環太平洋機構に所属、毎日前線で戦い愛機を失うロートル兵による11月下旬の日記。

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11/21・夜歩く
「もう、ひとりで帰ろうかと思いましたよ!」
 私が席に戻るのが遅くなったことを詫びるなり、ヒロターズはそう言い捨てた。私は唾を飲み込んだ。
 大変だ、とにかく大変なことになった。どうしよう、どうしよう。どうしたらいいのだろう。
 私という男は常識人で、女性に優しく、人の心をきずつける者を憎む男だが、実際はいたって気の小さな臆病者なのである。
「とにかくこんな店、はやく出ましょう」
 私とヒロターズは寿司屋にいた。支払いを済ませる間も彼女は怒りを露わにしている。そして店を出るなり言った。
「とにかく腹が立ちました。何しろ正気の沙汰とは思えない。狂ってますよ、まったく。……なに、最初からひどい店でした。しかし最後のことは、ひどいだなんてすましていられない何かがあります。とにかく私は腹が立つんです。むきー!」
 彼女の怒りの矛先は、席を立ったまま戻ってこなかった私よりも、むしろ店のほうに向いていた。卑怯な私はそこで少しだけ安堵した。

 さて、ここで一言読者諸君に申し上げておくが、私がこれからお話ししようとするのは実に凄惨を極めた事件なのである。まったくそれこそ悪夢にみちた、呪いさえ感じられるくらいである。

 今日のヒロターズはまさに呪われていたというべきだろう。病欠の同僚の仕事を抱えながら、その病欠の男に犬畜生のように言われ、一方で仕事をしない部下のことで責任を問われていたのだ。
 そんな彼女が夕刻、たまには豪勢に“回らない寿司”というものを食べに行きたいと呟いた。彼女にはそのくらいの気晴らしが必要だろうと私も思った。
 そのとき私は仕事の重要な案件の電話を待ち続けていたのだが、一向に電話がかかってこないので痺れを切らせて諦めて帰ることにした。これから家で夕食を作るのはおっくうなこともあり、彼女がまだ寿司を諦めてないことを確認して食事に付き合うことを伝えた。

 彼女の家の最寄の駅ビルの中にその寿司屋はあった。サラリーマンで賑わう店内で少し窮屈なカウンターにつく。
「わーい! 寿司だー!」
 彼女はころころと笑い出した。よほど食べたかったのだろう、注文したネタが届くといつものように素手で掴むと、嬉しそうに口へ放り込んだ。彼女は父から江戸前の食べ方を学んでいた。私も箸を置き手を使うことにする。入ってから暫くの間、我々には平和な時間が続いた。そして、事件は起きた。
「私の頼んだものはいつ握っていただけるんでしょう」
 ヒロターズが頼んだ大トロの注文を忘れたまま、板前が次にやってきた他の客の寿司を握り続けていたのである。寿司というのはこれがどうして、テンポよく口に運んでこそのうま味というものがある。
「入ったときに、メニューなんて見なくていいんですよ、なんて生意気なことを言ったことを聞かれて、板前さんの気分を害してしまったのかしら」
 彼女はそう言って、やっときた大トロを口に運んだ。
 後になって思えば、一番最初に頼んだ握りも1皿分しか頼まなかったのに2皿来たのだ。
「1つしか頼んでないのに」
 という彼女の言葉を板前が
「うちは2貫で1皿ですから」
 と素人に対するような弁解をしてきたことも彼女の気分を害していたのだろう。また、大トロとほぼ同時に頼んでいた、決して手間がかかるとは思えない“お新香の盛り合わせ”が一向に来なかったことも同様であった。
 私は彼女の気持ちを察し、楽しい話題をふって気分を変えようと思っていたのだが、そこで私の携帯電話が鳴った。それは私が会社で3時間待ち続けた電話の相手からであった。
 見るとアンテナが1本しか立っていない。思わず私は彼女に声もかけずに店を飛び出してしまったのだった。あれがいけなかった。
 アンテナが不安定なまま会話が続き、会話は予想以上に長引く。5分で済むつもりの電話が、彼女に合図や声をかけぬまま20分ほどの電話が続いてしまったのだ。
 やっと交渉を終え戻ってきて、彼女から聞いたのが冒頭の言葉なのである。

