チラシデザイン 2008年の沖縄やだよ日記
毎年恒例だったはずの沖縄日記、4年ぶりの更新です。

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11/6・レギュラー不在
 というわけで4年ぶりの沖縄"魂の洗濯"旅行。今回は木曜から日曜までの3泊4日である。
 同行者は例によってダイビングの師匠であるところのゆっきさんと、おしりさん……は既に1年前から沖縄県民になっていた。4年でいろいろあったなあ。私はその間転籍した会社が親会社に吸収され、古巣を異動し、その後の長いプロジェクトがあり、今回ついにそれも一段落したので旅行に出られたわけだ。これもまあ卒業旅行みたいなものかもしれない?
 当初は10月に予定していたこの旅行、ゆっきさんの仕事が少し延長した関係で今日からになったのだが、昨晩いよいよ!というところでゆっきさんから「明日も仕事になりました」という悲痛な電話を受けたのは昨日の日記で書いたとおり。その後夜23時に車で我が家までやってきたゆっきさんから、旅行券の引き換え書類を受け取ったりと慌しい夜であった。ゆっきさんとは7日の朝に合流することになっている。もちろん最初の飛行機代、初日のホテル代とレンタカー代はパーなんですけど。
 ゆっきさんは既におしりさんにもこのことを報告していて、それを聞いたおしりさんは私を気遣ってわざわざ初日に有給休暇を取ってくれた。ひとりで何するかはまったく考えていなかったので2人の心遣いに本当に感謝。

 朝は3時間だけ寝て4時半起き。自分の幸せよりも猫のことが心配な8spotsをも置いて(その間のことは彼女のmixi日記参照のこと)、私は1人羽田空港6時35分発のANAへ。11月ともなるとまだこんなに暗い。
旅の夜明け
 長い廊下を進み、指定の搭乗口の外を見るとポケモンジェットが!
チュッチュピカピカ
 微妙に面子が古いけど得した気分だね! と思ったら私は隣の搭乗口で、ポケモンジェットは札幌へ向かって一足早く飛んでいきました。

 なお今回のチケットはゆっきさんが手配してくれたものなんですが、羽田から那覇なのに旅行会社は札幌。日本って狭いよね。
 このチケットのケースに書かれたキツネっぽい生き物の絵がなんとなく父猫さんの自画像猫っぽい。
トーニャさんではないのニャ
 飛行機から見える風景は例によって心ときめくものがある。そういえば飛行機で移動するのも久々のことだ。
雲海
 寝不足なので飛行機の中では爆睡するつもりだったのだけど映画『ハッピーフライト』公開記念・ANA限定外伝2本立て先行公開、というのに魅かれつい観賞。綾瀬はるか目当てだったが正名僕蔵が出ているところが拾い物だった。話は酷かったので映画は見ないな……。
シコふんじゃったところ
 沖縄便は海ばかりの風景なので、最後に島が見えてくると毎度ワクワク感は頂点に。
こういう風景の中、かつて日米が戦ってたんだなあと思う
 2時間後、あっという間に那覇空港へ着いた。
 おしりさんがブログで「衣替えかな?」という話が書かれていたので、涼しくなったのかと思いきや全然そんなことはなく、空港の中でもすでにムシムシしていて、慌てて羽織っていた服を脱ぐ。そういえば事前にチェックしていた週間天気予報によるとこの4日の天気は「曇り・曇り・雨・雨」だったはずなのだが、まるっきり快晴です。今回もゆっきさんのスタンドが発動している模様。きっとスタンドが「来るっていうから晴らせたのに! そんなに急に天気を元に戻せるかよ!」とか言ってそう。
 空港からまっすぐホテルに……とはいかない。明日ゆっきさんがレンタカーをすぐに借りられるように、羽田の旅行会社カウンターで受け取ったチケットを今度は那覇渡しておかなくてはならないのだ。というわけで免許も持ってないのに送迎車でレンタカーのお店へ行き、その後モノレールでホテルへ向かう。おしりさんの薦めで今日は1日利用券を買っておく。
ゆいレール
 今年5周年を迎えた「ゆいレール」に乗るのは今回が初めて。いかにも「モノレールを後から作りました」という場所を通るので、周りの建物が結構近い感じに見える。それでいて高いところから見る街の風景というのは新鮮。今回の旅行では昼夜に渡り利用させてもらった。

