映画三昧で過ごす11月上旬の日記。

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11/1・マッチスティックメン、座頭市、キルビル1
 映画の日。観たい映画がたくさんあったこともあり、あらかじめインターネット予約で3本の映画を観ることにした。13時40分から21時半までほぼ映画館に缶詰状態であるが、ネット予約での指定席が確保でき、かつ1000円で観られるのは精神的によい。

『マッチスティック・メン』
 リドリー・スコットが大作以外の映画撮ったのは『誰かに見られてる』以来かもしれない。私は『コロンブス』とか『白い嵐』のような大作志向の映画より(あれはあれで美しい映像に魅せられたが)、普通の刑事ラブロマンスなあの映画大好きだったので、今回もかなり期待させるものがあった。
 また、どんなつまらない映画でも平気で出る現代の人気俳優ベスト3に入るだろうニコラス・ケイジ(他はモーガン・フリーマンとジャン・レノか)だが、今回の役は『月の輝く夜に』や『赤ちゃん泥棒』系の頼りなさげな男を演じていて、これも期待できるものだった。
 で結果というと、この2つの期待に関してはバッチリ応えてくれた。映画のテンポは軽妙だし、ニコラス・ケイジの強迫性障害のリアルな焦りはこの病気についての知識に比較的明るい私には笑うことが躊躇われるほど生々しい、けどやっぱり可笑しい。その上、ニコラス・ケイジの娘を演じるアリソン・ローマンの大人を翻弄する小悪魔ぶりは、『ロリータ』『シビラの悪戯』『バーバー』の系列で、私としてもかなりいい感じ(パンフに水着の写真写ってるけど、あんなシーンあったっけ?)。
 だけど、この映画は私の期待通り過ぎたのが最大の難点だった。映画のオチがかなり初期の段階でわかってしまったのだ。題材といい、ストーリーといい、もうあのオチのためにあるような話だっただけに、そういう期待を裏切るようなもうひとひねりが必要だったのではないか。こういうことに気付くとその後の映画の鑑賞スタイルは演出を楽しむことよりも、自分の推理が正しいかどうかに興味が行ってしまい素直に楽しめなくなる。
 テレビドラマとかだと「こんなに早くオチがわかるなんてそんな俺スゴイ」とか言えるところだが、映画だと損なだけ。なんか自分がひねくれた人間なんじゃないかとかえって悲しい気持ちになる。
 というわけで期待通りによくもあり、残念でもある映画。なおやっぱり本編では『未来世紀ブラジル』の音楽はかかってなかった。

 この後、ヒロターズと合流。

『座頭市』
 評判通りの傑作。今回の3本では最もお気に入り。今年観た映画の中でも上位に挙げたい。
 冒頭の最初のカットでまず目を引くのが色使い。飛ばし気味の色が、まず普段テレビでやっているセットがはっきりわかるビデオ撮影の時代劇ではなく、かつてのフィルム撮影された時代劇の色を思わせ、なおかつ荒涼とした西部劇やモノクロの黒澤映画の時代劇の空気を感じさせる。そして、タイトルバックの青い「座頭市」という文字にまた圧倒される。青いタイトルなんて他にあったっけ? などと考える間もなく冒頭の殺陣の居合斬りの美しさに見とれるが、ここでも既に笑いを入れてるところから、この映画がシリアスさを売りにしていないことがわかる。
 たけし演じる座頭市には「かわいらしさ」があり、これが庶民を描く通常の時代劇と巧くマッチしていて、『雨あがる』のさわやかさに近い民衆劇のよさが際立つ。それでいて『御法度』の怪しさ(妖しさ)、たけし映画のさっぱりとした凄惨さをも含まれていてそれらの映画の良さがまとめて楽しめる。
 さらにこの映画はかなり欲張りである。浅野忠信演じる浪人夫婦、大楠道代とタカのおばと甥、旅芸者姉妹、そしてやくざの勢力争いと、かなり多数の登場人物が入り乱れるドラマは、しかもどの登場人物もかなり深いところまで描いている。彼らはそれぞれがドラマを持っているがこれを2時間でテンポ良く解決しまとめ上げている。人物の背景が語られないのはなんと主人公の座頭市くらいのものだ。そして映画はどこまでも明るい。人の死が出てきても、その次のシーンにはタカの下らない笑いのシーンがあったりして、長い間その死を引きずらない。だから最後まで観ても全く暗く重い気持ちなど微塵もなく、面白い映画を観た! という感動だけがまとめてやってくる。
 また、この座頭市には外国人が喜びそうな日本の要素がたくさん入っている。チャンバラに忍者に芸者にお祭りに。でもこういう要素を意図的に入れたのだとしても不思議と嫌味な感じはしない。ただその満漢全席ぶりとシナリオ・編集の完成度の高さに感服するのみだ。

