仕事が佳境なのに映画三昧になっている気もする日記。およびUV考察。

7月上旬の日記日記メニュー

7/11
 今日の赤坂は雨だった。
 帰宅後「短いその移動時間の間だけ雨降ってたよ」と8spotsにぼやくと「雨くらい別にいいじゃない。『乗った車はいつも事故る』とか『行くと火事になる』とかよりよっぽどマシよ」と全くフォローになっていないコメントをもらう。そんな人、ジョン・マクレーン刑事くらいしか思いつきません。

 写真を撮るのは好きだが撮られるのは慣れない。きっとヘンな顔して写ってるんだろうけど、それがいつもの自分の顔だろうから否定しようがないね。
 でもっていつものようにまとまりのない話。

 帰りにニュー新橋ビルで『タイドランド』のチケットを購入。いつも映画の日とかレイトとかで観ているから前売りの1500円って久々に高額に感じる。グッズ付き前売りが欲しかったけど恵比寿なんて行かないものなあ。
 映画は週末に観られると良いのだけど。混んでる?

7/12・『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』
 などというものを観てきた。JH吉田さんありがとう。

 スクリーンでウルトラマンを観るのは多分『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』以来なので30年ぶり?
 テレビ本編は80の途中で挫折し、その後エリーのかわいさにつられて初めてマックスを観始めたという、もの凄く長いブランクを持つもののおかげでメビウスは(話題の第1話以外)観ている私なので舞台背景もOKだ! と思ったが実はあまりメビウスは知らなくても問題ない。
 冒頭から繰り広げられるヤプールの巨大超獣対マン、セブン、新マン、エースの戦闘。劇場版ティガを観ていない私にとって、内山まもるらの漫画版を除けば初の巨大怪獣戦であり、初の本格的兄弟の共闘戦だ(ハヌマーンのときは共闘というよりも集団リンチだった)。心なしかスーツアクターの演技も当時の動きを似せて動いている気すらする。

 そして人間の姿の4人。ハヤタ、ダン、郷さん、北斗は、年齢的にも扱いもポイントで使う「豪華ゲスト」だと思っていたら大間違い。最初から最後までほぼずっと出ずっぱりである。最初こそじいさん化した容貌や張りのない声にショックを受けるが(特に変身後)、よくよく考えてみれば観ているこっちもじじいになっているんだしそこは暫くすれば慣れる。
 彼ら登場人物が映る度に変化するBGMはオーケストラバージョンの旧作主題歌群。別人化した容貌(特に北斗)も曲が流れれば間違いようがない。そして彼ら4人が1つのカメラに収まった時、流れるのはタロウの挿入歌「ウルトラ六兄弟」である。
 新マンの時代に生まれた私はもろタロウ世代。レコードももちろん持っている。アレンジのせいもあるのだろうが少々物悲しさを併せ持ったこの曲がこの歴史の重さを感じ、同時にその過ぎ去った時間に自分を照らし合わせて少し涙目になる。もうこうなると映画制作者の思うつぼ。
 私とほぼ同世代であろう旧作ファンのスタッフが同世代のお父さんが喜べるように作ってる事実を素直に楽しむことさえできれば、こんなに楽しい映画は無い。だって自分たちカスタマイズなんだもの。隠しネタ探しも楽しい。タロウだけちゃんと光線撃つ時に「ストリウム光線」って喋るとか、エースの戦闘後半戦テーマ(のアレンジ)が流れてるとか(そこで多分使ってるのはスペースQ?)、既に童心にかえってただただ楽しめるよ。
 想像以上に戦闘シーンは多い。ウルトラマン変身しすぎ。もうひっきりなしに出現する怪星人。「カラータイマーが何度鳴ろうと一度変身解けばまたリセットかよ!」とかツッコミ入れたくなるほどだ。
 それからベタベタなCGもこれはこれで容認派。相手が超獣だからミサイル撃っても問題なし。板野サーカスしても本人だから問題なし。大体普通の映画じゃなくてSFでCGっぽいとかツッコミ入れる人の気がしれないよなあ(さすがに劇場アニメ版『ゴルゴ13』みたいにクライマックスで突然フラットシェード、というよりも色つきワイヤーフレームのヘリとかビルとか登場したらびっくりするけど)。
 というわけで気が付けば最後まで普通に楽しめた90分。難解なストーリー無し。中だるみもあまりなし。スタッフロールまでたっぷり堪能しました。(☆☆☆☆)