「まず」
 彼女は店の前のエレベーターを待ちながら言った。
「あの大トロはワサビがべったりと付いていました。『美味しんぼ』のワサビ寿司かと言わんばかりに! 私は海原雄山か」
 確かにあのネタからはワサビがこぼれるように盛ってあるのが見えた。彼女はエレベーターから飛び出すと一目散へ家へと歩いた。遅れないように続く。
「それから。ラストオーダー近く、板前がカキを食べないかと店内の客に声をかけていたのですよ。私が声をあげたところ、板前の側にいた女性客も食べると言いだしたんです。そしたらその板前、私をほうを向いて『あなたも食べたいというのかい? でもこの人で終わりです。あなたの分はありません。残念でした』などと言い放ちました」
 私はゾッとした。無知というのは恐ろしい。彼女にそんなことができるなんて、まさに無知のなせる業である。
「それからは、オーダーストップしたというのになんでまだいるんだ? という目で睨んできて、私だって帰りたいのにやだよさんは戻ってこないし。ああ何て腹立たしいのかしら」
 と言うと、彼女は道端のポールを蹴り飛ばした。
 私は恐ろしさがこみあげて来た。体中が一瞬ゆだったように熱くなったかと思うと、つぎの瞬間、氷のように冷えきっていくのをおぼえた。
 ヒロターズという人は、たいへん熱っこい性質で、何かに打ちこむとわきめもふらない。そしてそういう時は万事が攻撃的になる。ぐんぐん自分の考えたままの言葉を押して来る。気の弱い私は、いつも押しまくられてしまう。そしてあとでもう少し気の利いたことでも言えたのではないかと後悔したりするのだが、つぎの機会には、やっぱり押しまくられてしまうのである。
 彼女は言葉を続けた。
「ああ、忘れるものか。ちゃんと板前の名前は覚えてきたぞ。見ているがいい」

 その時である。目の前の道を歩いていた老人が崩れるように倒れこんだ。
 酔っ払いだと私が認識するよりも早く、ヒロターズが飛び出していって老人の前に座り彼の肩を叩いた。
「だいじょうぶですか? 平気ですか?」
 たった先刻まであれほど他人への憎悪を露わにしていた人が、今は見ず知らずの男へ優しく声をかけている。おお、ヒロターズというのはこういう人なのである。私は少しほっとするのであった。
 老人の安全を確認すると、また彼女は歩き出した。
「気分転換にコーヒーでも飲みに行かないかい?」
「いえ、次に入った店でもし店員の態度が少しでも悪かったら、私はその店で暴れてしまうと思いますから」
「そ、そう……」
「はい」
 マンションの前まで送るとヒロターズは中へ消えていった。


 最後にもうひとこと、書き加えておくことがある。それは翌日、ヒロターズがわざわざ報せてくれた事件のその後である。
 今度の事件のショックがよほど彼女の心を奮わせたとみえて、彼女は寿司屋チェーンのHPを探し出すと、店で受けた辱めについて書き記したという。
 そして翌日早々に、そのチェーン店の社長と名乗る男から彼女へお詫びの電話がかかってきたのだ。
 板前には相応の処分が下されるということで、これで彼女の溜飲は少しはさがることであろう。だがヒロターズはそれでも勝利の快感に酔うことなく、「その板前サマに私の個人情報がくれぐれも漏れないようにしてくださいね」と社長に念を押したそうだ。
 しかし、ああ、私の長電話と寿司屋の醜態は、いったいどちらが諸悪の根源だったのであろうか。

