宮古日記2年目。ユッキえもんは今年も大活躍。

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10/1
 いよいよ明日から東京脱出である。
 長くもないが決して短くも無い5日間の逃亡生活の間、何も用事を残さないようにとここ数日頑張ってきた。しかし今日になって社員全員出席説明会と部内全員出席による説明会の2つが明日、明後日にスケジューリングされてしまった。だがそんなことはもはや後の祭りということだ。説明会ごときで俺を止めることはできん!
 最後にいよいよ帰る段になって、同じ部の仲間に一言挨拶。「明日からご迷惑をおかけします。日本国内にいますので電話は通じるはずですが、東京から多分最も離れたところだし、あと昼間は洋上にいますので連絡できません」 ……さあ! 宮古が私を待っている!

 これから数日間日記の更新が滞りますが、6日の帰宅までしばしお待ちください。

10/2・大長編ユッキえもん2 初日
 今日から4泊5日、社会人になってからかつてない長旅のはじまりである。
 昨年3泊4日の旅でダイビングライセンスを取得した私は(去年の日記参照)、丁度1年後ゆっきさんとおしりさんと共に再び沖縄県・宮古島へと降り立った。
 前回から1日多い有休申請に上司の顔は最後まで曇ったままだったが、こうして無事に当日を迎えることができた。

 空港で会ったゆっきさんの顔色は決してよいものではなかった。昨晩は深夜1時まで接待飲みの後、3時まで旅の身支度、そして1時間の睡眠の後4時に家を出たとのこと。この1年で仕事量もかなり"出世"してしまっている様子だ。飛行機の窓を溺愛するかのように顔を張り付けて爆睡してるのを横目におしりさんと会話。
 また昨年みたいに顔文字日記書いてくださいね、と去年大笑いさせてもらったおしりさんの投稿をあらかじめリクエストしてみたところ、「男3人の日記なんて書いても面白くありませんよー」と言われる……そうなのだ。昨年、共に海水をすこぶる飲みながらもダイビングライセンスを取得した仲間、ヒロターズと8spotsが今回は不参加なのであった。色気の無いことこの上ない。

 ゆっきさんが操る天気を操るスタンド・ウェザーリポートの威力は昨年存分に発揮されたが、彼の体調を現すかのように昼頃到着した宮古空港は土砂降りの雨であった。天性の晴れ女・ヒロターズの不在が大きいのか、はたまたグアムに観測史上最大の台風をもたらしてしまって以来ゆっきさんの大いなる力も不調なのだろうか。昨年の、雲をねじ伏せたかのような快晴が懐かしい。
 ともかく今年もお世話になる海塾ダイビングサービスの車でまずは店へと向かった。
 先月宮古島で猛威を奮った台風14号のため、新居に引っ越したはずの海塾の建物は「三匹のこぶた」の"わらの家"のように跡形も無く吹き飛んでしまっていた。現在は釣り道具屋の裏にある用務員室のような畳部屋での仮住まいであった。昨年お世話になったクミ先生が「ようこそ、和の海塾へ」とおどけてみせる。別にショップで泳ぐわけではないので問題なしだ。
 昼も過ぎたころ、我々はすでにボートで沖縄の海にいた。雨はもう降っていない。ゆっきさんのスタンドが土砂降りを晴れにしてしまった。大いなる力は未だ健在であった。
 ダイビングポイントに到着するとおしりさんとゆっきさんの2人はてきぱきとダイビングの準備を整え、海へと飛び込んでいった。私は1年ぶり2回目のダイビングなので機材のチェックもおぼつかない状態だが、それを知っているはずのスタッフの人は「はい、では行ってください」と一声かけると私にバックロール(ボートの縁からタンクの自重で海中へ転がり落ちる進入方法)でのエントリーをセッティングしていた。「ええい、ままよ!」と言われるままに海へと落ちる私。ごぼごぼごぼ……、運動不足が祟ってかいきなり背中を攣った。でも大丈夫。ボクの心臓まだ動いてる。どうやら覚えたことは忘れていなかった。
 さて、雨上がりの宮古の海だが、別に寒いということもなく相変わらず最高だ。透視度はすこぶる高く、色とりどりの魚が泳ぎ、当たり前のようにサンゴが彩る海は何十分見続けていても飽きることが無い。そんな中ゆっきさんはパワーアップした20万ほどの大きなデジカメで海の写真を取り捲っていた。あっという間の2本のダイブ(下地島の三千年&ハチの巣横ドロップ)を経て日が暮れる。