 ところで今回この映画を観た試写室が実は潮留の電通本社ビル。これが「『トータルリコール』に出てくるような」(吉田さん談)サイバーぶり。
 特にお気に入りはエレベーターだ。自動改札のような入口を抜け、SFに登場しそうな電光掲示板を抜けるとエレベーターホール。これが横に10機くらい並んでいて全部ガラスで吹き抜け。
 外から見るとこんな感じ。このビルの真ん中の縦線は全部エレベーターなの。
 でホールの写真を撮ってみたのだが、残念ながら私のカメラは広角レンズが無いので全く全景を写すことができない。超一部なので全く迫力が伝わらないかもしれないけどこんな感じ。
 上を見るとこんな感じで吹き抜けている。無駄な広さはさすが電通、かなり贅沢なつくりだ。
 エレベーターが自分のフロアに上からやってきたところ。すべて吹き抜けの空間に高速ですっと現れる様は未来の乗り物っぽい。
 よくみるとわかるけど電光表示で状況説明。
 しかもこのビルが超高層だけにエレベーターもかなり高速。Wikiによると世界最高速だったのを減速させたらしいということだが、今でも十分速さを実感できる。下りる時とか飛行機並みの減圧なので耳抜きが必要。
 後で調べたら最上階2つ下(46階)へは地下から直通エレベーターが出ていて普通の時にもいけるらしい。今日はたかが14階だったので今度はこっそり遊びに行って来よう。夜景よりも空間を感じる昼間のほうが良いと思う。
 そんなわけで実はこのビルに入れたこともちょっとしたトピックだった今日のイベントでした。

7/13
 噂の「チャンベール・バトル」を観られるほど早く帰れることもないけどちゃんと録画してあるから大丈夫。
 ただしハイビジョン放送を保存したい場合、現状ではHDDに残したままにしなくてはならないのが困り物。うちのデッキは600GBモデルなのだがハイビジョンを保存するにはもう全然足りない。半年を待たずしてギリギリとなったHDDの容量をせめぎあって使っています。そのうちHDDデッキが茶の間で3重とか4重に並んでいる異様な光景になりそうで心配です。

7/14
 朝から郊外の下町を10分ほど歩く。大汗。帰ってきた頃陽がかげってきた。

 特に名前を秘すが、会社の映画好きの知り合いと久しぶりに映画の話をしたところ、全くもって気の毒な話を聞く。
 私の知る限りでもかなり重度なホラー映画ファンである彼は、最近結婚して子供も生まれ幸せな日々を送っているはずなのだが、実は結婚してから奥様がホラー映画が苦手であることを打ち明けられたとのこと。交際中は「我慢していた」のだそうだ。
 おかげで現在は彼は、山積みであろう観たい映画もDVDも観ることができないそうなのだ。最近もリメイクされた『オーメン』を観に足を運べないので奥さんの留守にこっそり旧作を観て心を癒したのだとか。
「子供は膝に抱えていたけど、ちゃんと惨殺シーンは目を覆うようにしていた」
「もし子供が猟奇殺人者に育ったら俺のせいだね」
 気の毒すぎて涙が出てきます。
 私のところは赤裸々にしすぎたため、呆れられることはあってもあまり何か問題が出たことはないのだが、モンティパイソンとかゲームとか禁止になったらきっと家を出てることだろう。KENも気をつけてね。

