好きだけどわかんないよ」とか思ってる人が多数なのでしょうか。 以上、今朝の時点での現状報告でした。 最後に、こんなところまで読みに来てしまった奇特な新しいお客さんこんにちは。気が向いたら今後ともよろしくお願いします。 |
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仕事のやる気を根こそぎ奪い去りそうな査定結果から1週間経って、やっと上司との面談があった。これまでないほどの憤りを感じ悔しくて半泣きになるが、まあその辺はまた親しい人たちとの飲み会の席で大いに愚痴ることにしよう、などととおしりさんとチャットで話す。 気分転換はゲームに頼る。『マズルフラッシュ』は今晩も気付くと3時を過ぎていた。 ボイスチャットの面白いところは、文字チャットならまず話さないようなつぶやきに近い日常会話まで普通にできることである。 3人がかりで攻撃しても倒せないランボー張りの活躍をしている人がふと「来週はティナのクリアケースを学校に持っていこう」とか話していたり、どこに住んでいるのかも知らないがすっかり意気投合している仲間が「こんなに遅くまでプレイしちゃって、明日は"現場"から落ちないようにしなきゃ」とぼやくのを聞いたり、なんかそういう会話が普通につぶやける空気が面白く、この独特の生々しさは文字よりもボイスチャットのほうが体験しやすいんじゃないかと思う。 不特定多数の人が集まる上でのコミュニティとして最もナチュラルな部分をボイスチャットは拾ってくれる。 もちろん文字で会話することによる会話の説得力、文字の持つ重み、演劇的な会話の面白さなど、文字チャットには文字にしか無い良さもたくさんあるのだが、「友達と集まって楽しむ」という、子供の時からずっと続く人と人とのコミュニケーションの根源的な面白さは、やはりボイスチャットが優勢なのではないか。つまりゲームに合う。 もっとはっきりと言い直すと、子供の時は毎日近所の広場に友達皆で集まって陽が落ちるまで遊んでいたあの楽しさって、自分がガキだったから楽しかったんじゃなくて、今でも楽しいんだなあ、と思ったわけです。うん、『マズル』は楽しいよ。『メックアサルト』も楽しいといいけどなあ。 |
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「昼過ぎに出ましょう」 彼女は言った。 半年前に買った、井土ヶ谷の奥地にある知る人ぞ知る肉屋「こだわり屋」のコンビーフ。 予約しないと買えないコンビーフ。 注文から数ヶ月かかってやっと順番が廻ってきたコンビーフ。 そして今日はそれを取りに行くと肉屋に連絡した日。朝から窓を激しく雨が打ち付けていた。 私の知る限り日本で2番目に天気を操る人間・ヒロターズを持ってしても今日の台風の進路は変えられなかったようで、ともかく彼女が行くのだと言うのだから私も行くのだ。 スタンドも最後の力を振り絞ったか、台風は温帯低気圧になり、幸い暴風雨にはならず長い徒歩の道のりもそれほど悲惨な目には会わなかったが、ヒロターズの靴は今にもギュッギュッと音を出しそうなほどずぶ濡れであった。家を出てから往復2時間の小旅行の帰りは言葉少なで別れた。 夕刻からは家のプロジェクターで『バロン』を鑑賞。 好きな映画だが観るのは久しぶり。やはりこの二重構造は少し戸惑う。あと、ちょっと驚いたのはヴィーナス役で映画初出演だったユマ・サーマンのバストのトップが映っていたことである。映画館で初めて観たときは映ってなかった気がしたんだけどなあ(ビデオではトリミングの外だったと思う)。 かつてこの映画はユマ・サーマンの美女ぶりが印象に強かったのだが、30越えてから観ると、主人公のサラ・ポーリー(サリー)にむしろ癒される。いや確かにそういう気はあるけどさ、そうじゃなくって彼女に限らず『バンデットQ』のケヴィン少年然り、ギリアムの映画に登場する子供はいろんな意味で魅了されるのである。 そうそう、この映画観ている間にもこなさんから久しぶりにメール来ました。「3日間の入院で、今、病室…なのでした」 おーい! 何やってるんだよう! 混乱する心を癒すのは、やはりこだわり屋のコンビーフだった。 |