『KILL BILL Vol.1』
 『座頭市』で一流の殺陣を観てしまった後に、アメリカの勘違いチャンバラを見せられると粗が必要以上に目立ってしまわないかとどきどきして観た。
 東洋の武術を東洋人以外の人間がやったときはどうしても不恰好だ。『マトリックス』のキアヌといい、『ラストサムライ』のトム・クルーズも(これは予告だけだけど)、腰が入ってない。
 しかしそういうことは完全に杞憂に終わった。タランティーノ凄い。完全に殺陣を自分のモノにしている。とにかく格好いい。濃い映画ファンなら、「ここはこの映画の影響で」などと細かく分析できるのかもしれないが、まず最初は素直に『キルビル』という映画として素直に楽しんだ者が正解だろう。
 しかも昔の時代劇は、殺陣というのは最後のクライマックスにあるものであったが、この映画の殺陣(青葉屋)は全編のうち半分くらいあるんじゃないかというボリュームだ。しかも主人公は1人だから、基本的には見るところは主人公と敵の戦いだけなのに、どこまでも魅せられる。格好いい。これだけ格好いいともうそれだけで満足。
 あれだけ見せられた予告の一部のシーンがVol.1に入ってなくて、「あれ? あの対決はないの?」っていう部分での悔しさはあるが、いいよ、ここまで楽しませてくれれば。
 ところでパンフをパラパラみたらタランティーノが『マトリックスリローデッド』を「ニンテンドーみたい」って言ってたのが私と同意見だったのでちょっと嬉しい。

 映画終わってパンフを『フレディVSジェイソン』含めて4冊買って、腹ぺこぺこの2人は駅前の焼肉屋へ。がつがつ食いながら今日観た映画について語るが、もちろん『キルビル』が最高だという話は同意なのに、語りたくなるのはむしろ『座頭市』の素晴らしさ。見終わってから、間に1本良い映画を観てるのに、それでもその良さがまだ体に残るこの映画は本当に凄いんじゃないかと感心。

11/2・女囚さそり
 骨休め。昼間からザブングル&terraから借りた『ガンダムSEED』観たりしながら過ごす。夜は昨日の『キルビル』の影響で『女囚さそり・第41雑居房』観る。おもちゃ屋の在庫一掃セールに紛れていて思わず購入した直輸入DVDがこんなところで役に立つとは。
 1972年の作品だが、菊池俊輔の仮面ライダー系サイケデリックなBGMと鈴木清順系列の斬新な演出、白石加代子の自分の顔ばかりを強調した怪演、クリント・イーストウッドの『ガントレット』に5年先駆けたバスでの警官隊の銃撃突破、などなど観どころ満載。黒バックにスポットライト・音楽に合わせ7人の女囚の犯罪を歌い上げるシーンなどは『シカゴ』に20年先駆けてるじゃないか!(言いすぎ) 梶芽衣子も(隣りが白石加代子だからなのかもしれないが)圧倒的な美しさで全編楽しんだ。
 映画の後は『ゴーストリコン』。友軍のアメリカ人を誤射して「fuckin’!」と怒られたり、全員日本人チームで久々のマズル並のチーム会話で戦えたりとなかなか充実。

