仕事に翻弄されたり自己犠牲したり人のダイエットの妨害してしまった7月上旬の日記。

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7/1・4度目のスタート
 気がつけば7月1日だった。全体朝礼があった位で何一つ代わり映えのしない生活。今までと同じ仕事。
 というわけで午後からおでかけ。最近外出続きで夏バテになりそう。
 移動中に寄ったソフマップで「20世紀漫画家コレクション 赤塚不二夫の世界」が売っていたので購入。1個50円。そんなに人気ありませんか。
 棚にあるだけ買ったけど箱がでかいからか全部で4個しかなかった。
 私の家には物心ついた頃から赤塚不二夫の漫画が家に山ほどあったので、多分生まれて初めて読んだ漫画も赤塚不二夫だったのではないかと思う。原体験である。生まれて最初にでかい本と思ったのは広辞苑ではなく「赤塚不二夫1000ページ」である。天才バカボンとかもーれつア太郎だけでなくエログロ系の漫画もあったのでこういう漫画を幼稚園とかの頃から親しんでしまったため、現在こういう大人になってしまいました。
 後で開封してみたがその出来栄えは思った以上で感動。バカ田大学水泳部後輩の立体化なんて歴史上においても多分最初で最後なのではないか。ああ! ブタ松の親分とかココロのボスも欲しい! 店員に言ったらもっと在庫あったかもしれないと後悔。

7/2・DR FEEL NO GOOD
 本社へ行くための電車は接続がうまくいかないととんでもないことになる。
 今日もあと2駅というところまで来て20分待ち。このままでは次の会議ぎりぎりの時間になる。
 頭を抱えていると、ホームで雑誌を読み耽っていたルリヲ君を発見する。彼も本社に行くところなのだそうだ。なんて漫画みたいな偶然! 2人で駅を降り、タクシーをつかまえて無事に間にあった。
 予定より少し早く着いたおかげで簡単な打ち合わせもすることができた。逆にぎりぎりだったら嫌味のひとつでも言われていただろう。ありがとう、ルリヲ君。

 次にハシゴした会議はここ最近でも最も大事なもののひとつである。
 言わば今やってる仕事における「結婚式」というべきか。両親の許可を貰って婚姻届にサインをし、最後に車に乗せて見送るだのである。
 この結婚式、本来は私の誕生日に行われるはずの儀礼だった。最高の誕生日プレゼントになるはずだったが結局今日まで延期されていたのだ。
 でももう大丈夫。議事はほぼ予定調和で進行し、いよいよ全員一致で指輪の交換という段になった。その後には缶のついた車に乗せて送り出すだけだ。
 予定の半分が終わり緊張感も解けた頃、突然会議室の重い鉄製のドアが開いた。
 外には息を切らせたような表情の見知らぬ男女が立っていた。2人が小声で呼んだ男が近付き、彼らの報告を聞いてから振り向いた。
「新たな問題が発生しました……」
 花嫁にはまだ清算し損なっていた"悪い虫"が付いていたのだ。
 狭い会議室内に詰め込まれた20人近くの社員全員の顔が苦悶の表情になった。
 誰だこんなところにダスティン・ホフマン呼んだのは!

 一瞬目の前が真っ暗になったが、ここで奴に連れて行かせはしない! という皆の協力の下、強引に話をまとめて何とか拉致られることは阻止することに成功。花嫁を乗せた車(バイクだけど)を当初の予定通り送り出すことができた。
 しかし何てしっくりしない幕切れだろうか!
 とにかく今は、このまま新婚旅行が無事に終わってくれますように……。成田離婚なんてまっぴらです。

7/3
 歯医者は終わったのに今でも10時起きが習慣となっている。昨日4時に寝たのにそれは変わらない。
 今日も『ケロロ軍曹』見ながら洗濯を始めた。風に吹かれて舞うシーツがよく乾きそうだ。日が暮れる頃になって8spotsの青山行きに付き合うため外出するが体が重いことといったら!
 背負った鞄が大したものも入ってないのにやけに重く感じる。外で夕飯を食べるということになって思い出した。昨日からまともな食事してない。
 昼食抜き、夕方会社で菓子パンかじって、夜中にカップヌードルすすって、今朝はトマト挟んだホットサンド1つ。
 栄養を回さないと思考も体力も落ちることが今日も実証された。
 確かにこんなんじゃ戦争だって勝てないよな。

