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●映画 ブレードランナー

ブレードランナー■1985米・香港合作
・ 荒廃した未来世界を描く、いわゆるサイバーパンクSFの先駆けとなる映画。
  リドリー・スコット監督はこれと『エイリアン』でSF映画監督のレッテルを貼られそうになって必死に抵抗、
  SF映画から意図的に離れることによりうまく逃げ切った。
  バージョンは大別して、
  ナレーションとハッピーエンドがある、『シャイニング』のオープニングに繋がるラストシーン付きの通常版
  興収の低さに慌てて残酷描写シーンを足したと言われる欧州公開の特別版(別名バイオレンスバージョン)、
  ラストの違いだけでなく追加シーンで映画の構造まで変えたと言われるリドリー・スコットによるディレクターズカットの最終版がある
  (実は他にも「最終版をつくるきっかけになった映画祭バージョンなどがあるらしい)。
  売れ始めのハリソン・フォード(彼はこの映画が嫌いだそうだ)、変人とばれる前のショーン・ヤング、
  腹の出がまだ控え目で男も惚れるルトガー・ハウアー、キュートな頃のダリル・ハンナ、
  『XYZマーダーズ』とか『48時間Part2』に出ている名脇役ブライオン・ジェームズなど
  レプリカントのイカス俳優陣など役者も面白い。
・ なお原作はディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』だが、多くのディック映画と同様、テーマだけ残して中身はほぼ別物。
  逆に映画の続編として書かれた小説『ブレードランナー2 レプリカントの墓標』、『ブレードランナー3 レプリカントの夜』というのがある。
  (作者はディックの弟子的なノベライズ作家、K.W.ジーター)
  私の読んだ『2』は文章ならではの高尚さこそ無いものの、マニアが語り合ってきた映画のキーワード(ミスまで!)を巧みに取り入れ、
  ディック風味の味付けを施してある。ノベライズだと思って読むと結構な佳作ではないかと思う。興味があれば是非。

『ガイストフォース』(セガ・DC・発売中止)
・ 本体と同時期(1998年末)に発売されるはずだった『スターフォックス』系3Dシューティング。
  発売日まで出ていたこともあったが、最終的に完成を待たず発売中止に。
  そのゲームの指摘部分は本体のおまけについてきた製品予告ビデオ。流れるBGMが『ブレードランナー』のエンドタイトルの曲のもろパクリです。
  主旋律の音だけハズしていているものの、後はほとんど一緒。
  『炎のランナー』と『南極物語』のメインテーマ同士もよく似てますが、それより似ています。
  『用心棒』と『ゴジラ対メカゴジラ』なんか目じゃありません。
  例えるならSFC版『クレイジークライマー(ニチブツアーケードクラシックス1収録)』というか。
  しかし、全然出来てなかったとはいえ、発売中止になっちゃうのはいつの時代も悲しい。

幻のパッケージCG


『魂斗羅 ザ・ハードコア』(コナミ・MD・1994)
・ アーケード、SFCと続いた『魂斗羅』シリーズ第4作目(移植を除く)。
  続にいう"偶数面"の要素を廃し、純粋な横スクロールアクションシューティングとなった。
  分岐する面とシナリオ、多数のボスキャラ、4種類のプレイヤーキャラなど、これまでのシリーズの殻を破る痛快作であり今なお人気が高い。
  本作についての詳しくは「GAME KOMMANDER」さんがとてもアツいので是非ご覧下さい。
・ パクリ部分は1面で下の選択肢を選んでマンドレイク博士の元へと向かう第2ステージ。
  冒頭の高速道路の背景に連なる、頂上を潰したようなピラミッド風ビルはまさに映画で飛んだ空に見えた、タイレル社を始めとしたビル群。
  (情報提供:B.J様)

世界観壊しまくりのロボット・ブラウニー
DECOもびっくりの濃くてアツい展開(と調子狂いまくりのブラウニー)。ともかくチーム機知GUYに乾杯!