11/22・やればやるほどディスクシステム
 銀行へ向かう途中にあるおもちゃ屋に、この夏1つもゲットできなかったYUJINのファミコンミニチュアのガチャガチャを発見した。売り切れかと思ったが覗いてみると後5つだけ残っている。1000円両替して全部ゲットだ。
 出たのはディスクシステム、ディスクシステム、ツインファミコン、ツインファミコン、そしてディスクシステム
 うちに帰って“主”のいないディスクシステムの山を積み上げてみると、あの頃なぜか近所のサッシ・物置販売店がやっていた、イリーガルなディスクコピー機を思い出した。
 リベンジの機会はすぐにやってきた。夕刻に出かけた川崎ヨドバシで再会できたのだ。今度は満タンだ。早速回す……ディスクシステム
 その後は待望の旧ファミコン、ファミリーベーシックと続いた。これだけディスクシステムがあるともう少し旧ファミコンも欲しいところだが、これ以上回すとまたディスクシステムが出てきそうな気がして恐くなって断念。

 ところで昨日の日記の元ネタですが、もちろんJ・D・カーではなく、横溝正史の金田一シリーズ番外編です。念のため。

11/23・ゲームの日なのでゲーム
 深夜やってた『トーマス・クラウン・アフェアー』のクライマックス、「ルパン・ルパン・ルパンー♪」のところを見ながら朝食。
 今日はゲームの日なので(ってこの呼び名ももう3年聞いた試しがないが)、家事が終わってから『スター・ウォーズ ローグ・スコードロンIII』を起動する。
 スター・ウォーズEP4〜6の空中戦を完全再現した前作は傑作であったが、その続編は、EP6の後の物語をやるのではなく、前作と同じ時間軸で同じ主人公の前作ではやらなかったエピソードを描く、という補間ストーリー、つまり物凄く「外伝」。
 ゲームなんて面白ければいいんだが、映画原作のゲームだけにディープなSWファンでない私にはゲームよりも映画の追体験がメインなのでちと肩透かし。前作は完全に忘れて、前作の作戦もそのまま入って繋がっていれば壮大なストーリーとしての完成度も上がったと思うのだが、営業的にそういうことはできないのかな。でもそこがこのソフト最大のネックのような気がする。
 人や地上の乗り物を操作するステージがあるのは、オマケとして考えれば納得できるのだが(なおここでは映画のストーリーが体験できる)、肝心の空中戦には新しい要素は無い。前作の出来が(難易度の点を除けば)すこぶる良かったということでいじりようがないのかもしれないものの、全体として新鮮味が不足してしまうのは続編の苦しさということか。
 映画ゲームとしては、吹き替えと字幕がセレクト可能であるとか(ルークは石田彰)、音楽&SEは相変わらず映画のものが使われているとか、ドルビープロロジックIIで素晴らしい5.1ch対応を体験できるとか素晴らしいし、全体としての作りこみはかなりのものであるため、前作ファンやSWのディープなファンに向けてはお勧めはできるが、でも接待用としてはわかりやすい前作を薦めてしまいそうな気もする。SWマニアのための超豪華なコレクターズアイテム?
(03/11/26追加:先の面に進んでいくに従い、この外伝がTV映画みてるみたいで結構楽しくなってきた。掴みはイマイチなんだけどこれはこれで楽しい感じ。評価はどんどん上がりつつあります)
 今日はあまりにも冷えるので夜はシチューにして、それから映画でも観るかと思っていたのだが、食事時に点けていたTV録画の『幸福の条件』を観出したら止まらず、結局今日はその1本に。
 散々な評判しか聞かない本作だったが、デミ・ムーアの熟れ具合が丁度いい感じで、例えるならフシギソウくらい。この後フシギバナに進化してしまうことは忘れて、素直に目の保養になった。この辺さすがはエイドリアン・ラインというべきだろう。
 ストーリーも、まあ叩きたい人をわからないではないが、夫婦が崩壊していく過程での居たたまれなさなんかは、そういうのを経験してる人には結構ぐっとくるところなんかありそうなんだけど、ロブ・ライナーの『ストーリー・オブ・ラブ』とかと同様、こういう映画はまあまずヒットしないよね。

