娯楽の力ですべてのストレスを癒そうとする11月中旬の日記。それにつけても16mmカメラ勿体ねえ。

11月上旬の日記日記メニュー

11/11・『ストーンエイジ』
 白鳥哲監督による初の商業映画『ストーンエイジ』を観に武蔵中原へ。
 白鳥監督とは一昨年の狂乱の忘年会(2003/10/25)でお会いしたのが初対面だった。その時「映画撮ってるんです」と、近々行われる上映会のチラシをいただいたのをきっかけで観た初監督作『サイレントコール』が、失礼ながら思いの外傑作であった。(2004/1/12
 その時に制作決定を告知されていたのが今日の『ストーンエイジ』だった。

 映画はその年の忘年会(2004/12/11)でお会いしたときには「今日もロケハン帰りなんです」ということで、いよいよ来年には本格的に開始なんです、と聞いてから1年。映画は完成していた。
 しかも完成を知ったのは8spotsに教えてもらったスポーツ紙の記事。何とも凄いことになっていた。
 一般公開は来春ということで、これは待つのは大変だと思っていたところで今日の上映会のことを新聞折込の地方情報ミニコミ紙で偶然知り、今日は無理矢理会社を飛び出してきたのだった。

 さて、その映画であるが、『サイレントコール』と同様、監督の人柄が伝わってくるとても人間に優しい映画だった。
 作品が持つメッセージの実直さは、黒田勇樹演じる本作の主人公と同様、観ていて少し恥ずかしくなるほどなのだが、作品に"照れ"が無いためその想いはストレートに受け止めることができる。
 題材のひとつとなる、引き篭もりや強迫障害などに関してもきちんと理解しているようで、作品中での説明は少ないが都合よく表面をなぞっているだけではない。
 とにかく作品全体に"人の優しさ"が溢れていて、観客の方が照れくさくなってしまうが作品はちっとも照れくさくなく、ニコニコとしている。そんなストレートさを持つ映画があっても良いではないか。

 残念だったのは、物語のキーとなる「言葉の力による波動の力」というのが(それが現実のことなのだとしても)少々突飛過ぎて観ていて戸惑ってしまうのと、クライマックスで主人公が発見する「岩」が、作品全体で盛り上がるべきところなのだが期待に反してグッと来るものが無かった点がすこぶる残念なのだが、初の商業作品とは思えないほどの落ち着きを持った力作。あえていつものように星で評価すると☆☆☆だが、作品の完成度以上に得るものがあった。無理して来て本当に良かった。

 上映が終わってから監督に会うことができたけど、観終わったばかりで落ち着かなくてあまりいろいろ作品について話すことができなかった。今度会う機会があればいろいろ話を伺ってみたい。

 そうそう最後にひとつ。この映画、クライマックス以降の舞台が何と「宮古島」なんですよ!
 毎年秋に欠かさず足を運んでいた"宮古"に、今年は仕事が多忙で行くことのできない"宮古"に、私はこうして今年も再会することができたのであった! これもまた運命なのだろうか。
 ありがとう。白鳥監督。

11/12・寄席
 ヒロターズ行きつけのバーが主催の寄席に8spotsと3人で参加。ヒロターズは私には普段想像もしないところへ誘ってくれるのでいつも新鮮な体験を得られる。今回も私は落語はほとんど知らず、せいぜい『タイガー&ドラゴン』を数回観た程度だが、知らないものを体験するのはわくわくする。
 バーの近所の公民館を使ってのイベントで、ヒロターズはこの日のために久々の着物姿。彼女の着物姿はとても様になる。今日は天気予報では雨だったはずなので、「雨なら着物は着ない」と言っていた言葉が効いたのか朝から快晴。スタンド健在。
 今日の出演は、師匠のほうが三笑亭夢太朗、前座は三笑亭可龍(だと後で知る)。腕の方は師匠はもちろん前座もなかなかのもので、目の前で人が演じるのを見るというのは非常にほどよい緊張感があり、2時間で4本の演目はあっという間に終わった。なお借りた公民館というのが実は「男女機会平等センター」とかなんとかいう場所だったのだが、最後の噺が吉原モノ。受付にいた御婦人がいつ目の前の障子を開け赤い顔で飛び込んでくるのかと冷や冷やしたのも演出だとしたら凄い。

 ちなみに参加者全員参加で国立演芸場の寄席チケット争奪ジャンケン大会が行われたが、最終的にヒロターズが全員を下してチケットをゲット。今日も彼女の一人舞台であった。

11/13
 いろいろ資料を回収しに夏に泳ぎに来て以来の実家帰り。とは言っても電車とバスで1時間強な距離なので普通に親不孝なのかもしれない。
 今日はいつも以上に荷物が多く書籍ばかりで紙袋2つをいっぱいにして帰宅。重くて泣ける。明日からまたこれを精一杯仕事に役立てるわけである。