11/3・生活美
 カルトSF映画『バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー』の存在を初めて知ったのは「このビデオを見ろ!」という本だった。
 「このビデオを見ろ!」とは別冊宝島で発売されたB5サイズのムックで、多分カルト映画(に限らないのだが)レビュー本の走りだったと思う。
 ジャンルを問わず多数の映画が紹介されており、それぞれ1本の映画につき見開きで紹介し、さらにその監督なり俳優なりに沿った他作品をページ下部分で6本ほど短く紹介するスタイル。簡潔でわかりやすい作りが(このスタイルは宝島の伝統なのか、今では「僕たちの好きな」シリーズでも使ってる)、映画の魅力に取り込まれつつあった中学生(確か)の私にとってありがたい本だった。
 当時は日本では紹介文献が皆無だった「モンティパイソン」についてもこの本を元に片っ端から観たし、私が映画マニア道に走るかなり大きな影響を受けた本かもしれない。
 続刊も3,4冊出たが、総合的に網羅されている1冊目が珠玉(あと平成ゴジラ公開記念本なのにその平成版を扱き下ろしまくりのゴジラマニア本「怪獣学入門」も素晴らしかった)。
 実家にあるので手元に無く裏とってないけど、どうやらウェイン町山氏の宝島時代の仕事らしい。聞いて納得。
 思えば、当時のビデオデッキ普及と共に増えていったレンタルビデオ屋は最高だった。私の10歳上の世代は、映画といえば池袋の文芸座を始めとした名画座通いになるのだろうが、多分現30代の私の世代にとっては観たい映画をレンタルビデオ屋で探すのが青春だったのではないだろうか。
 ワーナーホームビデオが発行していた手書きの一色刷りパンフで、『E.T.』『ブルースブラザーズ』『時計仕掛けのオレンジ』は一体いつになったらビデオ化されるのかとか他社のビデオまで言及しているミニコミ誌ノリに喜んでいたあの日々。
 どんな田舎町でもレンタルビデオ屋はどこにでもあって、しかも店主があんまり詳しくないから適当に入荷していて、でもそこには時折とんでもないマニアックな映画があったりするのが素晴らしかった。
 『空飛ぶモンティパイソン』8本観るのにまとめて置いてる店が無くて、結果的に自転車と電車を駆使して店を5軒くらい回ってやっと全部観たとか、RPGのクエストのようだった。
 そんな時代、『裸の銃を持つ男』制作前に『フライングコップ!』に出会えたのも、『バンデットQ』とモンティパイソンが繋がったのもこの本のおかげだったんじゃないか。
 で、話がずれたけど確かこの本のどれだけにこの『バカルー・バンザイ』が載ってたんだと思う。タイトルからして怪しいこの映画、観たかったんだけど、近所に無かったんだよ! これが。
 今回の初DVD化とこまんだーさんの勧めもあって、今日やっと観ることができたのだが、いや、当時のレンタルビデオ屋彷徨っていた頃の自分に戻れるような1980年代の軽薄さがそのまま詰め込められている名作なのであった。
 なんか細かくディティールを語るよりも、この映画全体として醸し出してるオーラのようなものが素敵だ。これはもう冒頭の文字の解説からラストのキャストの行進まで全編、マジでやってるのかウケ狙ってるのか全然わからない。多分80年代を生きてない人には全然この映画が理解できないと思うけど、とにかくよくわからないが素敵な映画だ。
 ところで、途中で日系人の博士が宇宙人から逃げる時に必死にドアの鍵を開けたり閉めたりしているところがあるんだけど、これ『マトリックスリローデッド』のキーメイカーのシーンを彷彿とさせる。ウォシャウスキー兄弟がオマージュを……捧げているわけはないか。
 
 夕飯は久しぶりにシチューを作ってみる。ぐつぐつ煮てる途中で近所に来ていた氷雨君から電話貰ったのだが、完成直前なので会えなかった。はなはだ心配ではあるけど、2ヶ月前に言った事を進めてないなら話すことかわんないんだよなあ。