 今日のホテルは国際通り入口近くにある「ホテルチュラ琉球」。決して新しい建物ではないが、立地は非常によい。
中央よりやや右奥の看板のある建物がホテル
 ここで荷物を置いた後、空港近くまで戻っておしりさんのお宅へ向かう。
 おしりさんの最寄り駅の窓から見える空港と海が奇麗なこと!
目の前が海
 実際は後でおしりさんの家の窓から見える風景がほぼこれと同じだったことに二度びっくりするわけだけど。

 駅から歩いてすぐのところにあるおしりさんの家へとまっすぐ向かうはずだったのだが、駅前の古本屋にふらふらと引き寄せられるダメな私。
実はフレーム外にはマジンガーZもいた
 なんか3mはありそうなワニの模型とか高さ2mはありそうなガメラとか遊園地みたいな入口に惹かれて入ってみると……
ファミコン山盛り
 何このスーパーポテト。いや、多分アキバのスーパーポテトよりもソフト置いてあります。
 広い店内なのに置き方も半端ない。そしてマニアック。例えば無造作に吊られているMSXのカートリッジ群とか。
間違って買ってしまったのか。それともマニアなのか
 『ジャン狂』とか見たの何十年ぶりなんだろう。各ハードも取り揃えられている。PC−FXとかも。
徳間書店のソフトですw
 晩年に発売された『ファイヤーウーマン纏組』までもが2100円とか普通にリーズナブルな値段で。沖縄恐るべし。いや本体持ってないから買わないけど。
 あとなぜか古いおもちゃも充実していた。こんなのとか。
超合金
 懐かしすぎる。ちなみにアニメ「北斗の拳」の2頭身プラモデルとかお宝っぽいものもたくさんあったけどきりがないので先へ進む。

 駅で「これから行きます!」と行ったのに随分時間が経ってしまった。おしりさんの家は駅前のマンションの最上階にあった。おしりさんは1年前の送別会のときとまるで変わらない。私が着くなり「それでは行きましょうか」と自転車用具を私に差し出した。自転車で遠出をしようというのだ。そのためわざわざ会社の同僚から自転車まで借りていて既に自転車はおしりさんの家にある。ゆっきさんの急な延期からまだ半日しか経ってないのに何という手際の良さだろう。それに引きかえ私は「ジーンズで自転車に乗るんですか?」とおしりさんに指摘され自転車用のズボンを借り、グラブを借り、日焼け止めを借りて(海でしか使わないと思ってホテルに置いてきてしまった)ほとんどダメな観光客を素で行く展開。先が思いやられる。
 ともかく自転車でレッツゴー!
おしりさんをおしりから撮影
 何軒か臨時休業だったり潰れていたりした店を回って足慣らしをしつつ、お昼ごはんにありつく。
沖縄そば
 「味噌そば」だったかな? ランチタイムなのでジューシー(炊き込みご飯)まで付いていて、そのボリュームにお腹いっぱいにしてから自転車本番。
奥が私がお借りした自転車
 とにかく今日は快晴だ。青い空、青い海。夏真っ盛りである(11月の日記です)。
広い視界にシンプルな風景を見られるだけで嬉しいよね

 途中、ジャスコでソフトクリームを食べて栄養補給したりしつつ、那覇南部・沖縄本島の南の隅にある「具志川城跡」へ到着。
具志川城跡
 12世紀頃のお城の跡らしいが、朽ちていてまるで貝塚。外側を眺めると、ここの海は外海に面しているので波がある。
ああなんて綺麗(こればっか)
 さらに、具志川城跡のすぐそばにある「喜屋武岬」へ。
上の写真に似ているのは、すぐそばなんだからしょうがないのです。
 mixiに上げた写真はここのです。そういえば最近「喜屋武ちあき」ってC級アイドルの事務所の内部書類が流失してゲーラボが気の毒なことになってたな。彼女も沖縄出身なのかな。
 この岬は二次大戦中に民間人の多くが犠牲となったために記念碑も建てられていた。
マグリットじゃないけどなんか凄いね