 帰宅してから久々の『TRICK』の特番。案の定16:9放送だった。地上波デジタルのほうで録画しておいて良かった!
 例によってテレビ版だろうと特番だろうと映画版だろうとクオリティは特に違いは無いわけだが、第1シリーズが終わったときのさみしさを思うと、こうして何年かに一度彼らに会えるのは幸せなことだなあ。

 で、聞くところによると、どうやらKENのいるサラワクでは放送してなかったらしいよ。

11/14
 実家から運んだ重い荷物を抱えて職場。狭い会社のデスクがどんどん自分の部屋っぽくなってくる。
 朝からがっかりさせられたが、もはや疲れて怒る気にもならない。みんなも疲れて私を怒る人もいなくなりそう。
 仕事残ってたけど気力が続かず。終電よりも早く帰ると、駅のホームにも街にも人がいっぱいいてなんか不思議な感じがする。
 貯まった新聞を読んでいると猫が邪魔をする。こういうことがいちいち和む。
 そんな和む写真を撮っておかなかったので一昨日撮った和む写真を貼ってみる。10/18の日記の写真と同じ場所です。
いつだったかの写真の続き


11/15・観察されるの?
 会社の健康診断の結果が配布された。通常は小さな封書状の紙だが、やばい結果が出ている人は茶封筒で渡される。
 私の隣りでいつも私と同じくらい残業しているMr.インクレディブル似のK原さんはその茶封筒だったが、私は封書。
 「大丈夫なんですかー?」とK原さんに会釈しながら、自分の封書を開いてみる。体重は昨年から1kgしか太っていない。1年前から明らかに生活が乱れているのでもっと太っている感覚があるので少し安心したものの、安心できたのはそれだけだった。「要経過観察」と書かれた項目があるわあるわ。私もだめなんじゃん。
 今期に入ってからヒロターズと夜に愚痴ることすらできなくなって酒の量はがくんと減ったのに「酒を控えるように」とか書いてある。飲むなということ?
 3ヵ月後に内科に行けと書いてある。自分で医者探せということらしい。こんな保険いりませんから自分で他のところ入らせてください。

11/16
 朝起きようとしたらいつに無く体が重かった。昨日の健康診断の結果があまりにアレだったこともあり今日は体にまかせることにした。
 今日は会議も提出する資料も無いはずだ。会社に電話して午前半休ということにして再び寝る。そうなると15時出社で済むからとゆっくり休んでいたら本当にギリギリまで目覚めなくて遅刻しそうになった。
 すっきりした頭で出社し気分も悪くない。と、そういう日に限って未提出の書類があったとかで上長から注意を呼びかけるメールをいただいてしまった。やっぱりダメじゃん。

11/17
 死体ビデオとか死体写真とか悪趣味な仕事を行う。あと赤十字とか。自分が何の仕事してるのかわからなくなるね(戦場カメラマン)。ああ、思い出しても気持ちが悪い。
 風邪ひいてるせいか今日もトーン低め。今日も早退したので0時前に帰宅。
 先週の『蟲師』観たけど(枕小路)毎回よくできていて感動的だ。
 先日実家に帰ったときに父から「『蟲師』がアニメになってると聞いたんだけど何時やってる?」と尋ねられたが、「あー、無理無理」と答えておいた。うちの両親はビデオ予約できない。午前3時とか4時とかにやるようなアニメは絶対観られない。あんな時間にやるのはアホのすることだ。
 私は1話の反省から2話以降を地上波デジタル放送で録画してるからDVD−RAMになっちゃって親に貸せないのだよ。実家にも東芝のHDDレコーダー買っておくのが良いのかも。

11/18
 こっちに引っ越してきて半年経ったが初めて寝坊した。起きたのはいつものでかける時間。大急ぎで顔洗って髭剃って……無事にいつもの電車に間に合った。奇跡だ。最近は布団から出るのが辛い季節になりましたね。

 今日は半年ほど巡礼してなかったボスに近況報告。怒られるかと思ったけど機嫌が悪くないタイミングだったらしく、素敵な情報やコメントをいっぱいくれて、もっと早く行っておけば良かったと後悔。
 部屋を出るとき、デスクの正面に「不惑。」と書かれた巨大なタペストリーを発見した。こりゃまた勇気のある誕生日のプレゼントだ。

 帰りの電車は隣りのK原さんと一緒。「今日は珍しく機嫌良さそうでしたね。怒鳴ってなかったし」というのは私のことらしい。そんなに毎日ストレスフルな空気を発散していたのか。