 鉄騎やってやっと勝ったり負けたりできるようになった後(これまでは負ける一方でたまに勝てる状態だった)、シャワー浴びたらまた4時ですよ。明日は寝よう……。

7/4・酩酊のじょおうさま
 ほっとかれるのは慣れている。せんたくもの出しっぱなしですみませんー、と叫ぶなりヒロターズは窓際に置かれていた洗濯物を掴み、畳みだした。こうなるともうこちらに構ってはもらえない。私が返事をしないのをいい事にヒロターズは布団の上に正座して本格的に片付けを始めた。
 何か手伝うことは…と呼びかけても気にしないで座っていてくださいと言う。一通り洗濯物を畳んでタンスに押し込むとぴんと体を大きく伸ばし押入れから何か箱を取り出した。まるで機械仕掛けだ。
「放っておいたものを、構ってくれる人間がいてから初めて手を付ける。しかも知っててやってる」
 えぇ、とこちらに関心の無い声をあげてヒロターズは掃除を続ける。
「まぁ、ここにいるだけで役に立ってるならいいけど」
 そうなんですよ、と声がして私の目の前にダンボール箱が飛び込んできた。次はこれを片付けるのか。

 ひとしきり掃除を終えた後、ヒロターズはタイ料理だのディナーバイキングだの言いながら、PCに向かったかと思うとぐうぐう腹と相談しはじめた。子供の気まぐれというよりは本能の寵児だ。やれやれ。手持ち無沙汰になり外出することにする。妙なわくわく感を抱いてしまうのは、やはりお腹の中のアメリカ人が「ぐぅ」と稼動してからの彼女の美味しいものセンサーに期待しているせいだろうか。駅の建物を抜けた。ふぅっと癖のあるオリーブオイルでニンニクを焼く匂いがする。今晩の夕食に似合う匂いだと思う。

 タパスタパスにしましょう、さんせいー、と店を決めぎらぎらとした表情をしているヒロターズがこちらを向く。匂いでイタリア料理に目覚めたんだろう、と尋ねるとうん、と恥ずかしそうに答えながら店に向かった。
 食事をとりながら彼女は少し今書いている作品の話を始め、それから何かを思い出したように黙りこくり、それから「どうしてるかな」、と呟いてまたもの想いにふける。あの人は愚か者だからな、とつい口走るがヒロターズはへへ、と笑い、そうですよね、と嬉しそうに言う。本当に、嬉しそうに、言う。
 明日からまた仕事大変だけどがんばろーなーと告げるとあい、と素直な返事が返ってきた。先刻あんなにもめんどくせーめんどくせー息をするのもめんどくせーと言ったのと同じ声が。ビールは2杯だけだが本当に酔っているのだろう。酔わずにはいられないのが−−−−全く、つれない男もいたもので。
「うぃぃぃ」
「何だ、どこの外国人だ」
「Oui〜」
「困ったなあ。突っ込んでくれないよ」
「なんで酔っ払いはうぃーって言うんですかね」

 そんなアホな言葉を、喋らせたくなる。

7/5
 昨日の日記は例によって他人のクリエイティブな創作物を無断で勝手にパクらせていただいた代物である。突然なんでこんなに叙情的な人になってるのだろうとか心配したり、急に文章が巧くなったとか勘違いしないように。心配しないか。
 そういや昨年の今ごろ東海林さだお風日記書いてから1年ほどパスティーシュ日記もパクリ日記もやってない。またどこかで心ときめく文章を見つけてこないといけない。
 
 さて、昨日のイタリアンなご飯は大変美味しかったのだが、率先して食べたので胸やけになっているらしいのと、日記の叩き台書いてから寝ようとして就寝時間が無駄に遅くなり、体調不良甚だしい状態で出かけたり会議したりしていた一日。
 外出先直帰できたので早めに家に帰ってこれたものの夕食後は暫く突っ伏して機能停止。余暇をDVD消化とかHP更新とかには使えなかった。写真投稿してくれている皆さんすみません、って日記は流石に見てないか。
 8spotsがMSNメッセンジャーで話し掛けてくるSEに起こされて時計を見ると23時半。慌てて鉄騎大戦1戦だけやって今度こそちゃんと寝る。