 ここらで私の体が限界っぽそうだったので帰路につく。
おしりさんのおしり・その2
 自転車がサイクリング仕様だからなのか脚よりもむしろ肩が凝る。慣れないポーズだからだろうけど、こればっかりはどうしようもない。

 行きに自転車の写真を撮った橋まで戻ってきたら日が暮れてきた。
どこを見ても絵になる風景

 帰ってきてからおしりさんの会社へ徒歩で向かい自転車を返す。お借りした同僚の方にはお会いしなかったが、東京土産とゆっきさんの泊まるはずだったホテルの宿泊券を差し上げる。後で聞いたところによると朝食バイキングや大浴場を堪能して下さった模様。日が完全に暮れたので国際通りへ向かい、おしりさんオススメの店であるところの「さかえ」へ。
東京の下町を思わせる風景
 この4年で観光地化がさらに進んだ国際通りは、もはや原宿並みに地元には縁の無い地と化しているみたいだけど、こんな地元っぽいお店もちゃんと生き残っていた。
 ここの目玉料理は、何といっても牛刺し。
山盛り
 間違いなく地元の牛と思われるやわらかくて新鮮なお肉が舟に山盛り入って500円! 肉の鮮度とニンニクの風味、そしてこのボリュームが相まって、もうこれとご飯だけで夕飯OKな感じである。ご飯が100円なので、ほぼすき家の定食レベルの価格。東京ならこの半分の量で、味も落ちて1000円以上は下るまい。なんでこんな値段になっているのか全く理解できない。
食いまくり
 今日はさらに、元々はヤギ料理の店だったからということで、ヤギもあったのでヤギ刺しとヤギ焼き、そしてさらにいろいろ頼む。どれも美味い。そしてお店のママがまた優しくて面白い人で、見た目も喋り方のイメージも、あの「ゆっくりしてってね!」の人そっくりなのが何だか凄い。
 もうひとつこの店の凄いところは、暫く料理を注文しないと、頼んでいないものがサービスで出されることだ。今日は島豆腐と、缶のさんぴん茶などが勝手に振舞われた。おしりさんと2人でそのほか泡盛とかいろいろ頼んだら、料理の皿があまりに大きくて途中で食べきれなくなって3品ほどキャンセルして脱出。おしりさんがいるのに食べきれないのは間違いなくおしりさんの相棒が不在だからです。くやしすぎるのでお店からその相棒であるところのゆっきさんへメールしようとしたらメアドがわからなかったのでmixiで公開私信。

 飲みが早かったので店を出たのは9時半ごろ。国際通りは22時までほとんどの店が開いているのでふらふら見物。前回気に入っていたTシャツ屋のハブボックスは今も健在だった。
かわいいTシャツ
 新作ではアメリカ大好きな沖縄らしい、こんな素敵Tシャツを作っていたのでさっそく買おうとしたのだけど子供用しかないのだという。残念。

 というわけでおしりさんと別れてホテルへ。
修学旅行客用みたい
 シングルルームなのにベッドが3つあってびびる。


11/7・4年ぶりの潜行
 心地よい目覚め。
 安ホテルの朝バイキングはせいぜい和風と洋風を自分で選べる程度の違いしか期待できないものだと思っていて、実際そうだったのだけど、おまけ程度に置かれたフルーツポンチを一口食べてみたら、すべてホテルで果物を仕入れ、切ったと思われる現地フルーツで、カンヅメ成分ゼロ。鮮度の高い果物の甘みも相まって唯一おかわりしてしまった。