11/19・休暇1
 昼過ぎまで目が覚めなかった。一旦起きてみたがまだ眠いのでさらに潜行。
 ヨドバシ横浜新装開店に対抗して20%ポイントセールをやっているさくらやでやっと『ガンスタースーパーヒーローズ』を発見。SPでどこまで戦えるかわからないが購入。
 帰宅後DVDで『S.W.A.T.』観る。
 予告観ただけでお話わかっちゃうような軽い映画っぽかったので、現用銃の戦闘と出演者が好みという程度の期待しかしていなかったのだが、その期待していた部分がドンピシャ。銃撃戦のリアルさに重きを置きつつ、単純なシナリオの中でキャラが良く描けていて非常に満足できる映画だった。ミシェル・ロドリゲスが相変わらずかわいいじゃないか。熱いFPSがまた遊びたくなるが、現行XBOXは既にMSに見放され死ぬ寸前なんだよな……。
 特典映像観てたら原作のTV版『特別狙撃隊SWAT』が本放送時に本土で暴力的だと叩かれて打ち切りになっていたことを初めて知り、ここでやっと『西部警察』がこれのパクリなのに気が付いた。ハネケン作曲のテーマが、完全にこれのパクリなのは昔から気になってたけどそこまで考えていなかったよ。わざとだったのか。
 期待していた部分が満足できたので評価は(☆☆☆☆☆)です。

 あと、本作の戦闘シーンのおかげで、既に買ってから1ヶ月経ったアンプの威力をやっと実感できた。背後にヘリが飛んだりと、久々に充実したサラウンド環境を体感できたのはオートで設定してくれる機能があるからだ。今度『プライベート・ライアン』でも観直したいところ。

11/20・休暇2
 風邪っぽいのが引かず今日も本格的に窮鼠苦、もとい休息。しかし寝ていると仕事の夢ばかり見てしまい目覚めたときがあまりに空しいので起きてビデオ消化に充てる。

 『ウルトラマンマックス』は最近観出した。ゴモラが切れた尻尾でウルトラマンを攻撃するのはやはり怪獣念力で動かしているのだろうか。でも今回のは凡作。来週からジッソー君の回だ。しかも次々週には『盗まれない街』って冗談みたいなタイトルがある。

 続いて評判の良い『ガイキング』の第2話。スパロボやってない私にはリアルタイム以来の再会。設定が全部違うのに一部の固有名詞やロボット描写は同じなのは好感。熱血少年の主人公の声が田中真弓なのも世代的に懐かしい。人物絵がしょぼいけど確かに割といい感じで付き合ってもいい感じ。

 深夜やっていたホラー映画『ファイナル・ディスティネーション』は初めて観るのだが、かなりカットされているのが観ていてわかる乱暴な放送だった(字幕ステレオ放送だけに悲しい)。冒頭の余計なタレントのシーン入れるためなのだとしたらやはり映画なめている。さすがフジ。
 導入部の話がとてつもなく嫌な感じで、少なくともこれ観た後暫くは飛行機乗れないくらい良くできている。後半になるに従ってどんどん普通のホラー映画になるところは殺人鬼不在の設定が自分で自分の首を絞めているけど冒頭が良いのでかなり許せる。評価は☆☆☆だけどノーカットで観ると印象さらに良くなりそう。来年には3作目が公開されるそうで早速予告を観たけど、今度はジェットコースター。これまた観たら暫く遊園地行きたくなくなりそう。

 ウェズリー・スナイプスの名前が最適な映画『スナイパー』を録画したのは多分年始だったと思う。
 タイトルから『山猫〜』とか『スターリングラード』系を想像していて録画したのに話は全然違ってて『フォーンブース』の元ネタみたいな映画だった。
 限定空間の話といい、過去の話が会話の中だけで完結するところといい実に舞台劇の作りを持った話でそういうところはとても好きなのだが、映画としての演出が足りず良さがいまいち出てないところが三谷幸喜の失敗作『みんなのいえ』と同じ感想。もう少し主人公が見つかってしまわないのかという緊迫感を出すとか(舞台の位置を固定するような)空間を上手に使った演出があっても良かったと思うし、伏線張っている割にはオチが冴えなくて、ただの露骨なアメリカ批判(LAが舞台だけどカナダ・ドイツ合作映画)映画になっているのはもったいない気がする。でもオープニングの曲に乗せた演出が良くできていたのと、よくあるアクション映画観るよりこういう変化球のほうがよっぽど楽しめるので☆☆☆。

 最後に『蟲師』は今週も面白い。週に一度の心を癒す30分間。まさかこんなにデキの良いアニメになるとは、原作ファンとしては嬉しいばかりだ。
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