ラブリー・スパーム♪
おまけ・コンビニで買って船で食べた今日の昼食。こっちで買えないおにぎりです。

 陸に戻って向かった今回の宿泊先は、前回泊まったホテルの目と鼻の先のビルだった。アメリカのモーテルをも思わせる「ペンション・スター」は3人とも個室部屋になっている。
 早速備え付けのシャワーを浴びていると備え付けの電話が鳴った。慌てて出るとモーテルの管理人からで、今いる部屋は実はエアコンが壊れていて水漏れするので替わってほしいとのこと。そんなことはシャワー浴びる前に言ってくれ。慌てて広げた荷物を片付ける。落ち着かないモーテルである。
 日が暮れてから宮古旅行第二部であるお食事へ。6時に集まるなりおしりさんが言った。「宮古ではTシャツに半ズボンですよ」
 「絶対ラクだから、着がえたほうがいい」「ほらここで売ってますよ。800円均一だそうですよ」と、おしりさんに言われるまま商店街の洋品店で半ズボンを買う。これで半ズボン3人組となった。そのまま新しくできた居酒屋・郷家で初日の食事。まだ6時半にもなっていないので店内はガラガラ。店の中央に陣取って3人で1年ぶりの宮古の料理を堪能する。ここの料理は魚はもちろん肉も野菜も本当に美味く、そして安い。3人で界王拳3倍の勢いで食べまくる。中でも初めて食べたニンジンシリシリーが絶品。刻んだ人参と卵をかつおだしで炒めただけの料理で、沖縄では店に出すまでもないようなごく普通の家庭料理なのだという。確かに見るからに単純なのだが人参の甘味と風味が絶品で感動的ですらある。「沖縄の家ではこんなものが毎日食えるのか!」と大騒ぎ。
 入店から注文しまくり食べまくりで1時間を待たず7時過ぎにはもう満腹。まだモーテルを出て1時間しか経ってない。
 食後に行くところは恒例、おみやげと雑貨と酒を一緒に売っている謎の店「ユニークショップ・はまもと」。昨年同様男3人アイスクリーム食べながら帰宅。夜8時過ぎには全員就寝。子供かい。でも3人とも何の違和感も無くぐっすりと眠った。

10/3・2日目 やだよの西里大通り大冒険

今朝の宮古

 ほぼ12時間ほどの睡眠をとってから今日もボートで2本潜る(魔王の宮殿ミニ通り池)。今日は関西から来たらしい女性3人組も来ていたが、何度か会話はしたものの特にこれといった交流もなし。ともかくゆっきさんのおかげでよく晴れた一日だった。
 昨年からおしりさんの素潜りには目を見張るものがあったが、今日はついに17.5mを達成。既に素潜りで泳ぐ水深ではない。おしりさんにカメラを渡し、水面下の私の写真を撮ってもらった。

たゆたいたーい
年に一度の大公開。管理人近影。

 モーテルでシャワーを浴びていると昨日に引き続きまたしても電話が鳴った。今日は携帯。バスタオルを被って慌てて取ると東京のA山さんからの仕事の電話だった。モーテルが鉄筋なので電波がいまいちなので声が聞こえるようにと窓際に移ると、自分が素っ裸であることを思い出した。バスタオルで股間を隠しながら6階の窓辺で20分ほど過ごす。

