映画を人生の糧として、それ以外がままならない9月上旬の日記。

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9/1・『ヱヴァ:序』『インランドエンパイア』
 映画の日。早起きして昨日予約しておいた12:00からの『ヱヴァ』を観てくる(109シネマズ)。
『ヱヴァンゲリヲン:序』(☆☆☆☆☆)
 いい加減極まりない企画の立ち上がり方は閉口だったし、スタートから公開までの時間の短さも微妙で、正直あまり期待していなかったのだが、観てなんかとても得した気分になった。よくできてた。
そもそもTV版は6話まででスタッフが全力出し切って放送前に燃え尽きていた感じだったので、実際私は7話以降覚めていった(最後の方は別の意味で面白かったので盛り上がったけど)。そういう私にとっては、今回想像以上にほとんど何も余計なことをせず、いじっていないので本当に安心した。垢まみれになったエヴァの、当時の良い思い出が帰ってきた。きっと作り手側も6話までは全肯定できてるってことなんだろう。
 『キューティハニー』やら『式日』やら、つまらなくはないんだけど面白くも無い微妙な実写映画撮っていた庵野監督も往年の腕が冴え渡っているようだ。これはむしろロメロのゾンビ映画、ディックのSF小説みたいに「やりたくないけどやらないと生きていけない」からなのかもしれないけど、本人がやりたい方より客観的に面白いのは事実じゃないか。
 個人的に音が良かったのでサントラ買おうと思っていたのに発売は1ヵ月後。パンフ見たら20日前にまだ完成してなかったんだからそれも納得。

 帰宅して、8spotsに付き合って青山。夜に戻ってきて今度はチネチッタへ。

『インランドエンパイア』(☆☆☆)
 私にとっては『ストレイトストーリー』以来のリンチ映画。しかも今回は面白いとかつまらないとか、そういう俗物的な概念を超越した、超絶リンチ映画。どこかの実験映画賞受賞ってのが冒頭に出るのだが、まさにこれこそ実験映画。最初のウサギ芝居とか見ていて何だか無性に後頭部あたりで笑いたくなった。いひひひひ。
 日本だと残るは鈴木清順くらいだけど、数年に一度、その健在ぶりを映画館で圧倒されてみるのはいいことだ。スタッフがこんなに楽しそうに映画を作っていて、出演者がこんなに楽しそうに出ていて、どの映画見ても大体同じような、そんな映画も大好きだ。
 しかし3時間オーバーって、それはいくらなんでもやりすぎだろう。途中でさっぱり意味不明になったと自覚があるのに、それでいてシーン1つ1つの意味が何となくわかってきてしまうところがこの映画の凄いところだ。
 ローラ・ダーン久々の主演・熱演はもちろんだが、途中に1シーンだけチョイ役で出てくる裕木奈江が偉くかわいい。私より1歳上なのに、きっとアメリカ人には10代にしか見えないよ。 

9/2
 夜からアキバに出向いてホリイさんと飲む。「ぶっちゃけた」話をする予定だったのだが、後から考えるとあんまりそうでもない感じだった。時間が足りないのか飲み方が足りないのか。
 天狗からジョナサン(レイヤーの皆さんでいっぱいだった話はmixiに書いたので飛ばす)へ移動したところで、途中参加でやってきたON田さんにご挨拶。
 昔ゲーム機の実機からテープ録音した自作ゲーム音楽テープの話で盛り上がる。最近昔のゲームのサントラがいろいろ出てるのだが、自分の曲順の方が良い! みたいな話。
 やはりゲーマーとしては必ず通る道ですよね。ですよねったら。

9/3・ニュー新橋ビル
 『ゲームサイド』の最新号を読んでいたら学生時代にバイトしていた職場の先輩が出ていてちょっと嬉しくなった。いたのは2年だけなんだけどなんか会話に参加したくなる座談会と記事だった。今は廃校になったあの専門学校だけど、忙しさにかまけた不義理が祟ってすっかり当時の先輩後輩と連絡取り合ってない。みんな元気にしているのかなあ。

9/4
 明日できることは今日するなということで久々に早い帰宅。
 まだ商店街が開いている時間なので隣町で駅を降りてトイレットペーパーやらティッシュペーパーやらを買い込み両手がいっぱいになる。地元で買うより1つ100円ずつくらい安いのだ。しかし買い物袋いっぱいで電車に乗るのは結構迷惑だったりもする。
 たまに違うスーパーで買う肉はちょっと味が違って美味い。

9/5
 まだ水曜日なのに帰宅後ベッドで気を失い危うく夕飯を食べ損なう。まだ夏バテなのかな。幕府に届ける企画書2通をさらさらと制作。でもこれ全部の仕様が入れられるかどうかはまだ未定。むしろ険しい道。

9/6
 雨が降ったり止んだりしている間に会社のビルをあちこち渡り歩く。
 しかし日ごろの行いがいいのか、結局持ってきた傘は差さずに一周できた。帰りですらである。なんか普段の雨男ぶりが嘘みたいだ。

