仕事がやっと落ち着いてきたような、でも環境はそうではないような、そんな2月中旬。

2008年2月上旬の日記2008年2月下旬の日記日記メニュー

2/11
 年末にオススメして実家に置いていった『おお振り』のTVオンエアを録画したDVD。案の定大好評だったのだが、なぜか2枚目(5話以降)から再生できないとの苦情を受け確認に向かう。DVD-RAMが再生できるのに同じ内容でもDVD-Rだとダメみたい。ともかく両親ともレンレンの活躍を大いに期待しているようなので持ち帰る。後は20年以上前に使っていた骨董機材などをまとめて回収。使われることも無くなった物置の荷物が今大いに役立っている。あの時の散財に万歳。
 晩御飯食べて、帰宅して寝る前に映画1本。今日は珍しく8spotsのリクエストで『カッコーの巣の上で』。

『カッコーの巣の上で』(☆☆☆☆☆)
 1975年のアカデミー賞主要5部門受賞映画なのだけど、ストーリーもちゃんと知らなかったくらいなので初めて観た。『17歳のカルテ』とか『ドリームチーム』とか(精神)病院ものはたまにあるけど、恐らく元祖となるこの映画が30年経ってももっともパワフルに見えるというのは相当凄い。最初から最後まで、登場する患者たちが一度も不快ではなく愛おしく見えるところとか作品的な完成度も高く、そしてクライマックスからラストシーンまでの展開も引き込まれるもので、いやこれは凄い。『イージーライダー』よりずっと強いインパクトを受けた。

2/12
 今年最後の仕事に合格通知。これで宇宙を駆けられる。今回もいろいろ細かく問題はないわけではないんだけど、とりあえず今は無事に終わったことを喜び、そして次に備えよう。

 全体的に自嘲気味な社内の空気の中、かつても何度かそういう状況を体験したことはあるものの、今回が一番他人事のように感じるのは、多分自分が思う中でのやれることをできる限りやってる気にはなってるからだ。だから焦らないんだと思う。

 それはそうと年末の喧騒の中で提出した年末調整の書類の中に、住宅借入金等特別控除申告書を入れ損なっていることが先月発覚しました。帰ってくる金額が残業代抜きの月給くらいの額なので、貰えなくなったら大変です。超危険です。明日は自分で税務署行って何とかしてくる。ああ、それにしてもドジ。

2/13
 午前半休取って税務署へ。生まれて初めて自分で確定申告する。結構面倒なものだと思って覚悟していったのだが、備え付けのノートPCで係員の人たちの指示通りに入力していくだけで結構簡単にできた。これで×0万円返って来るよう。ほっとしたよう。

2/14
 今期の仕事の山を越えて、珍しく少し余裕ができた。帰りに映画でも観るかと劇場チェックしたら、男塾が明日で終了だったので慌てて21:45の回に飛び込む。バレンタインデーに観る映画ではないな、と後で思ったが、選択の余地は無い。

『魁!男塾』(☆☆)
 「面白かった?」と尋ねられれば「つまんなかった」と即答できる映画である。あまりによく似合っている照英の富樫と麿赤兒を除けば、役者は皆無名の大根役者みたいなのばかりだし、脚本も演出も素人の延長上なのでまあ酷いものである。観る前の予想通りといえるクオリティだ。しかし、この映画を観て不快な思いをしないのは、アホなりの一生懸命さは伝わってくるから。結局好感持てる映画かどうかは、マジメに作っているかどうかだ。三池崇史の映画のほとんどの映画が不快に感じられるのは「ああ、これは手を抜いている」とすぐにわかるからだ。
 坂口拓は、多分見た目通りのナルシストなのだと思うけど、そんな人間、大学にもいたし。この映画は、クオリティも含め、限りなく自主映画の上映会のノリなのだ。つまらないのはわかっているけど、ああ、あいつ皆で頑張ったんだなあ。ああ、ここだけ部分で見ればよくやってるなとか親身になって観る映画なのだ。スタッフロールの意外な人数の多さに「おお、よくこれだけの人の協力を得られたね。良かったね」って嬉しく思う映画なのだ。ああ、そうか、そういうところも全部含めて「男塾」の映画なのだ。
 そういえば私を含めて、観客は全部で6人しかいなかった。下手な自主映画上映より寂しい人数である。うち2人は女性のペアだったのだが、坂口拓の女性ファンなんているのだろうか。

 ところで700円もするパンフは残念ながら売り切れとなっていた。明日で終わる映画なのに「ただいま品切れ中。次回入荷日未定」と書いてあったので店員に「明日で終わるんだから、これってつまり買えないってことですよね?」と聞いたら店員は予定に無い質問をされて目がレンレンのようにくるくる回って「そこに書かれているとおりです」と返してきた。殴りたくなった。

2/15・タイプワイルド
 日が暮れる頃になってから、どうたんさんの新会社へ挨拶を兼ねてお出かけ。新社長とどうたんさんと3人でまずは世間話を延々2時間。
 社長のKさんは、Wikipediaに「注射嫌いで、子供のときは宗教上の理由でと嘘をついて避けていた」ということまで詳しく書かれているほどの名のある方なのだが、大変残念なことに私は全くその前歴を知らない、大変失礼なお客であった。ただし、どうたんファンであるという共通したところがあるのでそこは大きな問題もなく進み、ああほっとした。
 2時間喋って喉も枯れてきたので居酒屋に席を移してさらに3時間。アルコールが入る前と後では、ぶっちゃけトークの含有量が少し増えたくらいで話題そのものにあまり変化も無く、どこまで遊びでどこまで仕事なのかわからなかったが、大先輩かつ、これまで全く接点がない方面の方だったので、どんな話も大変面白かった。知らなかった新事実もいっぱい聞けて、いっぱい喋れたのでこれで良いのだ。
 タイムリミットとなり、限りなく終電で帰宅。また場をかえてゆっくり楽しみたい。