7/15・『ローズ・イン・タイドランド』
 長年待った新作『ブラザーズグリム』のガッカリな出来には本当に悲しい気持ちになったものだが、同時期に2本目を撮っていたという話を聞いて少し心を落ち着かせたのがかれこれ数ヶ月前のこと。でやっと公開された『ローズ・イン・タイドランド』が、今度は恵比寿と新宿武蔵野館のみの上映で「お前ら何もわかってない!」と怒りながら今日は恵比寿ガーデンシネマへやってきたものの、上映開始から3分で「すみません、私が悪かった」と謝ってしまうほどのヤバい映画だった。確かにこれをチネチッタでは上映できない。
 「ギリアム版・不思議の国のアリス」とかいう宣伝文句に釣られて間違って家族連れとか入ったら大変。子供は心に大きな傷を受け一生のトラウマ映画になることでしょう。実際この映画は「R−15」指定になっている。でも個人的には「R−20」くらいでも全く構わない内容だと思う。
 とにかく『ブラザーズグリム』では1、2割くらいしか感じられなかったギリアムらしさがこの映画で残り8、9割が使われているのだというような悪趣味極まりない映画になっていた。潰れてしまった『ドンキホーテ』以降すべてのストレスのはけ口となった創作活動なのではないかとすら思える。
 そのたまりにたまったマグマのような土石流のような勢いによって上映中感じたのは、『ゴースト・オブ・マーズ』を観た時と同様「この監督のこれまでの映画の集大成なのではないか」という思いである。
 『バンデットQ』或いは『バロン』の『ラスベガスをやっつけろ』風味というか、よりリアルな『フィッシャーキング』というか、『12モンキーズ』のオチのところだけが延々と続いているというか。バロウズとルイス・キャロルがチークダンスしているというか。
 他の監督の映画でいうなら私の大好きな『グレートウォリアーズ 欲望の剣』のバーホーベンのストレートなグロさと、私の苦手な『ロスト・チルドレン』のファンタジーをごっそりと抜いたものを足して『ロスト・イン・ラマンチャ』で観た暴風雨で混ぜ合わせたような映画……うーん、まだ例えがしっくり来ない。とにかくどう何に例えてもはっきりとは伝えられない、どこまでも美しい悪夢のような映画だ。
 すべてのカットが美しく、すべてのカットで心を惑わされ、すべての台詞を深読みし、とにかく映画に没頭する。そして観ている間中「どこまで落ちて行くのだろう?」「これはどうやって終わるのだろう?」と心配になってしまったりもする。終わった時は本当にほっとした。
 なお8spotsが上映中ずっと、まるで初めて遊園地に連れてきてもらった子供のように楽しそうに一喜一憂をクスクスとリアクションしていた映画もあまり無いのではないかと思う。

 精神が不安定な時、満腹時、妊娠中、激しい疲労感のあるときには全くオススメできませんが、「テリー・ギリアムの映画が観たい」人には必見です。絶対他には真似が出来ない。唯一無二のオリジナリティ。他では絶対観られない映画に違いありません。そうなんだよ、僕らは誰にでも撮れる映画なんて観たくないんだよ。映画を観る限りはその映画じゃなくちゃダメなものが入っていなきゃいけないんだよ。ああ、ほっとした。ギリアムは健在だ。(☆☆☆☆☆)

 ところで以前、『ロスト・イン・ラマンチャ』の劇場パンフの酷さに獄・楽さんと大いに怒りをぶちまけあったことがあったが、今回のパンフは問題外。劇場に掲示されている雑誌記事を一通り読めばパンフを買う必要は恐らくありません。
 何しろテリー・ギリアムの紹介欄で「ジョン・クリーズ主演『バンデットQ』」とか「ロバート・デ・ニーロ主演『未来世紀ブラジル』」とか書いているパンフですよ? 何を読めばいいんだ?

7/16
 昼は『リベリオン』を観直すつもりだったのに、つい20%ポイントセール中のさくらやで『華氏451』の廉価DVDを見つけてしまったので元ネタ繋がりで衝動買い。しかも観なかった。夜は間もなく打ち切りになる『ウルトラヴァイオレット』の2回目に行こうと思っていたのにぼんやりしていて行きそびれた。つまり今日は映画を1本も観ていない。

7/17・良いニコラス悪いニコラス
 連休3日目にしてやっと元気が出てきたので部屋掃除とか。HDDも掃除しようと深夜やってたのを録画しておいたスパイク・ジョーンズの『アダプテーション』観る。
 ニコラス・ケイジの映画は大きく2つに分けられる。ダメな(もしくは冴えない)ニコラス・ケイジと良いニコラス・ケイジだ。ダメな方はかなりの名作多数。『赤ちゃん泥棒』とか『ワイルド・アット・ハート』とか『月の輝く夜に』とか。後者にも『バーディ』とか良い映画もあるのだが、ほとんどがもうどうしようもない映画といえる。
 『アパッチ』に始まり、後は『ザ・ロック』とかあの辺の全部。タイトルだけではクソ映画かどうかの判別が付かない(作品を選ばない)名優ジーン・ハックマンよりは事前に覚悟できるのがせめてもの救いだが、ともかくこの映画は「ニコラス・ケイジがダメ男役」ということで比較的安心して観る事ができた。で、その通り面白かった。作家が作品執筆中に事件が起きるという展開は結構よくあるネタなんだけどどれも結構面白い。
 主人公の自己否定ぶりと日常生活での空しい空想などは鑑賞中はヘラヘラ笑えるのだが、後で反芻してみたりするとボディブローのように効いてくる(のは私だけか)。(☆☆☆☆)