県庁前
 今日の天気は曇り後雨。しかしホテルを出ると快晴だった。
 そう、今日は究極の晴れ男、スタンド使いのゆっきさんがやってくるのだ。

 国際通りでアイスコーヒーを飲みながらゆっきさんのレンタカーを待つ。今日は金曜日なのでおしりさんはお仕事だ。
 レンタカーを借りたゆっきさんと無事合流し、ホテル経由でダイビングショップへ向かう。カーナビの指示を無視して自分で道を最適化しようとし続けるゆっきさんに男気を感じつつ時間通りにショップへ着いた。

 ショップは6人くらいの若い男女が盛り上がっていた。今日同じ船に乗るお客さんで、彼らは神奈川県の茅ヶ崎にあるショップの人たちらしい。沖縄は初めてなのか、えらく盛り上がっている一行をよそにゆっきさんは2年ぶりの水中カメラの点検に余念が無い。
 私はこれまで宮古島の同じショップにライセンスを取得して以降ずっと通い続けてきたので、そこ以外のショップに来たのも、宮古島以外のところに潜るのも初めてだった。
 今回のショップの使う船はこれまで私が乗ってたのと同様小型のクルーザーだが、宮古島の「海塾」で使っていたものよりも一回り大きく貫禄があった。船に乗って15分もしないうちに今日のポイントへ着く。ああ、もちろん海もばっちり晴れているさ。
このくらいのサイズだったら許されますかね?
 4年ぶりなので、自分が何キロのウエイトを着けていたかも忘れていたが、それ以外は特に問題も無く、潜行は思ったよりもうまくいった。苦手な耳抜きもスムーズだ。
 しかし初の本島の海で泳ぐ4年ぶりのダイビングは、残念ながらあまり感動的なものではなかった。
 海底は起伏が無く、オブジェクト……もといサンゴや海草や魚も思ったよりも多くない。海はただまったりと平面で、これは今日の天候のせいかもしれないが透明度が特別高いわけでもない。特に水深が15mほどしかないため、すぐに底に着く。おしりさんならスキンダイビングで潜れる程度の深さだ。海塾時代はスパルタというか適当で、ライセンス的には初心者である「オープンウォーター」(映画と関係ないです)な私を30m近い海底へ連れて行かされたので、実際この程度では感動できないのかもしれない。急激に酸素が奪われる中、眼下にもっと深く入り組んだ海があるのに、自分の実力ではここまで、というところまで潜るあのくやしさが味わえないのである。
窓の外
 残念ながら私はダイビング用の水中カメラを持っていないので、海で撮った写真はこれくらいしかないのだが、この日は特に見るべきものもなかった。

 ただ4年ぶりのリハビリにはこのくらいが丁度良いのだろうと思いながら本日2本のダイビングは終了。
 なんと今回利用しているダイビングショップは陸(店)にシャワーが無いので、皆船上の簡易シャワーで水浴びしたらさっさと着替えている。私とゆっきさんはそんなことは知らずに来たので、海パン姿のまま解散に。とりあえず最初に荷物を置いたゆっきさんのホテルに向かう。私は今夜から2晩、おしりさんの家に泊めてもらうことになっているのだが、時刻はまだ夕方なので、おしりさんは会社で仕事中。ゆっきさんのホテルでシャワーを貸してもらおうとしたら「利用客以外の入室禁止」ということでロビーで店員が私のことを遠巻きに睨んでいる。
 仕方ないのでゆっきさんと別れ、ゆっきさんが以前利用したことがあるという「りっかりっか湯」というところへ行くことにした。りっかりっか湯は国際通り付近のどこかにある、沖縄では珍しい温泉らしいのだが、ホテルで貰ったガイドブックには載ってない。ゆっきさんのホテルは国際通りまではそれほど遠くなかったので、ゆっきさんが何となく「多分この辺」というあたりまで行ってみることにする。昼に食べ損なったスパムのおにぎりをほおばりながら、初めて歩く町。これはこれで旅の醍醐味だ。
 15分くらい歩いて、すっかり陽がくれた頃に観光案内施設へ到着。場所を聞くと、その施設のすぐ裏だったので特に迷うことも無く着くことができた。