11/4・チャンピオン鷹
 ヒロターズと飯。
 品川の本屋で待ち合わせると彼女は「文藝春秋」「正論」をまとめ買いしているところだった。
 彼女は現在、移転先の連絡トラブルによって新聞販売所から不当に恫喝されており、今日もその話題が中心。「私がある日死んでいたら彼らを疑ってください」というのが最近の口癖になりつつある。本社に電話しても未だ解決には至らず、「インテリが作ってヤクザが売る」というスタイルは21世紀も健在らしい。
 彼女を特に悩ますのは、その販売所からやってくる「サンケー・カネハラエ」しか言わない日本語の通じない集金人(私は“ジャーミー君”と呼んでいる)の昼夜を問わない来訪であった。たかが新聞ごときでこんなに怯えさせられるヒロターズは大変気の毒なのだが、この話をしているとヒートしている彼女の口からしょっちゅう「三■人」という言葉が、電車の中や洋食屋などのあちこちで飛び出すため、小心者の私はいつも隣りでドキドキしていたりする。
 幸い今日はマンションの前に集金人はいなかった。ボディガードの報酬にまたしても残り物のカレーをいただいて帰る。

11/5
 先日のG飲み会のときの集合写真を配布するため、焼き増ししたのを店で受け取ってきたのだが、私ったら書き込む欄を1つ間違えて、集合写真の隣りのどうでもいいのを19枚も焼き増してしまった。ハイビジョンサイズだから焼き増し代高いし。誰もカメラの方を向いてないし。大体この中に19人も人写ってないし。うわあああん!

 keijiから電話を貰ったのがきっかけで、彼についにMSNメッセンジャーを導入させることに成功。メンバ登録用にと他のHALO仲間を呼び出していたら、史上初の8人チャットに。画面右に8人分のアイコンが並ぶ様は壮観であったが、数人での雑談が飛び交うため、まともに会話するのは困難です。

11/6
 『TRICK』をタイマー録画忘れていたのが心残りだが、家の近所でおげしょ、keijiと飲む。
 keijiとは先日の飲み会の反省会を行うつもりだったが、バカ話に終始。視点こそ違うものの、結局してる話は彼らと出会った17年前と同じ。ゲームとガンダム、それにゴジラと仮面ライダーと戦隊ものの話題。後はおげしょが北海道につくったガールフレンドの写真(解像度低)を見せてもらったり。
 帰ってくると、ヤフー(モデム)が絶不調。断続的に切れるので今日の戦闘(ゴーストリコン・XBOXLIVE)は辞退し、ネット閲覧だけしていたが、そのうちMSNメッセンジャーどころかメールもインターネットも繋がらなくなってしまった。
 仕方ないのでPCを諦めて『ザブングル』の最終3話を観る。最終回「みんな走れ!」は初放送時に(当時小学生)買ったばかりのビデオデッキで初めて録画した番組。これまでにもう何度も観ていたらしく(って言っても20年以上前だけど)、キャラクターが次に喋る台詞、音楽のかかるタイミングなどすべて記憶していたことに気付く。
 さあ明日以降からはkeijiに借りた『ガンダムSEED』(新品未開封)を観るぞ。

11/7
 定例会議、後輩からの相談、近所の喫茶店で昼食中に打ち合わせ、定例会議、そして今日の本番・スケジュール精査会議……上司の気持ちの以心伝心ぶりが感動的な資料で円満(ではないんだけどとりあえず)解決。さて、これで何とか来年への展望が開けてきた……のか? 
 そんな折、私の下へ飛び込んできたメールは『鉄騎大戦』のテストパイロット合格通知であった。カプコンからの赤紙召集令状。今月末から戦場はロシアから海市島へ。武器はM-16からディサイダーへ。
 最後の会議が予想以上にこじれずに終わったため、終了と同時に会社を去り、歯医者へと駆け込む。こう回数が多いと医療費も馬鹿にならない。
 夜は知り合いばかり6、7人でのGリコン対戦でロシアの田舎で銃撃戦の後、keijiと馬鹿話で4時。