7/6・東京DR
 7月6日。気が付けばこんなとこにいた。もっと早いスケジュールもあった気がするんだ。予定ではどんなだったろう。
 苦し紛れの事ばかりの言葉が続き「アレよりはマシ」と言い切ったり。転がり過ぎて角のない"I CAN'T GET NO SATISFACTION"な会話が交わされる。
 そりゃ、他みたいにうまくは出来ないさ。でも金曜の時点では「来週になれば どうってことない話」と思ったんだけど。

 というわけで先週終わったはずの件は深く静かにまだ続いていた。「その飛行機待った!」って自分たち自身で止めちゃったようなものだ。
 DR、いつ? もう何にも感じないんですよ。ずっとずっと息切らし走ってたんで。まだこの体、どれくらいもちそうですか? などと目で語っているゾンビ状態の仲間を救いたいのは山々なのだが……もっともっと行かなきゃならないんだよ。

 そんな偽りの停戦と裏腹に臨戦態勢が今も続く我らが自治区に、今日も休日出勤が決定した。幻の3連休。土日をのほほんと過ごしている私はともかく皆の衆すまん。

7/7・猛暑覇極道
 水面下で進めている趣味のような仕事の打合せのため、時間を空けて都内某所で3時間半ほどのミーティング。
 強力な面子が揃った(というか再集結した)ので何とか成功させたいと思う。しかも今日はついに巻き込むべき最後の1人(RAYMONさんのことだ)を本格的に取り込む事に成功。プロジェクトもこのまま軌道に乗ってほしい。
 久しぶりにクリエイティブな打ち合せに参加したので気分も良好。泥沼になってるメインの仕事への気力も沸いてくるというものだ。
 と思ったけどヒロターズが夕飯に誘ってくれたのでやりかけの仕事を切り上げてほいほい付いて行く。ギトギトしたものが食べたいということで中華。餃子・唐揚・麻婆丼。
 7/4のパクリ日記の台詞、「うぃー」は英語じゃなくてフランス語じゃないかと指摘されたので「私もそう思っていたのだが、綴りがわからないので"WE"にした」と素直に答えて呆れられる。正しくは"Oui"だそうだ。修正しておこう。
 なおそんな私もヒロターズも一度も海外へ行ったことがない。インドとインドネシアの違いくらいは知ってるが。
 深夜になっても相変わらず暑いので、帰りの道のりはアイスキャンデー齧りながら歩く。真っ暗な路地を1人歩いていても夏気分である。

7/8・名誉の負傷
 今日も炎天下の中外出となった。
 既に打ち合わせの時間に遅刻気味の中、駅まで早足で歩いていると道の向こう側から3人の女性らしき人影が歩いてきた。真ん中の子は長身だがなかなかべっぴんさんに見えた。
 しかしお互い近づいてきて私は間違いに気付く。女じゃない、男だ!
 しかもあれは……沖田総司!?
 そこには藤原竜也が女性2人を従えてにこやかに歩いていたのだ。スタッフらしき人もいないしプライベートらしい。なるほど確かに芸能人って星背負って歩いてる。

 それはさておき、地下鉄で目的地へ向かった。

 既に約束の時間を過ぎている。降車駅のホームが見えたと同時にタイミングよく携帯が鳴った。
「今着きました。すぐに向かいます」と話しながら、開いたドアから3歩進んだところで、背後で耳をつんざくような悲鳴がした。
 さっきまで隣に立ってた親子連れの5歳くらいの男の子が
「きゃーーーーーーーーーーーーー!」
 と奇声を発しているのだ。
 乗っていた銀座線は冷房もいまいちだったし、きっと暑さが脳にキてしまったのだろう。お気の毒に。

 無視して先を急ごうとすると今度は
「おい! このドアを開けろっ! さっさと開けないか!」
 という男の罵声が同じ方向からする。
 振り向くとドアのところで男が叫んでいる。でも、当たり前のことだが、もちろんドアは開いている。