「りっかりっか」ってどういう意味かよく知らないんだよね
 温泉は市内のホテルの一角を宿泊客以外へも開放しているものだった。タオルレンタル料込みで入浴料1300円は決して安いとも思わないが、温泉も久々だし時間もあるからゆっくりしよう。
 途中、ホテルのおばさん2人が定期水質調査で浴室内をうろうろされるというところは落ち着かないと思ったけど、湯船に出たり入ったりを繰り返して気がつけば30分くらい利用した。温泉の他にもジェットバスみたいなものもあったので使ってみたら文字通り湯あたりして気持ち悪くなったので出る。
 風呂を上がるとタイミングよくゆっきさんから電話。国際通りで買い物中とのこと。温泉を出て、合流するまでの間、昨日入らなかった店を何軒か覗く。
ノーライセンス
 国際通りはこの4年の間に、日本一のTシャツ観光地になってしまったが、Tシャツマニアの私の目を引くものは(昨日のハブボックスを除くと)ほとんど無い。
 唯一気になったのがここで売っていた上写真のパックマンみたいなやつだけど、なんか独自ブランドものらしく値段が書かれていないので、無駄に高そうだったためスルー。これはただの記念写真。
 ちなみにここには「コッカイ」というガンプラと国会の融合ネタTも何種類かあって誰かのおみやげにしようかと思ったけど同様にスルー。これらが先のリンク先のサイトに載ってないのはやはり版権問題なんだろうね。

 今日の晩御飯は、やはりゆっきさんにもあの絶品牛刺しを味わって貰わねばということで、昨日と同じ「さかえ」に決定。おしりさんとも店で合流することに。
牛刺し再び
 昨日見た光景再び。しかし今日は昨日の倍の人数でやってきたので昨日の倍のスピードとボリュームで料理が消えていった。
 例によって頼んでいないものが差し入れで出る店である。今日に至ってはメニューにないけど試しに頼んでみた「ソーメンチャンプルー」が出来たら差し入れになっていたのは、どういう理由からなのだろう。オリオンビール製のトマトジュースの缶とか、今日も(いろいろ頼んだものとは関係なく)ご馳走になった。
ほぼ家庭料理
 本日特に美味かったのはこの、島にんじんの炒め物だ。かつおだしのきいたカレー味は、おそば屋さんのカレー風の味わいなのだが、とろみがきいていてめちゃくちゃ美味い。ああ、写真見ただけでまた行きたくなってきた。

しぼりとられたシークワーサー
 ところで「ご近所さんから貰ったから使ってー」と差し入れられたシークワーサーをしゃぶりつくすほど味わって、「おばさんじゃなくておねーさんありがとー」と連呼する、泡盛でメロメロになっていた今日の宴の主役が1人いた気がするのだが、とりあえず細かくは触れないことにする。

 タクシーで帰るゆっきさんと別れモノレールでおしりさん宅へ。すぐにぐっすり。

11/8・慶良間島
 旅行3日目。今日の天気は曇り後雨。
さわやかな朝が来た
 しかし今日も絶好調な天気である。ゆっきさんのスタンド(ウェザーレポート)すげー。
 ダイビング2日目は早朝から船。今日はおしりさんも参加だ。おしりさんは沖縄に住んで1年になるのにダイビングをするのは今回が初めてだという。スキンダイビングで十分堪能できるので必要性を感じないそうだ。グレートバリアリーフで鯨と一緒に泳いだ人にとってはそういうものかもしれない。