11/24・未来世紀ブラジル
 目覚めたら14時である。幾ら休みだからといってこれはないのではないか。
 3連休の2日間を何ともぼんやりとすごしてしまったので、今日一日くらいは少しは有意義に過ごそうと思っていたらこの体たらくだ。でもそんなことを嘆いてももう14時。後の祭り。
 諦めて昨日のシチューの残りで食事を取った後、たらたら日記を書いたり『ガンダムSEED』観ていたりとダメな休日らしさ全開にしていると、ヒロターズがメッセンジャーに現れた。いくつか借りていたものを返したかったので、一緒にお茶でもどうかと声をかけると、たった今ドーナツを揚げて今まさに食べているところなのだという。「いいなー!」と大騒ぎしたからか、お裾分けしてくれるというので自転車で飛んでいく。
 作るのは調理実習以来というドーナツだが、サクサクとした口当たりとレモンの風味が何とも素敵な夕刻のティータイムとなった。
 以前カレーをご馳走になったときに借りたタッパーを返しに来たつもりだったが、持ってきたタッパーにおでんを詰めてもらって帰宅。タカリか。
 帰ってきてご飯を炊飯器にかけたらそのままDVD『未来世紀ブラジル』を鑑賞。
 小5の時に『幻魔大戦』の併映でやっていた『バンデットQ』を観て大いに感銘を受けて以来、受験の時の履歴書に「尊敬する人・テリー・ギリアム」と書いて母から「普通は『父』と書くのよ」と呆れさせた(父自身は「そんな気持ちの悪い回答より、よっぽどこのほうがいい」と笑って言ってくれた)ほどのギリアムファンの私だが、唯一この作品は劇場で観られなかった作品だ。
 最初に観たレンタルビデオ、その後に買ったLDではトリミングバージョンだったため、大画面・ノートリミングで観るのは実はこれが初めて。そのおかげなのか「こんなに良かったっけ?」と思うほどの感動を得られた。映像の巧みさ、美しさ、演出・テンポの良さ、小道具に至る美術などすべてが私にとって完璧。
 今回のDVDはライナーによるとどうやら世界初のスクイーズ・ビスタ収録らしいのだが、それもあってか18年前の映画にもかかわらず画質は新作映画に匹敵するほど美しい。元々無彩色なシーンが中心で、かつライトの当たらない暗い場面ばかりのこの映画において高画質は大変重要。また、皆ダークグレーのスーツ姿なので大画面のほうが人物もわかりやすいし、ラストのドームは大画面でなお映える。とにかく映像のことだけでこれだけ浮き足立つ映画なのだから、ぶっちゃけ私はシャインバーグ版しかこの世に無かったとしてもこの映画には感動できたのではないかと思うのである。
 先頃55歳の若さで亡くなったマイケル・ケイメンの音楽は最初に観た時から圧倒されたものだ。特に最後のドーム遠景を映しながらのエンドクレジットで流れる、全編で最も楽しげなブラジルの陽気なサンバは、初めて観たときはまるでスクリーンに映るサムの姿そのままに音楽が終わるまで座っていたソファーから立ち上がれなかった。
 今回の鑑賞に際してはCDになってやっと手に入れることができたサントラをそれなりに聴き込んでいただけに、本編のブラジルアレンジ以外の細かいお遊びの部分でくすくす笑わさせてもらった。特にサムが伝達用パイプを破裂させたときにかかる「魔法使いの弟子」は、その演出(多分『ファンタジア』のパロディ)自体はギリアムの指示によるものなのだろうが、画面とのスムーズな繋がりはケイメンならではのものだろう(ケイメン作品では他にも『ダイ・ハード1』の金庫が空いた時に流れる「歓喜の歌」でもシニカルな笑いを得られる)。そういや『戦艦ポチョムキン』のところも映画と同じ曲だったりするのだろうか。
 とにかく『未来世紀ブラジル』でこれほどにも感動できたからであろうか、鑑賞後に食べた夕食の、貰いもののおでんの美味さに涙がこぼれる。できることならこの涙を作った本人にも見せて、また夕飯をせしめたいものだ。