 ただその男の必死の声を聞くと、これは暑さでやられた人ではないらしいというのがわかる。男の背後からは相変わらず男の子の奇声が続いている。
 さすがの私もこれで異常事態に気が付いた。
 無意識に会話中の携帯電話を切りドアに駆け寄ってやっと事態が把握できた。男の子の手が戸袋に挟まっているのだ。
 叫んだ男はドアを掴んで戸袋から必死に引っ張りだそうとしている。付き添っていた母親は息子の手を引っ張っている(後で思ったけどこの母親は全く役に立ってない)
 私は男の右に立ちドアを掴んだ。男の左にも別の男が来て手を添えているようだ。ドアの窓に手をかけて力を入れると、大人3人がかりだからかドアは簡単に動いた。子供の悲鳴が止まる。

 みんなそれで安心したらしい。

 子供と反対側の位置で力を入れていた私以外の男たちの力が抜け、抜いたタイミングを知らない私だけがドアに取り付いて、私の手はあっという間に一緒に戸袋に吸い込まれた。
「きゃーーーー!」
 慌ててもう一度ドアを引っ張ってくれたおかげですぐに手は外れたが、なんかめっちゃ痛い。
 でも遅刻してるのでさっさと改札を出て目的地に走った。
 打ち合わせには何とか間に合う。待っていた皆には「人命救助していて遅れました」と笑いをとる(でも手から流血していたので逆に心配される)。

 夜になってもまだ右手が痛む。よく見ると指の節が膨らんで紫色に黒ずんでいた。どうやら中指から小指までの3本を突き指していたようだ。
 でもそんなときでも安心。巨大な鉄騎コントローラーなら右手は親指と人差し指だけでもほぼ問題なくプレイ可能。さすがは鉄騎だね。

7/9
 起きてもまだ中指と薬指が痛むので整形外科へ寄ってレントゲンを撮ってもらう。幸い骨に異常は無いとのこと。
「でも中では血管切れたりしてるんだから揉んだり伸ばしたりしちゃだめですよ」
「昨日からずっとしてました……」
「だめだよ!」
 普段から運動したことのない人はこういうときボケをかます。

 湿布を巻いて真っ白になった手で出社すると皆がびっくりしていた。理由を話すとほとんどの人が「それは『名誉の負傷』だね」と話す。皆、この言葉が好きらしい。
 今週唯一の外出の無い日となった本日は、長い会議でうとうとしながら無事に今週分の仕事を終える。
 たまには週末も早めに帰ろう。こちらも体力の限界に加え仕事のストレスが貯まりに貯まった赤ランプ・ヒロターズに誘われ揖保乃糸のそうめんを食べに行く。
 到着早々、入店の際の店員の応対のまずさに早速爆発しそうになる彼女をとりなしつつ、となりのやるせないサラリーマンを肴に乾杯。うん、元気が取り戻せそう。
 夜の鉄騎はほぼ連敗だったわけだが。

7/10
 今週もまた訳あって早起きしてヒロターズんとこへ。
 眠い目を擦りながら廃品業者の来訪を待ち構えるが、いつまで経っても来やしない。結局約束の時間を1時間半ほど過ぎてから大幅に遅れるという電話が掛かってきて、ヒロターズの半ギレの「もう結構です」との一言で今日の私の役目は終わった。
 その後、町外れにあるホテルでやっているランチバイキングへ繰り出す。料理食べ放題、ソフトドリンク飲み放題、ケーキ食べ放題で90分1500円というのは魅力的に見える。
 店内は見るからに近所の住民とおぼしき人が多く見受けられるが、混んではいなかった。私はハンバーグとヒレかつとネギトロ丼とパスタとピラフと握り寿司と味噌汁とコーンスープと冷そうめんと……子供が喜びそうな料理ばかりを大皿山盛りに盛って食べました。さらにコーヒーとケーキ3個半。フルーツヨーグルトで閉め。味も申し分なく近所にこんなところがあったら通ってしまいそうだと思う。やばいよね。
 ヒロターズにはそんな気持ちを隠すように「こんな贅沢な食事はせいぜい月に一度味わうことでこの喜びを持続して味わえるんじゃないか」などと自戒を込めて言う。
 朝からの青空が翳り、空が『ターミネーター』のエンディングになりつつあるので帰宅。洗濯が終わって物干しにかけて間もなく雨が降ってきたことを大家さんに教えてもらって慌てて仕舞う嗚呼下町生活。
 午後から貯まりに貯まっていたサイトコンテンツ用の投稿タイトルの更新作業をしていたら簡単に夜になった。
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