 その後もまだ食事に行くには早い時間だったので1人商店街を散歩してみた。古いおもちゃ屋に行ってみるとメガドラやPCエンジンHuカードのソフトが並んで私の心を癒す。店の片隅にあったLEDゲームに目が止まったところで、とりあえず食事の時間になったためその場を去る。
 今日の夕飯は「中山」。この店で去年は8spotsが寝ながらご飯食べてたねえ、おしりさんたち泡盛で酔い潰れてたねえ、とかなつかし話。「来る前にモーテルの1階でハンバーガーとルートビアを食べてきてしまったので食欲がいまいちなんです」というおしりさんは、ゆっきさんの「そんなもの食うから食欲無くなるんだよ!」というツッコミに「でもルートビアは皆不味いって言いますけど十分飲めるシロモノですよ」などと反論していたが、ともかくそれでも私より食欲はあった。
 ゆっきさんにさっきのおもちゃ屋のことを話すと興味津々だったので食後「はまもと」でソフトクリームを食べにいく途中寄ってみた。
 任天堂製のゲーム&ウォッチのようなメジャーなものは無いものの、1つ1000円〜2000円というのでどれか買うことにした。ゆっきさんが手に取ったのはエポックの「パクパクモンスター」と同型の本体が懐かしい「オイルギャング」(1000円)だった。確かにこれならヤフオクでも高くで売れそう。流石お目が高い。私は迷路探索ゲーム「ウルトラマン倶楽部 たおせ!怪獣帝国」を2000円で購入。ちと高かった気もするが酒を飲んだ後なので気にならなかった。

\4800の値札が

 その後、モーテルの近くのダイビングショップにゆっきさんが立ち寄ったので一緒に入ると店の人が私の姿を見て驚く。どうやら手に持っている、中山で残った泡盛の一升瓶を掴んでいるのが珍しいらしい。いやこれは宮古に来た人はよくやる光景なんですよ(去年の日記参照)、と弁解しようとしたら、今度はその前に店内にいたアベックの女性のほうから声をかけられる。
 「今日ご一緒に潜りましたよね?」と言われて初めてその子が一緒にボートに乗っていた女性だったと初めて気付いた。
 泡盛をしこたま飲んできたばかりのおしりさんが「ああ、すみません。日中はお化粧されていなかったので気付きませんでした」と返答したが、相手が大阪出身の子だったのでボケとして通用してもらえたようだ。彼氏がごっつい人だったので危なかった。

10/4・3日目 やだよと食神兵団
 朝やってくるなり海塾のマユさんに「昨日、一升瓶持っておもちゃ屋入っていったでしょー!」と一言。そんなに目立ってましたか。旅の恥はかきすて、とはよく言ったものだ。
 今日一緒に船に乗った関西人のおねーさんは水中も一緒に過ごしたのだがとても面白い人だった。旅行をするために仕事をして、お金が貯まったら会社を辞めて数ヶ月間の旅に出るのだそうだ。今回は自転車ひとつ持って沖縄の島々を回り、自炊しながら各地の海に潜っているのだという。
 宮古の海は初めてだそうだが、ダイビングは海外で慣らしたベテランの様子。宮古は気に入ったのでもう数週間いようかなあ、と言っていた。5日の長期旅行をしている私らも霞む気楽さに憧れた。
 朝から曇って風も強く、ヒロターズがダウンしたあの日の海より船は揺れていたが、海の中は嘘みたいに抜けていた。透視度は35mくらいあっただろうか。マユさんらまでびっくりしていた。
 「視界がいいのでつい深くまで潜っちゃうんですよね」というおしりさんは素潜り自己新17.8mを達成。来年にはきっと20mまで達しているに違いない。

グレートブルー

 船が揺れすぎるため、2本のダイビングを急いでこなし(中の島ホールハチの巣ホール)、陸へ戻るとゆっきさんが「お腹が空いたので蕎麦を食べに行こう」という。私は普通にソーキそばを食べたが、ゆっきさんとおしりさんは大盛りの蕎麦に加えて4人前の山盛りの天ぷらを2人で召し上がっていた。
 ちなみに途中に寄った土産物屋で新品の旧型ファミコンとディスクシステム(!)を発見するも定価の半額なのでパス(新品でもベルト死んでるんだろうなあ)。
 ホテルに戻って今日こそ誰の邪魔も入らずにシャワーを浴びることができた。その後疲労で飯の時間まで寝る。

 夢の中で私はなぜかサンハトヤにあるようなプールサイドにいた。今は殺人事件ドラマのクライマックスで、私は冷めた表情でなぜか"のなーん"さんのアリバイを崩し、事件を解決しているところだった。舞台から去っていくのなーんさんを悲しい眼差しで見つめると、そこへ海塾のマユさんが笑顔で現れた。ダイビングの料金を彼の分も一緒に払ってくださいと言う。「20万円になります」と言われ恐怖のあまり目が覚めた。そういや私は一体ダイビング料金いくら払うんだっけ。潜水代が2本で11000円、あとレンタル器具もあって……あんまりよく聞かずに既に6本泳いでいる私。