 というわけで今日は台風上陸に伴う撤退命令が出て20時とかいう凄い時間に会社を出る。窓ごしにまったり外を眺めて風の音を聞いていた。
 昔の実家は風が強い日は家がぐらぐらと船のように揺れて、2階に部屋のあった私は台風で船酔いになったこともあるのだが、ここはレンガの家のように揺れません。そのかわり地震のときは必要以上に揺れるけど。
 雨が凄くて網戸掃除してくれてるみたいだと8spotsが喜んでいる。

9/7
 朝になると台風は通り過ぎていた。自室の窓から外を見ると、京急線がのろのろ動いていて、そのうち止まってしまった。台風一過で混乱がまだ続いているみたいだ。駅まで向かったら入場規制で入れず、人混みの中で汗をかく。
 その後は普通に出社できたけどさ。

9/8

やしゃま
 ほっちゃんの見張り台で寝るやしゃま。足が落ちてる。最近は場所取り合戦になってる。というか随分慣れた。これならもうHALOやっても平気じゃないかとなってるわけです。

 来週は久々にスーツの日なので、以前使ったままハンガーに掛けっぱなしのスーツを取り出したら、猫の毛がべっとり。クリーニング屋に持っていったら「今度持ってくるときは毛は取っておいてくださいね」と言われた。クリーニング屋なのに。
 夕刻からパシフィコ横浜に出向いて、久々に丸井のバーゲンセールに行く。目的は服だったんだけど、愛用の腕時計の新型が出ていてそれが今日一番のステキな買い物。
またフォッシルか
こんなの。

 帰りは、ゴールデンウィークのときに川崎店のコーナーが無くなってしまっていらいご無沙汰のKEYUCAでケーキを買って帰る。久々のご対面に感激。
 久々のみなとみらいで8spotsは横浜のまったりのんびりとした客層になんだかほっとしていた。川崎は殺伐しすぎているからなあ。

 夜は3月に放送して撮り損なっていた、NHKの宮崎駿密着取材の再放送録画を観る。
 貴重な撮影でとても楽しみにしていたのだが、感心するところは皆無。撮影したディレクターの不躾で場をわきまえない、しかも的を得ない質問のダメさ加減にイライラする番組だった。そりゃドキュメンタリーでは時折相手を怒らせたりするけど、あれはどう観ても「ゆとり乙」レベルだろ(って恐らく同世代の人なので「ゆとり」じゃないんだろうけど)。よく宮崎駿はこんなのと100日も付き合ったものだ。聖人じゃないのか。当たり前だが100日経っても監督との距離は決して埋まらないので、最後も何の感慨も無く尻切れで終わる。ディレクター本人に対するいらだちが写っているってドキュメンタリーとしてどうなのか。サンゴに落書きするのと同レベルじゃないのか。
 この番組で観た話は、駿が吾朗のことが嫌いなんだけど親としての責任も感じてること、『ゲド戦記』がダメな映画であること、駿と保田道世はデキてるということくらいか。あと鈴木プロデューサーはいつ見てもすごい。この何考えてるんだかわからないというか、ちっとも笑っているように見えない笑顔っていうか、これが策士ってもんだ。プロデューサーってのはこうでなくてはいかんのか。
 昔の手塚治虫の、苦心して撮った現場密着は面白かったのになあ。NHK、こんな貴重な機会にあまりにも酷い人選ミスなんじゃないですか。
ほっちゃん
 KEYUCAのケーキに喜ぶもう1人の同居人。手提げの紐のところから顔を出すのをやめなかったため、この写真撮影の後間もなく、動き出そうとして首がしまり、驚いて部屋を暴走し8spotsを酷く慌てさせることになる。

9/9・『レイヤーケーキ』
 久々にちょっとだけ部屋掃除して、その後夜に夕食を早めてWOWOW放送の『レイヤーケーキ』を鑑賞。

『レイヤーケーキ』(☆☆☆☆☆)
 軽妙なクライムサスペンス。イギリス映画なのに脚本も演出もお見事で、最後までドキドキしながら楽しめた。基本シリアスなんだけど、デュランデュランの名曲「オーディナリーワールド」が流れる序盤のシーンで、観てた8spotsと共に大爆笑。「ああ、この映画は傑作なのじゃないか?」と思ったら最後までその通りだった。
 主演のダニエル・クレイグは確かにボンドのときと違いが見分けられない感じだけど、それはつまりボンドが最高だったので今回も最高。
 恐らく上質の原作をうまくまとめたのであろう脚本は、さまざまなマフィア同士の思惑が絡む複雑な展開を、混乱させずにきれいにまとめ、ラストの台詞までしてやられた感じ。
 私の大好きな「TNG(DS9)のオブライエン」ことコルム・ミーニイがダニエル・クレイグに続く出演者なところもポイント高し。必見。

9/10・戒厳令と吉報
 今週から来週末にかけて、うちの会社は戦時下に入る。とにかく社員挙げての大忙しなのである。そのためなのか、各所が浮き足立っているみたいで「下らない大小の凡ミス」が多いので皆気を引き締めるようにと上司から通達がある。
 その点私は普段から浮き足立っているのでこんなことでは動じない。動じるのは肉体労働による疲労くらいだ。さてどうなることやら。

 そんな夜に吉報。会社に許可を貰ってつくっていたものの、結局のところ売るかどうかが決まっていなかった、あわよくば幻になってしまいそうな自信作の商品化がついに決定。つまり今年も仕事でいっぱいになるってことか。一層頑張らねば。

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