 昨日は本島付近でのダイブだったが今日は30分以上船に揺られて本島近くの島、慶良間島でのダイビングである。ゆっきさんのリクエストだが、おかげで昨日よりもずっと楽しい海だった。
今回乗ったボート
 船には昨日をはるかに上回る乗船人数のお客さんがいた。さすが土曜日。この分だときっと海も混んでいるに違いない。
 まず1本目のダイブは鮫の見学で、体長1mにも満たない鮫の巣を覗きに行くというものだったが、案の定あちこちのダイビング客がみんなでやってきており、順番待ちで並んでみるような状態でほとんど上野動物園のパンダ状態。見たと思ったら、立ち止まらずにすぐに交代。これでは感動もない。
 しかし、さらに船を島の近くに移動させてからの小さな湾で泳いだ2回目の亀見学は素晴らしかった。船がそこへ着いたのも、その船からダイブしたのも我々が最初だったので、今日一番"荒らされていない"海を見る事ができたのだ。そして潜った最初の海の下にその亀はいた。海底のサンゴや海草で囲まれた小山の上に体長1mくらいの亀が鎮座していたのである。
 ゆっくりと近寄るが逃げる様子がない。ゆっきさんが近づいてパチバチカメラで撮影するが、まるで塀の上でひなたぼっこをする猫のように動じない。よく見るとその亀の後ろでも同じくらいの大きさの亀が2匹、戯れるようにくるくる回りながら泳いでいる。竜宮城のような光景だ。今回のダイビングで一番楽しい風景だった。
船と空
 船と空と島と海。幸せな時間だ。
 今日最後となる3本目のダイブでは、途中亀が目の前を横切ったくらいで、特別目新しいことは無かったが、最後に「360度視界に自分たちと海だけ」という海底も船も見えない世界を体験できたのがちょっと新鮮だったかな?

 2日間で5本のダイブ。5本とも15m程度の深さだったこともあり、決して最高の泳ぎは体験できなかったが、ずっと入りたかった海に来られたことやいくつかの初体験のおかげでそれなりに充実感はあった感じ。
 ちなみにおしりさんは3本目は潜らずに船上で陸へ揚がるまでお昼寝。ゆっきさんは水中メガネをショップに割られるわ、愛用のカメラ用ライトの1つが水没するわとあまり良いことのない感じで気の毒だった。

 ダイビングショップと別れてから一旦解散し、陽が暮れてから夕食を食べに再度集合。今日のお店はここ。
ひなびた入口
 「琉球料理乃山本彩香」。
 ゆっきさん曰く「アメリカがやってくる前の本島の琉球料理が食べられる唯一のお店」とのこと。しかし店の名前が凄い。
フルネーム
 何しろ店主の名前が店の名前なのである。どれだけの自信なのだろう。おしりさんの話だと何でもこの女性(お婆さん)はラジオに冠番組があってレギュラー出演しているなど地元では結構な有名人らしい。それだけに予約するのも大変らしく、当然食事はコースで、結構なお値段でもある。
 そういう芸能人のお店っぽいところは本当に美味いのか怪しい気持ちもするわけだが、ゆっきさんが選んだ店であるし何事も経験だ、などと思っていたのは本当に店に入って食事をするまでの最初だけだった。
テーブル
 民家をそのまま使ったような店内は、実際応接間に我々を含めて3組のお客が入るだけ。後は数席しか座れないカウンター席だけというめちゃくちゃ本気な佇まい。
 中央のカメで飲み放題のように置かれた泡盛を舐めながら、フランス料理風に順番に出てくる料理はどれも皆を満足させてくれるものだった。
 さまざまな料理は婚礼料理などとして食べられた華やかなものも含まれるが、基本的に田舎料理で、本当に心にしみる。子供の時に親戚の家で食べた美味しい料理、という、言うなれば「おふくろの味」なのである。
 いくつかの料理を食べ、皆で「なんて美味いのだ」と興奮気味に語り合っていると、噂の店主・山本彩香さんが部屋へやってきた。そして、それぞれのテーブルにやってきて、いろいろ会話を楽しむ。
 その話も店主と客というようなよそよそしいものではなく、初めてのお客でも常連さんのような親しみを込めて語るそのリラックスした楽しげな雰囲気にすっかり魅了されつつ、後々考えてみればつまりこれは究極の接客術で、あえて言うなら銀座の高級クラブの"ナンバー1"と同じなんだ(そんなところは一度も行った事ないけど)と思った。田舎のおばあちゃんの家に行った時の楽しさや暖かい気持ちをここで料理と共に味わえる場所。通いたくなる気持ちがよくわかる。はるか昔、小学生の時に2年続けて泊まった温泉旅館で、女将に「去年も来てくれたよね。ありがとう」と言われて、後で考えればそんなの珍しい苗字と台帳で気付いただけだとも思うのだけど、そのときのことは今でもとても嬉しかった記憶として思い出す。
どぅるわかしー
 究極の自虐Tシャツ「メタボシーサー」を着てやってきたゆっきさんは、特に「どぅるわかしー」という里芋 田芋を中心とした料理(↑)に魅了されていて、やってきた山本彩香さんに「おかわりできるものならしたくなってしまいましたよ」と思わず口に出したところ、「ああ、それなら言ってくれればいいのに」と、店の人を呼びつけて数分後、本当にお代わりが出てきたときは驚いた(上の写真は実は、そのおかわりを興奮気味によそっているゆっきさんの様子)。
 私もその後、デザートに出た「ドラゴンフルーツのシャーベット」があまりに美味くて悲鳴を上げていたところ「これは私が潰して作ったものだけど、果物の味はいつも違うから今日と同じ味はもう出せないのよ」などという説明と共に、おかわりが本当に出そうになって激しく恐縮し、慌ててそれを止めてもらったことを今でも少し後悔している。
 というわけで、あの舌の肥えたゆっきさんが、サイン本まで買っていくほどの「山本彩香萌え」に納得した3日目の夜であった。