『スナッチャー』(コナミ・PC-88mkIISR以降ほか・1988)
・ 2042年の神戸(ネオコウベシティー)を舞台に、元の人間を殺し、その人間に成り済ますアンドロイド“スナッチャー”と
  それを追う捜査官“ジャンカー”との戦いを描く、近未来ハードボイルドADV。
・ 世界観そのものを『ブレードランナー』から拝借しているが、オマージュとして、そしてオリジナルの物語として昇華し成功しているため
  否定的な意見が出ることはあまりない。
・ 物語的には当初発売された1988年のPC-8801mkIISR版およびMSX2版では未完のままで、
  続編が待たれたが、ついに発売されることはなく、なんと物語の続きは2年後、『SDスナッチャー』(MSX2・1990)で明らかになる。
  しかしこれは(後半はほとんどシリアスになるものの)RPGだったので、
  ADVとしての完成は『SD〜』の後半ストーリーをリメイクした、1992年のPCエンジン版を待つことになる。
  (ただ、これが発売された時には、物語の発端となる1991年のモスクワ爆発事故が“過去”になっていたのは苦笑だった)
  その後、ゲーム性の低かったACT3を手直ししたSEGA-CD版を経て、PS・SSに移植。
  ただしPS・SS版は音楽やグラフィックの面のリメイクに反発も多く、評判は決してよくない。
・ ちなみにタイトルから『ボディスナッチャー・恐怖の街』(1956)を想起させるが、
  スナッチャーの目的がまさにあの映画と同じ(これについては別項で)。
・ ゲーム途中、スナッチャーと思われる容疑者の部屋を調べるシーンで、浴槽を調べると
  「なんだ? ウロコでも見つかったか?」というメッセージがあり、映画を観た人への気配りもかかさない。
・ 一番デキがいい『スナッチャー』はどれか、という話題はたまに出ることがあるが、
  個人的には2章まではPC-8801mkIISR、3章はSEGA-CD版だと思ってる。
  『SDスナッチャー』は、遊園地のシーンなど、ADVでは再現されていない(それでいてきちんとドラマになっている)物語もあるので、
  この部分がADV化されていないのは少し残念。

ハリソン・フォードのお気楽顔  やはりPC版のほうが美しい画面だ!
「デッカードさん。あんた、隣のやつに似てないか?」 「俺は覚えてない!」(ギリアン)……とりあえずおでこのぴょこんと出た髪の毛がかわいいね


『ドラマティック・アドベンチャー・クイズ キース&ルーシィ』(ビスコ・アーケード・1993)
・ 時は未来。犯罪を取り締まるために脳改造を施されたアンドロイドの男女が悪人をやっつけるクイズゲーム。
・ サイバーパンクな世界観でクイズを行うというギャップを楽しむゲーム。
・ パクリに関しては、乗ってる乗り物がポリススピナー風というツッコミでは弱いと思うのでこれ。
  最初に入る指令部からの通信に写っている犯罪者のうち左の人物をよく見てみよう(直後の写真右)。
  あのでかい襟ツッパリ風ソリはどうみてもレプリカントな人たちに違いない。
・ 関係ないが1面で敵ザコが乗っているスピナーは『サンダーフォースIV』の自機に似てる(写真右)。