 大浴場に入って目を覚ますと食事時間に。今日は関西からやってきたsakaiさん&ミッキー小川さんと合流する日だった。彼女たちはゆっきさんのお友達で、私と同様ダイビング初心者なのである。今日の午後に沖縄へ到着しビーチダイビングをしてきたところで、明日は一緒の船で潜れるそうだ。
 今夜はさらに、ゆっきさんが行きの飛行機で偶然出会った(旅先で偶然友達に会うなんてアニメのサザエさんみたいなシチュエーションだね)友達2人を加えた7人の大所帯で漁師の居酒屋「海王丸」へ。
 ここの豪快な量の魚料理はまた格別。ゆっきさんとおしりさんは「しまった、昼飯食べ過ぎたよ!」といいながら残りの5人よりも食欲は旺盛であった。
 「はまもと」で土産物を買ってアイスを食べながら解散。

10/5・4日目 やだよと海底大脱出
 ダイビング最終日。昨日のsakaiさん、ミッキー小川さんらが合流したので今日は僕らだけで2チームになるという。初心者である私はてっきり女性陣と一緒かと思ったら、これまで通りゆっきさんたちについて行って構わないらしい。「ハーレムでもいいですよ?」と言われたが、上級者のダイビングスポットに私が行ける機会なんて早々無いだろう。これまで通り上級者2人組について行くことにした。
 今日は天気も曇り気味、視界も普通だったが最後なのでいつもより多い3本潜って満足(中の島チャネル・団子岩・8ポールアーチ&ツインケーブ)。耳抜き(鼓膜の気圧調整)が上手く出来ない私は3本目には左の鼓膜がかなりヒリヒリ。
 昨日食べ損なった昼飯のおにぎり(例のポーク&玉子)を持ってきたのだが、「昨日のご飯は危ないから食べない方がいいですよ」とおしりさんが経験談として話すので(去年のおしりさん日記参照)、BCジャケットのポケットに入れ水中で開封。食い意地の張った魚がうようよ寄ってきて面白い。
 後はボートの一番上によじ登ってから飛び込んだり、おしりさんの引田天功ばりの海底脱出マジック(深度10mくらいのところにあるクレバスまで潜って身を隠し、別の裂け目から登場するという大技)をゆっきさんのカメラで動画撮影したり。最後の海をとことん楽しむ。

クレバスに潜入しているところ
深度10mの大マジック! 皆が固唾を飲んで見守った(ちなみに写真中央下におしりさんがいます)

 「きつい!」とボヤきながらもダイビングを1本終えるたびにウェットスーツをまめに脱いで、Tシャツ1枚でシュノーケリングに興じていたゆっきさんは今日も「帰ったらウェットを新調しよう」と呟いていた。それを一緒にきていたクミ先生が耳にして「じゃあそのスーツ私にちょうだい」と言ってきた。「ああ、構わないですよ!」と返事したゆっきさんの横で私とおしりさんが「ってことはもうダイエットは諦めたんですねえ。ひそひそ」と呟く。ゆっきさんは「5mmのスーツは厚手だからもう着ないんだ! 動きやすい2mmがいいんだよ!」と弁解していたが我々には聞こえない聞こえない。

 陸に上がってから最後、4日分のダイビング料金を支払ったけど、昨日夢で想像した額よりは安かった。
 海塾の人にたくさんのお礼を言って別れ、5人で再び郷家で夕食。昨日の暴食が原因か? 食欲が人並になってしまったおしりさんをよそにゆっきさんは今日も素晴らしい食いっぷりだった。