 店を出ると外は地面で濡れていた。どうやら食事の間に雨が降っていたらしい。明日はダイビングはせず屋内観光中心なので雨が降ってもそんなに困らない。
 タクシーで帰るゆっきさんと別れ、彼がホテルに着いたらきっとこの雨は再び降り出すに違いないと思った私は、おしりさんとモノレールで慌てて帰ったが、駅を出ると大雨。ゆっきさんのほうが先にホテルに着いてしまったのだ。
 雨の中を走って、おしりさんは帰宅。私は初日に続いて再び「マンガ倉庫」を物色。
 うおー、レトロゲームに囲まれた至福の時間だぜー(詳しくはmixi日記参照)と思ったら気がついたら1時間半くらい居たみたいで、帰ったらおしりさんは既に布団を敷いて寝ていらしていた。そんな沖縄最後の夜。

11/9・さあ牛だ
 りゅーじん・りゅーじん・まぶーやー♪ せいぎのヒーロー・まぶーやー♪
マブヤー変身

戦うマブヤー

マブヤータイトル
 というわけで早朝から起きて、おしりさんが録り貯めているローカル番組『琉神マブヤー』を観る。15分番組なのだけど続けざまに4本。
 沖縄のヒーロー、ニライカナイからやってきた魂の戦士マブヤーハブデービル率いる悪の軍団マジムンとの戦いを描くこの物語は感動必至なので是非You Tubeとかで観てください。
 しかもこの番組、無駄に?ハイビジョン撮影されていて超高画質。確かに沖縄のさんさんと照る日光があればレフ板なんていらないよなー!
 おしりさんのおかげですっかりにわかマブヤーファンになった私。

 というわけで今回の旅行最終日となる4日目はついに雨となった。
中央に見えるは例の「まんが倉庫」
 でも今日向かうところはすべて屋内施設なので、雨はそれほど苦にはならない。
 最初に向かったのは地元の野菜を売っている市場(写真は同行面子ばかり写っていたのでありません)。ここで私も昨日食べたドラゴンフルーツなどいくつかの果物やお弁当を買っていく。
 そして車を1時間ほど飛ばして向かったのは中部にあるとある施設。今日は沖縄闘牛の「全島大会」が開催されるのでそれを見学するのだ。
ドーム
 多目的と書いてあるけど、闘牛以外に利用用途の無さそうなドームへ向かうと、沖縄中の闘牛ファンでひしめき合った会場に圧倒される。
ドームの中
 沖縄のイベントというから、もっとまったりしているものだとばかり思っていた我々一行は驚きを隠せない。
 老若男女の喧騒の中、十数組の取り組みが行われた。
たたかいははじまってしまった