11/8
 東京新聞に母が載ってると昨夜本人から連絡を貰ったため、2日続けての歯医者の帰りに近所のコンビニを回って、6軒目のサークルKでやっと購入。身に覚えの無いことが書かれているが当人が喜んでいるならそれもいいか。
 その後は洗濯などしながら『ガンダムSEED』のDVDを点けながら外出の準備をするが、途中で出かける用事が無くなったのでそのまま観続け1クール分終わるまで。夕飯の後はプロジェクターで『WATARIDORI』を観始めるものの、昨日の夜更かしが祟ったのかヒーリングされすぎたのかどんどん眠くなってくるので途中で断念し寝る。
 PCを点けていたら案の定メッセンジャーでKENが盛んに声をかけてくるので起きてきて今日もGリコン。3時近くまで遊んで寝たのはまた4時。全然進歩してません。

11/9・マトリックスレボリューションズ
・ジャンル:シューティングゲーム
・発売元:ワーナー
・価格:1,200円(レイトショー)
・プラットフォーム:THX
・発売日:11月5日発売
(前作レビューはこちら

 今日もKENに先駆けて、『マトリックス・リローデッド』の続き『マトリックス・レボリューションズ』を観てきた。本作はアクションゲームだった前作から一転、シューティングゲームとなっている。
 また主人公は前作のネオではなくなり、各面ごとに用意された様々なキャラクターを操作するようになった(なおネオは最終面でのみ使用可能だ)。
 以下システムについて紹介しよう。本作の基本はフロントビューのガンシューティングである。『スーワーシャーク』(セガCD・ソニー・日本発売中止)さながらのムービーを堪能しながら強制スクロール戦闘を堪能することができる。
 大砲やロボットを操っての砲台戦闘もあるが、どの面も基本は画面内に登場する敵を撃ち落としていく単純明快なゲームなので、ゲームセンターでガンシューティングを遊んだことがある人ならすぐに理解できる、初心者でもわかりやすいシステムとなっている。
 前作までのシリーズ同様、グラフィックは美麗だ。ただし世界観を重視したためなのか、全体を通じて敵キャラクターがすべて同じ蟲型エネミーなのは多少飽き易さを招いていることも。またボスが用意されていないため、どの面も特に山場を迎えずに面クリアしてしまうことも物足りなさを感じないわけではない。
 格闘アクションゲームだった前作のファンのために、本作でも一部のステージでは前作同様の格闘ゲームを楽しむこともできる。ただし前作に挿入されたドライブゲームと同様、あくまでオマケ程度なので過度な期待は禁物である。ファンサービスだと思っておきたい。
 格闘ゲームファンはむしろ最終面に期待してほしい。最終面のみ、前作までの主人公だったネオを操作することができ、システムも『サイキックフォース』をパワーアップさせたような新たな格闘ゲームとなっている。ネオは前作までの攻撃がすべて可能になっている。
 前作の一部の面で導入された空中移動を全面的に取り入れたこのシステムは、本作でもまだまだ実験の域を出ていないため賛否あるとは思われるが、現在アメリカで開発中といわれる新作『ドラゴンボール』に本システムが使われる可能性は高く、今後の更なる練り込みに期待がかかる。
 最後に物語にも触れておこう。前作で唐突にエンディングが挿入されて物議を醸したストーリーは本作で完結を迎える。前作での前振りの無い急な展開や、ポール・バーホーベンからシニカルさを抜いたような(特に前半の)物語は一部嫌悪感を催す人もいると思うが、シューティングゲームとしての単純さを求めた結果であると好意的に解釈したい。
 また物語に抵抗のある人でも本筋とは違う楽しみ方ができるのも本シリーズの楽しさのひとつ。『風の谷のナウシカ』をベースにさまざまな日本のアニメーションをリスペクトしたようなクライマックスで、どれだけ元ネタ探しをできるか、などという楽しみ方をするのはどうだろうか。