10/6・5日目 やだよの細腕三畳紀
 久しぶりに会社に出社したら自分の席が無く、上司に「もう来なくていいよ」と言われたところで目が覚めた。昨年と同様、朝市でサーターアンダーギー(砂糖ドーナツ)を買いに行くと雨が降ってきた。南国なので天気の変わりが早くすぐに土砂降りに。ダイビングが終わった日からこの天気とはと外を眺めながらおしりさんと話す。で、ゆっきさんが起きてくると土砂降りの雨はどんどん弱まっていった。
 空港までタクシーで移動しながら運転手のおじさんと会話。私たちの泊まっていたペンションの隣りは以前映画館だったそうだ。だから「ペンション・スター」だったのか。なお、かつて6館あった映画館は今では1軒も無いそうだ。でもテレビでは『SWAT』のCMとかやってるのが気の毒。でも運ちゃんは「今はDVDも大画面テレビもあるからいらないよー」と言っていたけど。

 小型旅客機で40分ほど揺られて本島に到着。私は初めての本島上陸である。こちらは雨は降ってない。すぐにゆっきさん運転のレンタカーで「沖縄美ら海水族館」へ向かうため、高速を140km/hで爆走。おしりさんが呟いた。「ゆっきさんてハンドル握っても性格変わらないよね」
 島を一気に北上し1時間半ほどで水族館に到着した。ゆっきさんは既に春に来ていたそうだがおしりさんと私は初めて。ここの名物、ジンベイザメ3匹とマンタ十数匹が舞う超・巨大水槽は本当に圧倒された。私がデジカメで水族館の魚の写真や動画を撮っていると2人から「撮るならここじゃなくて海で撮りなさい」とツッコミを受ける。

動画ファイル付きです
クリックで動画。雰囲気だけでも味わってください

 「もし一人で来ていたら私はここで3時間ぐらい立っていると思います」というおしりさんに私も同意。あのゆっきさんでさえ(失礼)、ここでは静かに水槽をじっと眺めている。
 お土産品売場でTシャツをしこたま買い込む。私がコブシメのTシャツを手に「これは8spotsへのお土産にします」と喜んでいるとおしりさんが「ホントにそれでいいんですか?」「はちすぽさんってそういうのがお好きなんですか」とマジツッコミしてくれた(なお自分用にはハブクラゲのTシャツを買ったが後でかなり羨ましがられました)。

コブシメはイカですよー メタル系のハブクラゲTシャツ。ちなみにバックプリント
美ら海水族館のおみやげはセンス抜群。ただしジンベイザメの甚平は無い。なぜ?

 2時間ほどの滞在の後、すぐにまた車を爆走させて来た道を戻り、国際通りへ到着すると公設市場へと到着する。
 実のところ私は沖縄に関する知識はほとんど無い。どのくらい知らないかというと米軍基地と対馬丸と仲間由紀恵と火炎放射器とCocco、あとは寅さんとキングシーサー。でもそんな私も中に入ってここがどこなのか、どうして2人がここへ飛び込んだかわかった。ここはつまり、魚屋のラジオ会館だった。広い建物全部が魚屋だらけ。そこを構わず突き進むゆっきさんの目が今まで以上に輝いている。そのゆっきさんがとある魚屋で選んだのが……セミエビくんでした。そしておしりさんが伊勢エビの中から「これも!」と言って指差したのはゾウリエビくんです。超かわいいんですけど!
 で、何でもこの牧志公設市場では、1階で買った魚を2階の店で調理してくれるというところが評判なのだという。
 おしりさんが「やだよさん、顔青ざめてますけど大丈夫ですか?」と言われて初めて自分がフリーズしていることに気付いた。食べ物の好き嫌い以前にこういう"鮮度の極めて高い"シチュエーションに弱い私であった。
 2階へ続くエスカレーターを駆け上るゆっきさんに何とかついて行き、その一角の店に飛び込む。早速料理を頼んだゆっきさんだが「あーしまった! ミーバイも食いたい!」と言って新たな魚を頼むため、すぐにまた1階に消えていった。「こんな観光地で、店にしてみれば典型的なオノボリ客なんだろうけどさ、それで結構! 美味いんだもの!」と自虐的に叫んでしまうほどここはゆっきさんにとってパラダイスなのであった。
 それから間もなくエビさんは刺身と味噌汁になってやってきた。「美味い! これに比べたら伊勢エビなんて雑魚だよな雑魚」、「醤油なんかつけなくても十分味がありますよ」と言いながら、2匹で約1万円を上回るそのエビをむさぼり食う。残念ながら食欲以上に度胸のない私はエビには手をつけず、横でソーメンチャンプルーをつついた(あ、でも味噌汁とミーバイはおいしゅうございました)。