 夜は以前に一度ルリヲ君に借りて観たのにもう一度借りてきてしまった『ジェヴォーダンの獣』。前回観た時より好きかも。割と冗長に感じる前半の推理部分も二回目は観るべき対象がわかっているからか飽きずに楽しめた。
 ポール・アンダーソン並にアニメとゲームが大好きで、カート・ウィマー並に好きなものを取り込んでごった煮と化したカオス映画としてもかなりバランスがとれている。特にこれ、というイチオシがあるわけでもないのだがすべてのアクションシーンで血湧き肉躍る。これと『アメリ』『ヴィドック』がすべて2001年作品というのだからこの年のフランスはどうかしてる。
 きっとまた暫くすると観たくなるので今更だけど豪華版のDVDがちょっと欲しい今日この頃。(☆☆☆☆☆)

7/18
 今週は4日しかないこともありかなり慌しくなる模様。このところ仕事で目を酷使している。気が付くとかなりのドライアイ状態になってるみたいなのだが帰宅後のテレビ録画消化は別問題。『名探偵モンク』の第3シーズンも爆笑のうちに終了(去年の再放送なの?)。ともかくきっとやってくれるであろう第4シーズンが楽しみ。そういえばチャーリー・シーン主演『スピン・シティ』の最終シーズンの地上波放送を待ち続けて結構経ったな……。

7/19・『ウルトラヴァイオレット』2回目
 朝の電車が遅れたせいかホームでむっきーさんとサカイ君に会う。
 私と同期で元ガレキ造型作家であるサカイ君は『日本沈没』を絶賛。ちなみに彼はオリジナル版否定派。中野昭慶では仕方ないか。
 「もう3回も観に行っちゃったよ」という彼のコメントを聞いてツッコミを入れる。
 「ちょっとそれどういうこと? だって公開したの土曜じゃないか?」
 「うん、だから連休は毎日観に行った」
 流石ホンモノだ。
 同じ映画を何度も観に行く習慣のない私なので、そういう話を聞くとちょっとびっくりするが、そんな私も今日は『ウルトラヴァイオレット』の2回目を観に行くのだからあまり説得力は無い。
 既に輸入版DVDで2回ほど観た(1回は流してただけだけど)ところで、今回劇場公開版を再検証してみたくなったわけだ。もちろんどんなにプロジェクターやら6.1chサウンドの環境をそろえようと映画館の迫力には叶わないわけで。
 各地の映画館で早々と打ち切られ、我らがチネチッタでも金曜を最後となり3週間の命だったわけだが、それでもきちんと公開してくれたことは本当にありがたい。そしてこの映画が楽しめない人とは付き合うことはできても心の底からの仲良しにはなれないだろう。

 でDVDで全長版を観てしまってからの劇場版の印象は、まるでテレビ版を観ているかのような気持ちになる。「ええっ、もうここに飛ぶの?」「ここカットするなんて乱暴だなあ」という違和感がありまくる。
 劇場で観た人の数少ない肯定派の人の多くが「ミラのアクションを観る映画」と呼ぶのは、物語がいまいち理解できないからだが、劇場版だとどうしてもそうならざるを得ない。冒頭の紹介でファージについての解説とミラの過去についてがばっさり切られているからだ。ファージの身体能力と12年という限られた寿命、それによる差別政策と隔離施設での非人間的な扱いについてが無いって一体どういう理由でカットされたんだろう。アメリカの映倫も酷いことしやがるが、そのままアメリカ版を公開しながらパンフでカットした部分に基づく説明をするソニーピクチャーズももう少し考えろよ。
 というわけで物語の背景と展開をすべて理解した上で観る劇場版は、アクションシーン以外の部分に関しての理解が深まり実は1回目よりも面白かったかも。