2/16
 いつもの青山付き添いの後、池袋まで買い物。夕食はメトロポリタンプラザにある沖縄料理「島ぬ風」に入り、沖縄生活を満喫し、ブログアクセス急増中のおしりさんを想う。ソーミンチャンプルーを頼んだらソーメンとシーチキンの汁物みたいなのが出てきて焦る。ラフテー丼を頼んだらご飯が混ぜご飯でラフテーがチャーシューみたいにスライスされていて焦る。「ちゅらり」よりは"沖縄風"だったけど、やはりこれも違う食べ物だよなあ。
 池袋は行くまではともかく帰るのに結構な時間が掛かるのでおっくうだ。

2/17・『俺たちフィギュアスケーター』
 今週で終わってしまうということで、8spotsと共にチネチッタの『俺たちフィギュアスケーター』を観に行くが、狭いチネ1とはいえほぼ満席で驚き。
 笑いどころでは大歓声という、ノリの良い若い女性客にも恵まれ、映画館ならではの観客の一体感を感じる良い鑑賞だった。マニアばかりの銀座シネパトスなんかよりもノリが良いんじゃ? コメディ映画復活の兆しかも。

『俺たちフィギュアスケーター』(☆☆☆☆☆)
 『ズーランダー』がファッションではなくフィギュアスケートになった映画。当然ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンがやってても全く問題ないのにそうしないのは、ギャラの問題? 若返りをしたかったとか?
 見る前から大体わかってる物語は、それでも最後までずっと面白くてずっと笑っていられる良質クオリティ。
 フィギュアスケートの、どうにも浮世離れした「ホントにこれ美しいの?」「本当に素敵かな?」とつい冷静な気持ちならツッコミたくなるその独特な世界への素直な気持ちをそのまま代弁したようにチャカした映画。それなのに、米スケート界の有名人が多数出演してたり、五輪の開閉会式の演出も手掛けた人が振付してたり、めちゃくちゃ抜かりの無いところが恐るべきハリウッド。

 夜は『HOT HUZZ』のメイキング映像などを楽しむ。予告編までちゃんと日本語字幕付いているなんて。次回はコメンタリーでもう一度観よう。
 それを見終えるとWOWOWでドン・ジョンソンの『ホットスポット』をやっていて、ついつい観てしまう。この映画の見所はジェニファー・コネリー初のヌードシーンなのだが、ハダカのときよりも黒ビキニの方が数倍エロかった。デニス・ホッパー(監督)、やるなあ。というか私がジジイになったからなのかな。

2/18
 今週も比較的余裕がありそうな感じ。本当はそれほどでもないのだが、このところ「今週末締め切り」「明日が締め切り」「今日中」みたいな仕事ばかりをしていたので、今週じゃなくてもまあ何とかなるということは「明日できることは今日するな」と思ってしまうのである。
 いつもよりも1時間早く帰宅するとリメイク版『犬神家の一族』の犯人逮捕のシーンだった。自分の代表作のリメイクで閉めるなんて、市川崑も洒落ていたよね。後年はボケた映画ばかり撮っていたという印象が割と吹き飛んだのではないか。あとこんな時間に追悼やってくれるなんて(しかもTBSとNHK BSで時間完全に被ってたりとか)、ほぼ全く追悼放送の無かった岡本喜八とは偉い違いだ。巨匠と呼ばれる監督で、ほぼ最後の生き残りである鈴木清順のときはちゃんとやってください、っていうかそれより新作を待つべきだなあ。

2/19・戦場で
 前線をサポートしてくれている戦友のひとりに退艦命令が出たことを、本人からこっそり教えてもらう。
 「募集」なんていえばかわいげがあるが、その裏ではもっと暗躍したドラマが展開していたのだ。冷静になって考えてみれば今の状況はまさに最後の出港なのかもしれなくて、そうなると映画やドラマのお約束シーンのはじまりだ。上官は泣きじゃくる部下を叱咤、彼らを陸に置き去りにして艦は出港するのである。目指すは沖縄沖とか。菊水作戦とか。
 でもそれが思いやりなのかどうかは沈んでから初めてわかることであって、もしかするとその上官は汽車から部下を投げつけて攻撃するスマッシュ大作なのかもしれない。その真相は後に歴史が語ってくれるだろう。
 ともかく客観的に状況を憂いでみたり、乾いた笑いを浮かべてみたりするのは実に簡単なことで、事実を直視していないのである。2度も3度も神風が吹いたからといって、その次も助かるわけではないと実感するのである。
 このニューイヤーパーティーには、まだジーン・ハックマン扮する神父は現われない。
 んで補給路を断たれることになった私は何をするかというと、未だB29落とす気満々で竹やりの先端を研いでいるんですよ。

 ほぼ終電で帰るとホームでルリヲ君に再会。時期的に血反吐を吐いてる状況。彼の重戦車はまもなく完成なのだ。もしそれがエレファントだったとしても砲台にはなるさ。少なくとも竹やりよりは爆発力はある。

2/20・ボーダーライン
 無茶な指示は日常茶飯事だったが、ついに前線部隊から「ダメです! 間に合いません!」との連絡。彼らが陽のある時間に起きていたことにも驚きだが、それだけ無念の決断なのだろう。戦線を維持できないので一旦退く事にする。来年(度)がんばろー。
 でも結果的におかげで今期末はゆったりできそうな気配。今より仕事増えるときに教育時間として使うのかもしれないけれども。

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