究極のメニュー

 その後は空港へ駆け込み、2時間ほどの飛行機の旅。帰りの飛行機でおしりさんに再度日記の執筆をお願いする。おしりさんは「去年はドリフターズの三国志みたいなものでボケとツッコミのバランスが絶妙だったんですよね」と言っていた。おしりさんそれ西遊記ですよ。「ゆっきさんはツッコミ役なのでいかりや長介、私は加藤茶、やだよさんと8spotsさんには悪いですが仲本工事と高木ブーをどっちかやってください。」「では志村けんは……」ともかく今年も書いてもらえることになった。
 こうして我々の天国での5日間は幕を閉じた。今回も「大長編ドラえもん」のドラちゃん以上の活躍をしてくれたゆっきさん、本当にありがとうございました。そしてまた次回もよろしくお願いします!

番外編・おしりさんの「宮古島日記2」

(これは昨年に引き続き、おしりさんが当サイトのBBSに書いてくれた日記の転載です。快諾してくれたおしりさんありがとうございました。なお日記に転載する際に文字化けしてしまう関係で半角カナを全角にしていますのでご了承ください)


10/2朝(飛行機内)
( =゜Д゜=)<久しぶりの宮古だよ、海王丸、中山、ぼうちゃ、それから南楽のソーメンチャンプルも食わねば。
( -_-)<早速晩の飲みの話ですか。
( =゜Д゜=)<それから牧志でセミエビとあの甘酢あんかけも絶対食べる。
( -_-)<つばめの梅干を使ったやつですね、あれば絶品でした。
( ゜ e ゜)<…そうか、2回目のダイビングではなく第1部に続いて第2部なんですね。
( -_-)<?
( ゜ e ゜)<ダイビングだけではなく宮古の食べ物を食べる事も含めての旅行という事ですよ。
( -_-)<そうですよ、リゾートなんですから。


10/3昼(ダイビング中)
( =゜Д゜=)<ウェットがきつい。
( ゜ e ゜)<私が初めてゆっきさんに合った時は凄い痩せていた印象があるんですけど。
( =゜Д゜=)<あれから8kgぐらい太った。
( -_-)<もっとじゃないですか。
( -_-)<お腹さわってもいいですか・・・おお、ソフティ。
( =゜Д゜=)<ウェット広げようかな・・・
( -_-)<痩せるという選択肢はないんですね。


10/4
( =゜Д゜=)<船の上で全然食べなかったから腹が減った。
( -_-)<沖縄そばが食べたいので古謝本店に行きましょう。
( =゜Д゜=)<そばと天ぷら、誰か他に天ぷら食べたい人いる?
( -_-)<天ぷら(大)の方にしましょう。
( ゜ e ゜)<すごい、野菜肉そば、ドンブリに山盛りですよ。
( ゜ e ゜)<キターッ天ぷらも多い。
( -_-)<こちらは天ぷらそばとか天ぷらで下が見えないくらいの量がくるんだった。

( ゜ e ゜)<さすがにPM3:00にあれだけの量を食べるとゆっきさんもおしりさんも食べないですね。
( =゜Д゜=)<まだお腹いっぱいなんだよ。
( -_-)<3人の時と同じ量を頼んでいるのに私とゆっきさんが食べないだけで7人分持つという事は・・・
( =゜Д゜=)<そこから先は聞きたくない。


10/5(宮古最終日)
( =゜Д゜=)<じゃあ最後の日だから派手に食べますか!
( -_-)b<毎日派手に食べてますよ。
( =゜Д゜=)<予想どうりのリアクションどうもありがとう。

( ゜ e ゜)<おしりさん今日はあまり食べませんね。
( -_-)<どうも少し船酔いしたみたいであんまり食欲がでないのです。
( ⊃Д゜=)<そんなのおしりさんじゃないや

( ゜ e ゜)<今日もお腹いっぱい食べましたね。
( =゜Д゜=)<・・・・・・・・・。
( =゜Д゜=)<俺だけこれから南楽に行ってソーメンチャンプル食べてきていい?
( -_-)<駄目な人だ・・・