11/25・鉄騎開戦
 仕事へ行くための準備をしていると玄関のチャイムが鳴った。
 赤紙召集令状だった。
 以前「小説マガジン」の付録か何かで赤紙のコピーを見たことがあるが、私のところに来たものはそれとは全く形状が異なり、色も赤というよりはむしろピンクに近く、中央には猫の文様が描かれていた。封書を開封すると中には緑色の箱が入っており、表面には達筆な文字で『鉄騎大戦』と書かれていた。
 帰宅後、既に半年近く起動させてなかった操縦桿とテーブルを取り出す。
 プロジェクターのスクリーンにワイドに対応した画面を投影すると重々しい鉄鋼音が鳴った。先の大戦の興奮が思い出される。
 起動すると登録軍の選択が行われた。島国根性を見せるならと海市島軍を選ぶ。数十分後に出動した初陣で満足にVTを操作できないまま即死。「ビッツじゃだめだ……」と一人呟くとセーブデータを削除し再起動。環太平洋軍に寝返る。裏切るなら早い方がいい。
 さて。今は戦時下につき、いくつか軍機に触れない程度に記録を。まずどうやら両軍とも整備班がまだ新人なのか、虎の子のVTを配備してもらったはいいが、OS起動もままならない。立ち上がれもせずに撃ち殺されたんじゃ、まさに「鉄の棺桶」
 これについて他の兵士たちと話していたんだが、先の大戦の時のような新型機配備とはいかず、ビッツもディサイダーも当時の機体を改修したものなんだろう。イグニッションのコツはもう覚えるしかないようだ。いつしか人前で「ちょっと俺に貸してみろ。ほらこんなもの一発だ」とか言って一発で起動させてみたいものである。
 起動後はともかく動かすことに必死。先行する友軍機にはぐれないように後を追う。
 そんな折「1号機、付いて来れますか?」と仲間からの通信が入った。「2号機、ありがとう。大丈夫です」と応えたら「おおーっ」と相手が喜ぶ。どうしたのか尋ねたら「"2号機"って呼んでもらって、なんか俺すごい感動しました」。最初に1号機って呼んでくれたのは貴方ですよ。
 いろいろ操作に戸惑うのみでも限りある時間はすぐに経ってしまった。気が付けば深夜0時。
 この時間の兵士たちは皆30代の(新人なのに)ロートル兵ばかりであった。前線へ向かうまでの会話も酷い物が多い。
「なんか飛びやすくないですか?」「えっ? 坂上二郎?」
「久しぶりに『鉄騎』やったんで操作になれなくて」「なにもかもが懐かしい……」
 マズルともウルフェンともリコンとも違う不思議な空気を奇妙に感じつつ、初陣の夜は更けていった。

11/26
 『鉄騎大戦』は4度目の戦闘にて、ついに敵機初撃破。
 初めて敵を捕捉したときのこの恐怖感、高揚感は何なのだろう。敵はこちらよりも旧型のマシンを使っているのに。火力でも機動力でも防御力でもこちらが上回っているのに。
 側面に広がる川向こうの西の山間に現れた敵を、先行して北上していた仲間に覚えたての通信で連絡する。友軍機は北から渡河して回りこむと言うと大きく旋回行動をとりはじめた。自分は正面から前進。思わずロックオンしちゃったから敵はとっくにこっちに気付いているのだ。どんどん撃ってくる敵の弾を避ける余裕も無く、こっちも死にたくない一身で掴んだトリガーに力が入る。
 徐々に間合いを詰めていき敵機の姿がモニターの1/6ほどまで接近したころ、側面の小山へ上がっていた味方機の援護射撃が入った。そして間もなく目の前で敵が横転し小さな光と共に爆散した。
 ロックオンカーソルが外れて定位置に戻る。自分のモニターにはただ「DESTROYED」という見過ごしてしまいそうなほど小さな文字が出ているだけ。ファンファーレも当然だが鳴らない。これが本当の戦場なのだ。
 はっと我に返って手元のパネルを見ると、サブウェポン切り替えのランプが点灯している。どうやら、無我夢中で撃ったチェーンガンの弾薬が底をついていたようだ。ガンダムの第1話でアムロがやっていたことをトレースするかのような愚鈍な行動に、アニメの生々しさを感じるのだった。

 さて今日の戦闘は派手なラグも無く、ほぼスタンドアローン版同様の快適な戦闘を体験することができた。テストパイロット2日目にして戦闘を繰り返した結果、階級の上がったベテランパイロットの姿もちらほら見かける。通り名を持つパイロットとの対戦は恐怖も格別(そして大破、脱出)だが、いつしか「シャア少佐だって戦場の戦いで勝って出世したんだ」などとジーンのような出世欲も生まれてくることだろう。
 ああ、楽しい。