ロイ・バッティ レプリカント脱走
右写真の左モニターに注目。オペレーターの女の子は注目しなくていいです。


・ 続いて「まぁ、似てるかな?」というのを2種ほど。書き加えてみました。

レプリカント脱走 スピナー
まぁ、これはアングルがちょい似ってくらいかな。


レプリカント脱走 スピナー
右のゲームの上のやつは『ナイトライダー』のKITTみたい。丁寧な口調とか。


『ナイトストライカー』(タイトー・アーケード、メガCD、PS1、SS・1989) NIGHT STRIKER
・ 設置台数の少なさとは裏腹に、パシフィストボーナスを含めたハイスコアアタックの面白さと評価の高いドラマチックな音楽で
  カルト的な人気を持つ『スペースハリアー』の亜流となる3Dシューティングゲーム。
  解像度を下げてまでゲーム性を移植したメガCD版の評価の高さに比べ、ビングによるPS1版の移植は「なんか違う!」と散々だった。
  なんでもタイトーにソースデータが無いとかでドットも目で移植したらしい。おつかれさまです。
  なお汚名挽回で出したSS版(S)も決して評価は高くない……。
  (脱線するがビングは現在自転車販売会社になってたよ!(公式サイト)。
  昔の面影なくなったかと思いきや平井久司の『バックガイナー』ギャラリーがあったりする)
・ パクリ部分は意外なことに露骨なものは実はないのだが、夜景を飛翔する未来カーのイメージは映画とかなり重なる。
  ゲームイメージはこの映画の他、『バットマン』のバットモービルの影響もあるようである。

シド・ミードデザインのおなじみポリススピナー OPですからデッサン狂ってるのはご容赦ください。 この他寺院が舞台であったり和風の雰囲気も
アジアを思わせる漢字?ネオンの光る街を飛ぶスピナー似の自機


『ファンタシースターII 〜還らざる時の終わりに〜』(セガ・MD、SS、海外GBA・1989)
・ セガ唯一の人気RPGシリーズ第2弾。
  エルフ耳、半裸レオタード、兄を慕う妹。そして"ずるい"強制イベントのヒロインキャラが物議を醸し出しつつも伝説の名キャラになった話は
  このHPや映画とあまり関係ないのでまた別のお話。
・ パクリ部分はパーティメンバーの1人、ルドガー
  もう名前がそのままなので知ってる人はすぐにピンと来そうですが、ルトガー・ハウアーが演じたロイ・バッティがモチーフ元です。
  パンフの写真とゲームで2箇所しかないビジュアル絵を比べてみました。
  (情報協力:NAO様)

もう一度この写真  キャラウィンドウ
パンフの紹介写真  エンディングじゃん、これ
こうして比べると、ルトガーの魅力は目の強さなのに、ゲームでは普通になってしまい、個性が無くなってますね。


『ファンタズム』(ジャレコ・アーケード・1991)
・ 霊魂状態のプレイヤーが敵に乗り移って戦うアクションゲーム。
  OLDゲーマーなら「『レリクス』みたいなの」で通用するシステムだ。
・ パクリ部分は3面の背景。派手なネオンサインが屋上に立つ超高層ビルの街並みの下には中華料理の屋台が並んでいた、
  というシチュエーション。屋台は中華だけでなく「そば・うどん」「寿司」などもありアジアの混在している様子が
  『ブレードランナー』の影響を受けているのではないかとのことですが……?
  (情報提供:父猫様)

中央の目つきの悪そうなねーちゃんはプレイヤーキャラ 中央のふっくらした雪女?もプレイヤー
左の写真のネオンやあひるの籠がいい感じです。

『ライズ・オブ・ザ・ドラゴン −ブレイド・ハンター・ミステリー−』(セガ・メガCD・1992)
・ 同名海外PCゲームの移植となるアドベンチャーゲーム。
  2053年のLAを舞台に、怪物化した死体とドラッグと暗躍するチャイニーズマフィアの秘密を追う
  警官くずれの私立探偵を主人公としたサイバーパンクSF。なお移植はゲームアーツとの噂。
・ サイバーパンクおなじみの要素いっぱいの物語自体は映画のイメージは多少あってもパクリとは言えないものだが、
  サブタイトルの「ブレイド・ハンター」って名前はあんまりだと思うので採用。

取説より、主人公
渋いゲームなのだが、主人公の声が三枚目声優・龍田"ブタゴリラ"直樹なのはどうかと当時も問題になった。