10/6
( -_-)<最終日は美ら海水族館ですね。
( ゜ e ゜)<すみません是非いきたかったんです。
( =゜Д゜=)<行きが1時間半で向こうで2時間見て帰りが1時間半だから、PM5:00には帰ってきて牧志で飯が食えるな。
( -_-)<(食わないという選択肢はないんだ)

( -_-)<高速も抜けたし大分水族館に近づいてきました。
( =゜Д゜=)<腹が減ってきた。
( -_-)<どうせなら本部の沖縄そば屋で食べましょう。
( =゜Д゜=)<ああ、あそこか・・・沖縄そばなんて何処で食べても同じじゃない・・・どっかその辺の店に止めて適当に食うか・・・何っ今の店はえびそばって、もう通り過ぎちゃったけど・・・ステーキ!ステーキがあるのか、ここにするか・・・
(;-_-)<確かこの先に以前入った事がある店があるからそこにしましょう。
     (お腹が減ってくるとみさかいがなくなるな)

( =゜Д゜=)<よし食ったし行くか
( -_-)<もうすぐそばです。
( =゜Д゜=)<あ、沖縄そばの店あそこだ、こんなに傍だったんだ。キーーーッ!!
( -_-)<本当だ、でも食べるなら帰りにしましょう。
     (そば屋を見つけたぐらいで急ブレーキを踏まないで)


10/6(帰りの飛行機)
( ゜ e ゜)<もう後は帰るだけですね。
( =゜Д゜=)<あのさあ、俺だけこのまま南の島の方の飛行機に乗り換えるから誰にも連絡しないでおいてくれるかな。
( -_-)<…この帰りの飛行機に乗った時に感じる喪失感は覚えています。
( =゜Д゜=)<喪失感、そうだね。
( -_-)<夢の島から帰る感じです。 ( ゜ e ゜)<物悲しいですけどもしかして今回のシメはこれですか。
( -_-)<そうです、第2部ネタは最初に使っちゃったし。


10/6番外日記
 自宅に帰ってきたのは23時。去年は一緒に参加したけど今年はなぜか私の家で留守番してくれていた8spotsが出迎えてくれた。私のいない間に家の各所に残された彼女の荷物は結構片付いている。弾薬箱を模した『鉄騎』の箱が冷蔵庫の上にあったりと斬新なレイアウト変更にも若干の驚き。おみやげをひろげてからはSPAM,SPAM,SPAMと150通以上届いていたメール(うち9割がスパムメール)の中にジオシティーズメアド廃止のお知らせを発見。無料サービスはある日突然届くから恐い。愛用の「yadayo@geocities.co.jp」メアドも今月一杯でお別れとなった。
 MSNメッセンジャーを繋ぐと久しぶりの仲間たちからおかえりの声、そして直後に「ゴーストリコンやるよー」の声。おいおい俺、休み無しかい。でも私がホストになってチェックしたいことがあるらしい。仕方なく『MYST III・エグザイル』をプロジェクターでプレイ中の8spotsにどいてもらい、リコンを繋げると、KENの声が聞こえず、替わりに任天堂の「ブロック崩し」をプレイしている時のようなRF接続によく聞くノイズだけが聞こえてくる。何でも私が旅行に出かけた直後の金曜からこんななのだという。
 でもこれ回線速度と関係ないじゃんと思って「マイク壊れてるんじゃないの? 別売りのボイスコミュニケーターか『N.U.D.E.』買いなさい」と伝えると、暫くしてKENの声が元に戻った。どしたの?
「マイク壊れてるっていうからぶんなげたら直った」
 ……まあ結果オーライ。
 その他、リアル・ジャーミー君に脅されるヒロターズの近況とか、KENと不愉快なメールの話とかして寝たのは2時。既に昔通りの生活に戻ってる……。