7/20・UV再検証(ネタバレあり)
 というわけで仕事から帰った翌日の夜、UVをDVDで再検証してみた。
 以下全編ネタバレなのでお気をつけください。

 まずタイトルバックのアメコミクレジットの最後、コミックス表紙に描かれた地球をクローズアップしてからピンボールのレーンのようなニンジャ輸送船内にカメラが切り替わるのだが、この間にCGで描かれた地球が挟まる。
ちきゅー
 ここの台詞は「私はバイオレット。これは理解を越えた世界」とか何とかいう台詞のままで特に追加は無い、はず。

 ニンジャ軍団が倒されて再びヴァイオレットのナレーションへ。
 冒頭は同じなんだけどファージの特徴説明が断然多いのがDVD版の特徴だ。そもそもファージは原音ではほとんどのシーンで「バンパイア」と呼んでいる。これを字幕で訳さなかったのは『アンダーワールド』に丸被りすぎる設定をソニーピクチャーズが嫌ったから?
 ここでは冒頭の検査で出る再生能力の話などのほかに犬歯なんかの説明も入った。
この牙で血を吸う話は無い
 ナチのユダヤ人差別を模した隔離政策について、アベックが路上を避けるシーンのあと、新聞記事の話や真っ赤な服装の男たちがファージの家族(日光に弱いので日傘&黒服)を意味深に追いかけるシーンが挿入されたりして劇場版で残る収容所の前へ繋がる。
ここに本当はさらにシーンがあった?
 Vの旦那の首を絞めるファージを警官が撃ち殺し、その返り血をVが浴びた後にもカットが大幅に増える。
 まずVが人体実験を受けるシーンが数カット。
血液採取
 ここで同時に、本作でもっとも大事な説明であるファージの寿命が12年であることについて触れられる。
お墓 こっちもお墓
 バックの絵は、その後Vとファージのグループが対決することになる教会の墓地だ。
 この寿命の話により、ファージの絶望的な運命が伝えられ、余命少ないVがシックスに固執する話が生きてくるんだけど、この設定についてはパンフ読まないとわからないって凄い。
飼われています
 隔離されたVが非人間的仕打ちをされているこのシーンは、途中で正体がばれるシーンで白黒映像として一瞬映るが、全長版ではその元シーンが存在している。

 話は暫く離れ、建物に逃げ込んだVが仲間のところへ徒歩で移動するシーン。敵に囲まれてピンチになった後、劇場版では突然その場を脱してリーダーと通信で会話するが全長版ではその間に追っ手を撒くシーンが追加されている。
少佐がいっぱい
 全長版を観た後だと劇場版は何の混乱も無く敵を撒いているので違和感があった。

 そこからさらに飛んで、シックスを失った後に復活したVが失意の中、自室?のベッドで自殺を図るシーンの手前に入るカット。
お幸せな家庭
 旦那が若く、向かいにいる妻が若い時のV役の女性と思われるところからこれは幸せだったときのあったかもしれない未来をVが思い描いているシーンと思われる。
 でもって私は今頃気付いたんだけど、実は旦那は死んでない(他の人はわかった?)。ファージに首を絞められて、返り血を浴びているのはVだけなので、ここでいう「夫を失い、子供も中絶」という説明は、つまり、ファージになったことで人間の夫に捨てられたということを示しているのか。

 このほかは多分追加シーンはないと思うのだけど、改めて劇場版を観て思ったのは、追加シーンのおかげでVの行動や台詞、シックスとのやりとりにいちいち意味が生まれていること。この映画には元々ストーリーはあったんだよ! カート・ウィマーの無念の声が聞こえてきそうだ。
 無理だとは思うけど、日本版DVDでは是非ともミラだけじゃなくカートのコメンタリーを! 可能ならばさらなる全長版を! ソニーよ、本気を出してくれ。

 以下おまけ。
 劇中で顔出しで登場しているカート・ウィマー。
 どれが彼かわかりますか? (正解は写真にカーソルを)
一番左
 クレジットを見ると、ここの3人が「見ざる・言わざる・聞かざる」になっていて、何かと思ったら、撃たれる場所が3人の目と口と耳なのね。最初全然気付かなかった。

 おまけ・その2
 Tシャツつくるなら使いたい、蛇の巻きついたイカス十字架。この監督(もしくは美術)、十字架好きだよね、きっと。
これ
 おまけ・その3
 Tシャツつくるなら使いたい、墓石の完全密葬メッセージ
これ2
 おまけ・その4
 あまりに素敵なファージのイケメンリーダーのラストカット。
これ3
 この映画のファージの死に様は、どれも狙っているとしか思えない。
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