たたかいははじまってしまった
 闘牛はリングに2匹の牛がやってきたところでほぼすぐに始まる。飼い主の人間は代表が1人ずつ横で「はいれーはいれー」とはやし立てるのだが、牛にそれを言うことで効果があるのか、そもそも聞いているのかは非常に怪しいところ。
 試合は長いと20分以上、早いと数分で終わる。私は時折眠くなったが、ゆっきさんは終始興奮気味で「ダイビングのときより写真撮ってる」と持ってきた望遠で激闘を撮影していた。そういえばこの人は1年半ほど前にスペインで別の本場の闘牛を見ているのだが、これはこれで非常に面白い様子。
 間もなく最後の取り組みが行われた。
牛さん
 最後は前回の優勝者が防衛したものの、20分以上の激闘で非常に良い取り組みだった。
 さて、これで解散、と思いきや、最後は優勝した牛の撮影会。
ヒーローインタビュー
 さっきまで命をかけて戦っていた牛の周りに皆がカメラを持ってリングの柵を越えて集まってくる。危なくないの?
牛の目がかわいい
 危なくないみたい。牛は本来おっとりしているものなのかも。ていうか気がついたら私も降りていた。牛の糞だらけのリングはいろいろな意味でデンジャラス。
見えません
 ともかく大人気。

 なんだかんだで全試合で3時間半ほど。いろいろ勉強になったが、やはり動物が痛々しいのは人間よりも辛いなあ。

 途中で小腹を埋めるためドライブインみたいなところに寄ったらまさかのマブヤーグッズに遭遇。
沖縄のヒーロー、大人気
 ついつい朝の勢いで買いまくりそうになる。

いろいろ買った
 結局、マブヤー人形とマブヤーちんすこう、マブヤーあぶらみその3種を買って、ちんすこうはI坂さんへ、あぶらみそはlessさんに差し上げて、人形は結局自分用になっている。

 晩御飯は米軍基地近くのこちらのお店。
どこかアメリカンなたたずまい
 進駐軍気分でステーキカレーを注文。たった800円だが、150mmくらいの厚みのお肉がどかんと乗っていて驚く。
ステーキカレー
 圧倒されていて食べ始めてから写真撮ってないことに気付いた。

 この後が大変だった。
 帰りは21時発の飛行機だったのだが、ステーキを食べて出たときには既に外は真っ暗。それでもおみやげを買いにジャスコやらおしりさんの近所の酒屋さんやらあちこち車で寄っていたらほとんど残り時間も無くなって、おしりさんを家の前まで連れて行ったときには20時を過ぎていた。4日間を一緒に過ごした人にあまりちゃんとしたお礼も言えないまま大慌てでレンタカーを店に回す。ゆっきさんの話では店から空港までは送迎バスが出るという話だったが、ショップに着いた20時15分の時点では既にバスは出た後。レンタカーの荷物をとにかく全部出していると目の前をタクシーが通るので慌てて捕まえる! 10分後の20時25分、我々は無事那覇空港へ到着した。
沖縄最後の食事
 搭乗5分前にブルーシールのミックスソフトを食べながら分刻みで過ごした1日は、とても振り返る余裕なし。
 最後まで充実した旅行だった。ありがとうゆっきさん。おしりさん。


 そして余談。
 羽田空港で大荷物を抱えてロビーを出る。東京は雨どころか土砂降り。帰りはゆっきさんの車で送ってくれるというので安心していたらゆっきさんが叫んだ。
「あっ! 駐車場の場所が反対側だ!」
 ゆっきさんは当初私と往復ANAだったはずだったのだが、急遽行きがスカイマークになったのでゲートが逆になっていたのだ。これどうしたらいいの? と思って係員の人に聞いたら秘密の?地下通路を教えてくれた。

 京急の改札の脇にこんな長い連絡通路があったなんて、何度もここは通っているのに初めて気付きました。
羽田空港


日記の追伸。気がつけば旅行についての日記を書くまでに1週間以上開いてしまい、正直とりあえず先へ進むための書きなぐりになってしまった。楽しい思い出なのだからすぐに書いておきたかったなあ。今度から旅行ではメモを取るようにしよう。

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