 そんな映画でした。

11/10・怪獣王倶楽部
 バンダイの「怪獣王倶楽部」集め始めました。歴代怪獣の商品化に止まらず、ついに歴代対決シーンまで再現しているのがポイント。箱に書かれた著作表記の「TM&(C)1954,64,65,74,84,89,91,92,94,95,2002,03 TOHO CO.,LTD.」が最高です。
 まあともかくゴジラとなると私は見境が無い。
 ブルマァクのゴジラ(とバラゴン)人形に親しんだ幼少時代がきっかけなのだろう。生まれたときにはまだ昭和ゴジラがやっていた時代だ。「テレビマガジン」にはゴジラの付録がいっぱいだった。
 だから旧・日劇で行われた生誕25周年記念上映(8歳)は私にとってもお祭り。丁度両親が青野聰の芥川賞受賞イベント(「愚者の夜」)に出席する日だったので、それをいいことに同じ境遇だった同い歳のK輔と2人で朝から観ていた。通常3本立ての『キングコング対ゴジラ』『怪獣大戦争』『ゴジラ対メカゴジラ』に、日替わりで作品を替えていた最終回のもう1本『怪獣総進撃』までの4本立て。
 私はもちろん全部観る。でもそういうオタクな子供は当時まだ珍しかったらしく、丁度入口のゴジラ人形が盗難にあったこともあって取材にきていた「3時のあなた」のインタビューを受けた。思えばあれがTVに初めて映った日だった。
 その後も順調に育った私は、ヒカシューの井上誠のシンセアレンジアルバム『ゴジラ伝説』を小学校の社会見学で乗ったバスの車内に流し、窓際に広がる京浜工業地帯に胸ときめかせたり、中学校のサマースクールでは視聴覚室で初代『ゴジラ』(1954版)を上映したりしていた。
 84年の平成ゴジラ公開前に始まった1年限定の「ゴジラクラブ」はもちろん入会(13歳)。今は亡き関内横浜東宝会館でファンクラブ限定で上映された初代『ゴジラ』を、『ビューティフルドリーマー』さながらのガラガラの館内で鑑賞、当時のビデオ版ではカットされていた国会で菅井きんが吼えるシーンをついに大画面で観ることができて歓喜した。
 今でも実家の居間には知人のデザイナーが趣味で組み立てた、まだソフビなんてモノのない時代の全長25cmのガレージキット・レジン製初代ゴジラ(海洋堂・原詠人・1984)とかバンダイの全長30cm「リアルホビー・ゴジラ」(1983。磁石を背中にかざすと口や背中のライト発光ギミックのある巨大モスゴジ)が並ぶ。
 まあとにかく子供の時からゴジラには弱いのである。つい買っちゃうのである。
 で、「怪獣王倶楽部」。昨日見つけて6つ買って、今日の昼10個買って、会社帰りに5個買って、全15種類のうち14種類まで揃った。後1個が悪夢のようになりそうなので、ゴジラ仲間のI坂さんや酒井君の動向をみることにしよう。
 ……あんまり日記になってないのでもう少し書き続ける。仕事帰りにヒロターズと中華。彼女から昨日の選挙報道の話を聞いたり、中吊りのさいとうたかをの自民党漫画の広告を見てたら、頭の中でまざって「カッくんカフェ」を思い出した。
 芝山努キャラデザの映画で、伊武"クレイメン"雅刀が演じる主人公・田中角栄(みたいな人)がスーパーカッくんに変身したりするアニメだ(つまんないらしいけど)。
 今やるならアニメじゃなくてゲームだろう。実名使用のポリゴンリアルモデルキャラが活躍する『国会をつくろう!』をどっかで作ってくれないか、帰り道の電車でいろいろ考えていた。
 中曽根とか宮沢喜一が生まれ変わり新人として登場したりするゲームだ。公明党単独で与党とって憲法改正したり、自民と共産で連立内閣つくったり。ちょっと考えるだけでかなり面白そうだけど、作った人の命はいろいろ危なくなるかもしれない。
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