11/27
 今日の『TRICK』で、羽田美智子を久しぶりにみた。最後に観たのはサターン版『RAMPO』……ってことはないだろうけど、かなり久しぶり。その他もハヤタ隊員とか「まんがはじめて物語」のお姉さんとか河村隆一の昔の女とか、堤モノの常連となりつつあるけど変人キャラばかりのIZAMとか出てて、相変わらず豪華というほどでもなく懐かし系というでもないよくわからない奇妙なキャスティングだ。
 まあそんなことはともかく、今日も『鉄騎大戦』である。
 ようやく操作も1年前の勘を取り戻しつつあるのだが、敵国である海市島軍の操るボルテックスの組織的な動きに翻弄され、出撃と撃破を繰り返すはめになってしまっている。作戦だって立ててるものの、まだまだ我々はディサイダーの性能を過信しすぎているようだ。
 ……このくらいだったら守秘義務の範囲で許容されますよね?

11/28
 『ガンダムSEED』はkeijiに借りた分のDVD(8巻)をすべて見終える。1年連続もののストーリーは暫く観てしまえば自然とキャラクターに感情移入もしてきてなかなか盛り上がる。
 夕食後は『鉄騎大戦』。今日はスカーフェイスからのものと思われるロングレンジからのスナイパーライフルの攻撃を受け、続けざまに2機のディサイダーを失った。攻撃を受けたと思ったら耐久値がみるみる減っていき爆発。山間地帯の行軍中で前後には仲間もいただけにショックも大きい。「ラ・ラ」という声こそ聞こえなかったけどエルメスにやられるときってこんな感じなんだろうか。
 爆発した機体を放心して眺めつつ、ふと時計を観ると『百年の恋』総集編の時間になっていたので慌ててTVに戻って今日はこれにて。

11/29・今年もいいにく
 今日はKENの誕生日である。去年も書いたけど一時期「1129! いいにく!」と連呼されたおかげで、悔しいがすっかり覚えてしまった。その誕生日に土曜出勤で活躍中の彼をメッセンジャーでねぎらう。
 一向に卒業見込みのない歯医者通いの後、渋谷へ。待望の『ワンダとダイヤと優しい奴ら』他DVDを買い漁り、「ワールドタンクミュージアム」の第5弾も買い、そしてビックカメラで年賀ハガキをつい宝くじよろしく気に入ったナンバーを選んで購入。
 なかなか素敵な番号を見つけるが、できれば3年前に出会いたかった。
HAL9000
 その後、予定通り8spotsと合流。お茶してウィンドウショッピングして猫の相談たくさんされて今日のところは解散。帰宅後ブーム中の目玉焼き乗せご飯の目玉焼きが崩れて嘆きつつ夕食。夜は『鉄騎大戦』をやらずにKENらと久しぶりに『ゴーストリコン』。

11/30・強化練習
 来月行われる『HALO』全国大会・団体戦に向け、選抜メンバーのみの強化練習を行う。
 KENのチームメイトはこまんだー&ぶちょー、私はKEY&443。試合用マップ&ルール(team Odd ball、Battle Creek)を2チームで延々とプレイ。半日程度では決して十分な練習量とは言えないが、マップの特性は理解できたし、そこそこのパワーアップも計られたと思う。
 なお、こまんだーさんと別チームなので、今日も彼が試合中に思わず発する面白いアドリブコメントをちっとも聞けず仕舞いで終わった。ちょっと損した気分。
 終了後は練習見学にやってきたゆうちゃんとKENと3人で反省会。
 移動途中のコンビニの前で、先日までニセNOVAうさぎが売っていたガチャガチャで新たにオフィシャルのグッズを販売していたのでチェックしてみた。
NOVA缶ケース
 なかなかかわいいので近所のお菓子屋で買った「赤毛のアン」と一緒に並べてみる。
ほのぼの
 小さすぎてケースとしての利用用途は限りなく無さそうだけど、これで100円なら結構楽しげであります。
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