10/7
 夢のような日々を終え6日ぶりに会社に来ると、世の中が一新していた。
 私が所属していた部署の名前が倍ぐらい長い名前に変更されていて、そして勤務体系も突如変わっていた。BCっていったら昨日までなら周りの誰に聞いたってBuoyancy Controller、つまり浮力制御器のことだったが、ここではBusiness Communicationのことらしい。ともかくコアタイムが無くなっていたけど、コアタイムだった時間外に出勤するには報告が必要なんだそうだ。ややこしいね。で、この「BC外」って素潜りのことですか? とか聞いたら南国ボケとか言われそうなので心の中に留めておいて(どうやら遅刻みたいなもののことらしい)、この新世界での時間をぼんやりと過ごした。
 さて、早寝早起きよく運動し、バランスの採れた食生活を送った生活がもたらしたものは、健康的な体であった。心なしかいつもより伸びた背筋で歩くのは少し気分が良い。
 ただしそれも陽が暮れるまでの間のこと。通常の残業時間となると、もう体が「眠い眠い」と休息を要求してくるのである。
 明らかに眠そうな顔で帰宅し、『キングゲイナー』を観ながら夕飯、そして『ゴーストリコン』。寝ろよ、と自分で突っ込みたくなる。ランダムチームでやるとボイスコミュニケーションがほとんど無いのね……。

10/8
 代々木で歌姫を見届けてから直帰。
 京急でやってる何でも1000円現像サービス「駅プリ」で旅行の写真ができてきたので引き取ってくる(以前は朝出せば当日中にできてきたのに、あまり利用客が無かったのか夕方回収夕方引取りの1日仕事へとサービス悪化していた。でもAPSのワイド写真で40枚とか撮ってるなら現像料はお得)。8spotsから借りた水深10mまで使える防水防圧カメラで撮った写真は、当たり前ではあるがほとんど真っ青。ダイビングや素潜りを楽しむ皆の姿が写っている。中でもおしりさんが撮影してくれた、水深10mから見た水面にたゆたう私の写真が面白い。
 留守番役の8spotsを見送ってから今日も『ゴーストリコン』。

10/9
 宮古土産を渡しにヒロターズのところへ自転車を走らせる。夕飯前に秋風が冷たい。
 私たちが宮古に出かけたタイミング、丁度一週間前からずっと風邪を患っている彼女はやっと快方に向かっているらしい。「引っ越し以降忙しくて体力が戻らなくて。旅行入れなくて正解でした」などと彼女がのたまうので、遠慮なく宮古のダイビングが楽しかった話と食事がそれはそれは美味しかった話をし続けて、存分に彼女を羨ましがらせる。だから次回があれば貴方も今度こそ参加するのですよー、という暗示になればいいが。
 食事の帰り、ハーゲンダッツのプリン味がレアなのだとヒロターズがいうので探してみるとすぐに見つかった。早速食べてみたが確かにプリンでアイスクリームな味。ゲテモノっぽくもあり上品でもある複雑な姿はこれはこれで大変美味しゅうございました。久しぶりに食べたけど日本のハーゲンダッツは美味いよなあ。なお、今もそうだか知らないがハーゲンダッツのラージサイズは中身がMade in USAなのでスモールカップと味が違う。注意だ。

10/10
 仕事というものはすこぶる単純にしておきたいのに、気が付くと複雑に糸が絡んでたりしてなんて一筋縄ではいかないのだろうと思う。並行していくつかのことをやってる今みたいな状況だとなおさらだ。敷いたレールの上に乗ったままスムーズに行くとは思ってないが、なんでこんなにこんがらがっちゃうのかなあ、と呆れる。
ニューヨーク出張に行ってた仲間たちが帰ってきて、おみやげに星条旗の柄入りのボールペンを貰った。個人宛におみやげを買うときも貰うときも、その人が喜ぶものをと考えると思うのだが、他人がどう思っているのかとか他人の面白いと思うものの価値観とかがわかることもある。ちなみにこのボールペンも「ノック式のはこれしかなかったんです」というので、どうやら私のために考えてくれたうえでのものらしい。彼は私の何を思って星条旗のボールペンを選んだのか、考えてみるとちょっと面白くなる。
 今日はリコンもお休みして貯まっている宮古日記をまとめて書き上げた。今回は野郎3人でバカンスするだけという実にプライベートな普通の日記になってるが、昨年の日記を私が自分で読み直すといろいろ記憶が蘇ってきて面白かったので今年もそういうのを目指してます。
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